今回は日本で最後の生き残りとなった寝台特急「サンライズ」に乗車しましたのでそのレポートです。
実を言うと、以前の旅で「サンライズ」に乗ったことはあったのですが、以前が「出雲」だったのに対して、今回は「瀬戸」の方であり、しかもタイトルの通り、琴平駅への延長運転の時でした。
連休初日ということもあってチケット確保が大変でしたが、執念の(?)みどりの窓口通いの甲斐もありなんとか押さえることができました。
今回はおよそ2年ぶりの「サンライズ」ということになりますが、前回は「ノビノビ座席」という寝台券不要で乗れるフェリーで言うカーペット敷きの3等室的な車両だったのが、今回は「ソロ」というちゃんとした寝台車なので、ちゃんと「寝台特急」としての「サンライズ」を体験するのは初めてとなります。
ところで、どうして不意に「サンライズ」なのかという話ですが、実はちょうど福岡の実家への帰省のタイミングであり、どうやって福岡を目指そうかと検討していたところ、ちょうど「サンライズ」の琴平延伸の日だったことに気づき、せっかくならば乗ってみようということになりましたw
なお、いつもなら帰省のときは最低でも1泊はして乗り鉄旅を楽しんでから向かうことが多いのですが、今回は珍しく宿泊はなしで四国に到着後、軽く撮影などしたらそのまま岡山へ引き返して当日中には福岡へ到着する行程です。
「サンライズ」とは
今回は「サンライズ」の乗車レポートがメインということで、「サンライズ」の解説から始めたいと思います。
なお、そんなのいいから早く乗車レポートを!という方はスキップして下さい。
さっきから「サンライズ」とばかり書いていますが、正式には「サンライズエクスプレス」という名前で、こちらは使用される285系の愛称となっています。
そして、この285系が使用される列車は2つあり、1つが今回乗車する「瀬戸」であり、通常は東京駅と高松駅を結んでいます。2つ目が「出雲」であり、こちらは東京駅と出雲市駅を結んでいます。毎日運転される定期列車としては国内最後の「寝台特急」ということや、近年のパワースポットブームから出雲大社を目指す旅行者(OLさんが多いらしいです)の間で、仕事終わりに飛び乗って目が覚めたら出雲にいるという利便性が人気を呼び、夜行列車がほぼ廃止され壊滅状態の昨今にあっても人気を保ち続けています。
私が乗車するのは「瀬戸」の方ですが、通常は高松駅までの運転なのに対し、東京発が金曜・土曜の時や連休といった繁忙期に琴平駅まで延長運転となり、今回はそれに乗ります。なお、かつては松山駅まで延長運転となっていた時期もありましたが、それは行われなくなり、逆に2014年より琴平へ延長されるようになりました。
「出雲」が出雲大社目当ての利用者で人気だから、「瀬戸」もこんぴらさん目当ての利用者に便宜を図って利用を増やそうということなんですかね。
そして、車内設備についてですが、寝台特急ということで言わずもがなで寝台車がメインなのですが、従来の寝台特急・・・いわゆる「ブルートレイン」と違ってバリエーションが豊富で、予算や求める快適度、利用人数などに合わせて色々選べるようになっています。
「シングルデラックス」「サンライズツイン」「シングル」「シングル・ツイン」「ソロ」「ノビノビ座席」と6種類から選べますが、「シングルデラックス」のみA寝台扱いで、その他はB寝台という扱いになっています。(寝台車に不慣れな方のために説明するとA寝台の方がハイグレードで値段も高く設定されています)
また「ノビノビ座席」は名前の通り制度上は座席扱いとなっており、特急券+乗車券で利用可能で寝台券がいらないため、とにかく安く「サンライズ」に乗りたいという方にはおすすめです。こちらは以前に乗った際に利用していますのでレポートはそちらをどうぞ。
寝台車全体に関していえば、従来の「ブルートレイン」が通路や他の寝台とはカーテンで仕切られるのみの「開放型寝台」が主流だったのに対し、「サンライズ」では座席扱いの「ノビノビ座席」を除いて全て個室寝台で構成されており、特に女性客にはこの点が受けているようです。
と、ここまでは一般利用者にも役立つ(?)情報でしたが、ここからはマニア向けの情報になりますw
285系という車両に関して言えば、寝台車としては珍しい「電車」であり、従来の「ブルートレイン」が機関車に牽引される客車列車だったのとは対照的です。寝台車は車内で寝てもらうという性質上特に静粛性が求められるため、騒音源となるモーターを客室から離す意味で客車列車が主流だったのですが、285系「サンライズエクスプレス」ではそこをあえて電車としました。
国鉄時代にも電車による寝台車として583系がありましたが、こちらは当時爆発的に伸びていた輸送需要に対応すべく車両の増備を進めたいものの、肝心の車両基地が足りない事態が起き、これに対応すべく夜は夜行列車、昼間は昼行の特急・急行列車として使えるように、寝台車にも座席車にもなる電車というコンセプトで設計され、デザインされました。
しかし、285系は座席車としての運用は想定しておらず完全に寝台専用車両として設計されていて、では何故電車を選んだかというと、まず第一にはスピードアップです。客車列車では加速度も低く最高速度も100km/h~110km/h程度に抑えられてしまいますが、285系は最高速度130km/hを誇り歴代で見ても国内最速の寝台車です。
また、客車列車の場合は機関車で牽引するため電車とは運転方法が異なり、電車の運転士とは別に訓練・養成する必要があり、285系登場当時、既に旅客列車は電車・気動車が主流であり、機関車牽引列車はほぼ寝台列車に限られる状況があったこともあり、電車とすれば運転士を他の旅客列車と共通化出来るメリットもあったようです。
285系は7両編成で、東京~岡山間では「瀬戸」と「出雲」が連結するため14両で走行します。面白いのがその7両編成中、モーターを搭載する電動車はわずか2両であり、2M5Tという極端に電動車が少ない構成となっていますが、これはやはり寝台列車として極力静粛性を優先して騒音源となる電動車を減らしたいという考えの結果なのでしょうね。
ところで、これだけ電動車を減らすと勾配線区でもある伯備線の走行に支障があるのではないかと思ってしまいますが、それは問題ないようです。となると特別強力なモーターを搭載しているのかというとそうではなく、それは寝台車ならではの理由であり、乗車定員が編成全体でも158人でしかなく、しかも昼行特急と違って、例えばデッキまで溢れるほど超満員の乗車という状況も寝台車ではありえませんから、そもそも定員が少ない上、定員以上の乗車を想定しなくていいから、この2M5Tの構成でも問題なく勾配線区を走れるわけです。
解説だけで3000字近くを使ってしまいましたので、いい加減に乗車レポートへと入りたいと思います。
東京から四国へ旅立ち
仕事を終えた私はその足で東京駅を目指して移動開始です。
神奈川県内までしか行かない中距離電車に混じって「高松・琴平」の文字があるのはいいですね。
まあ、昔は夕方はブルトレラッシュで立て続けに長距離夜行列車が出ていた時代もあったんですけどねぇ・・・
E657系との並びです。
上野東京ライン開業以前はありえない組み合わせでしたよね。
驚いたのがちゃんと「高松・琴平」と方向幕が用意されていたことです。
何だかんだでもう4年は続いている琴平延伸ですし、幕まで用意しているということはこのまま定着するかもしれませんね。
いよいよ乗車ですが、その前に車番を・・・
一般人には騒音でしか無いモーター音も私にとってはいい子守唄ということで当然電動車を選んだのですが、車番は「モハネ」となります。
”モ”はモーターの”モ”で電動車のこと、”ハ”はイロハの”ハ”で普通車のこと、”ネ”は寝るの”ネ”で寝台車のことで、要約すると電動車で普通車、かつ寝台車ということになります。
寝台車で”普通車”というと違和感があるかもしれませんが、B寝台って座席車で言うところの普通車に相当しますからこうなります。
ちなみに、A寝台扱いの「シングルデラックス」がある車両は”サロハネ”となっており、”ロ”はイロハの”ロ”となり、グリーン車という意味になります。
乗り込みました。個室ばかりなので通路からは扉しか見えません。
個室ということで鍵がかかるのですが、暗証番号式となっています。
施錠時に暗証番号を設定し、その番号を入力することで解錠できる仕組みとなっており、鍵やカードを持ち歩かなくていいメリットがあります。
ただ、番号を忘れてしまうと大変なのでそこだけ注意ですね。
こちらが「ソロ」の内部です。
スペースから言えばカプセルホテルくらいでしょうけど、鍵までかかる完全な個室を丸一晩専有できるというだけでも快適性は段違いですよね。
なお、ここは2階なので窓が湾曲しています。
寝台列車は長距離移動で使うものですから大荷物で乗車することも多く、ちゃんと荷物置き場も用意されています。
ここに荷物をまとめてしまえばせっかくの寝台を荷物で塞いでしまうこともありません。
最近は高速バスにも付くようになりましたが、コンセント付きです。
これで充電の心配はありませんね。
室内の設備の操作パネルです。照明のON/OFFやアラーム付きの時計、それにラジオも聞けます。
「ソロ」の場合はスピーカーはなく、自前のイヤホンを差し込んで聞く仕組みです。
なお、聞けるのはNHK-FMのみで、自由に選局することはできないようです。
まあ、今はスマホでRadikoを使えばラジオも快適に聞けますし、好きな音楽を聞くなり、ゲームをするなり、映画やアニメを見るなり、過ごし方は多様化しているでしょうし、ラジオについてはこれで十分でしょう。
脱いだ服をかけられるようにハンガーも付いています。
寝台車ならば大抵ついていますが、列車の揺れで壁とぶつかってノイズ源となることがあるので、気になる人は外してどこかへ置いておくといいでしょう。
これは「ノビノビ座席」にもありましたが、プラコップが用意されています。
こちらは空調の吹出口です。
乗車時は9月後半でしたがまだまだ暑く冷房が入っていました。
客室側ではこの吹出口の開け閉めでしか温度調整の手段がないのですが、最初は汗ばむくらい暑かった室内も、吹出口を開けてしばらくすれば快適な気温になったので意外とパワーがあるようです。
個室ということで放送用スピーカーが各部屋に設置されているため、放送を録音したい場合は最高の環境ですねw
音鉄最大の悩みどころとして、乗り合わせた乗客の会話といったノイズも個室ならば心配ありません!・・・と言いたいところですが、車端部にあるラウンジスペースでおしゃべりをしている人の声が微かですが聞こえていましたw
部屋で荷物を整理したりしていると発車時刻となりました。微かに聞こえる程度のモーター音ながら着実に加速していき、東京駅を後にします。
窓の外は仕事終わりであろうスーツ姿のサラリーマンを満載した通勤電車が行き交っていますが、それを寝台車で横になって見ると何とも言えない優越感を覚えるのは私だけでしょうかw
しばらくして車掌さんが車内改札にやってきますが、個室なので1部屋ずつノックして回ります。また、座席車と違って来ていることが分からないので不意打ちのノックで少しびっくりしますが、きっぷを見せればあとは目的地まで自分だけの空間となります。
ここで車内放送が始まります。前回も驚いたのを覚えていますが、「サンライズ」では自動放送があるのですが、「高松行き」の音源しか無いようで琴平延伸については肉声放送で補完する形となっていましたw
これで「琴平行き」と自動放送で言ってくれたら音鉄的にはかなり美味しい展開ですが、幕は用意すれど放送は用意せずというオチでしたw
そうそう、「サンライズ」にはシャワー室もあって、シャワーカードを購入すると利用できるのですが、これまた大人気で発車直後に完売するほどだそうで、またシャンプー、リンス、ボディソープは備え付けられていますが、タオルだけは自分で用意しなければならないのにタオルの用意がなく、今回は断念しました。列車でのシャワーは貴重な体験なのでやってみたかったんですがね・・・(といっても「北斗星」で1回だけ体験していますが)
なお、A寝台なら最初からシャワー利用券がセットとなっている上、タオルなども付いているようです。
多摩川を越えて神奈川県に入ると最初の停車駅の横浜です。
ここからの乗車も多かったですが、ここを出てしまえば次は熱海であり、静岡県となりますから関東地方最後の停車駅となります。
横浜を出てしまうと何だかすることもなくなり、横になることにしました。
まだそんなに眠くはないですが、横になって見る車窓こそ寝台車の醍醐味のような気がしてw
時々ウトウトしながらも何かの拍子に目を覚ます感じだったのですが、静岡駅停車中に目を覚ましたのを最後に私は完全に意識を手放し夢の中へと入りました。
そんな私が次に目を覚ましたのは岡山県内の山陽本線であり、きっかけは岡山駅に到着するという車内放送でした。
ここでは「出雲」と切り離し作業というイベントがありますが、まだ眠気が残っていた私は見に行く気力もなくそのまま二度寝を決め込みましたw
次に目を覚ましたのは児島駅到着前であり、ここからいよいよ起床モードに変更することとしました。
なんと言っても、児島駅はJR西日本管内最後の停車駅であり、その先には瀬戸大橋が待っていますからね。
正直言えば、岡山までは「出雲」でも体験した区間であり、今回の乗車のメインは岡山から先だと言っても過言ではありません。
そして、そのハイライトはやっぱり瀬戸大橋!
↑瀬戸大橋は以前の旅でも通ったことがありますが、寝台車からの景色はまた別ということで改めて動画撮影しました。
いよいよ四国上陸!
ここで線路は坂出方面と宇多津方面に分岐しますが、サンライズは一旦高松へ向かうので坂出方面の線路に入ります。
なお、坂出方面は通常は快速「マリンライナー」しか通らず、それ以外の特急「しおかぜ」「南風」といった列車は宇多津方面の線路に入るため、「マリンライナー」以外で坂出方面を通るのは「サンライズ」くらいです。
なお、徳島からの特急「うずしお」も一見坂出方面を通るようにも思えますが、実は「南風」と併結する都合上宇多津駅まで行ってからスイッチバックするので坂出方面は通りません。
そして、高松に到着!
通常ならばここで終点ですが、今日は琴平まで延伸されるので引き続き乗車が可能です。
ただし、当駅で27分間も停車しますw
もちろんこの間に撮影タイムとなるわけですが、同時にもう1つのミッションがありました。
「しまった!うどんシリーズだ!」と反応してしまうフレンズさんもいるかもしれませんが、高松・・・というか香川県と言えばやっぱりうどん!
朝ごはんは讃岐うどんとしました。
なお、延伸区間を利用する人は坂出~高松間を重複乗車していますがその区間の運賃は不要という特例があるため、逆に当駅では外に出られないことになりますが、うどんは駅構内でも食べられるので大丈夫です。
うどんに舌鼓を打ったら撮影もこなします。
まずは8000系「いしづち」
121系、改め7200系
それでは車内に戻ります。そういえば、最初は気づかなかったのですが、ちゃんと車内案内表示器があるんですね。
ただし、通路に付いており、寝台車ではみんな自分の個室で過ごすので付いていてもあまり目にする人はいなさそうですがw
延伸区間では自動放送が対応していないのか車掌さんによる肉声放送となっていました。東京駅発車時点で「高松行き」と放送していた時点で想定の範囲内でしたがね・・・w
高松を出ると多度津までノンストップであり、「いしづち」「しまんと」といった特急が坂出・宇多津・丸亀には必ず停まっているのに対して、その3駅は通過します。坂出は高松へ向かうときにすでに停車している上、延伸区間のみの利用はできないことになっていますから坂出に停車する理由はなく、宇多津・丸亀については坂出にあまりにも近いため、坂出で降りて乗り換えてもらえば事足りるということなんでしょうか。
多度津からは土讃線に入り善通寺、終点琴平と停車していきます。これは「南風」「しまんと」といった特急に準じていますね。
琴平駅
琴平駅へは降り立つのは初めてとなりますし、「サンライズ」の撮影がてら駅の方も見ていきます。
それでは駅取材開始ということでホームです。2面4線となっていますが、1番乗り場は切り欠きホームとなっていて、単式+島式に切り欠きを加えた構成となります。
そこへ1500形気動車が入線してきました。
電化区間である多度津方からの入線でしたが、間合いで電化区間の運用にも気動車が入ることがあるのでしょうね。
↑動画もどうぞ
向こうには1000形がいました。
当駅以北は電化ですが、当駅以南は非電化となっており、普通列車に関しては当駅で系統分断されており、当駅以南の普通列車は単行のワンマン気動車ばかりになります。
特急列車については当駅から高知方面も1時間あたり1~2本のペースで運行がありますが、普通列車は1日に7本しかなく、最大で5時間ほど運転がない時間帯があるなど、18キッパー泣かせの区間としても知られています。
それにしても、ホームの屋根が何とも言えない重厚な作りですね。
洗面台・・・なんでしょうか?
ただ、蛇口が撤去されているようですけど・・・w
あと、なんとなく船っぽい形をしていますね。
こんぴら温泉郷の看板
ところで、あの有名な金刀比羅宮の近くにある温泉というだけにさぞ歴史のある由緒正しき温泉なのかなと思ったら、実は1997年に湧出した歴史の浅い温泉なのだそうで、琴平周辺の宿泊客が減少していたことへの対策としてホテルを経営していた人が自分の敷地で温泉を掘り当てたという経緯のようです。
あと、「こんぴら」とひらがなで書いてありますが、駅名はもちろん、所在地の琴平町、そして、金刀比羅宮もいずれも「ことひら」と読むのですが、地元の方を中心に「こんぴらさん」と通称する習わしがあるようで、それに習って温泉は「こんぴら」の読みを採用しているようですね。
ところで、そんな悠長に撮影していて「サンライズ」はいいのか?と思われるかもしれませんが、大丈夫です。
だって、わざわざ回送の発車時間まで発車標が教えてくれていましたからw
あとは発車時間までこちらのホームで大人しく待ちます。
その間にやってくる列車たちはもちろん撮影
↑「しまんと」入線シーン
↑7200系入線シーン
↑そして、いよいよ285系「サンライズ」が引き上げていきます。
後追いの写真も撮ったらホームでのミッションは達成したので駅前へ出たいと思います。
「四国まんなか千年ものがたり」の専用ラウンジでした。
JR東日本で言う「四季島」、JR西日本で言う「トワイライトエクスプレス瑞風」、JR九州で言う「ななつ星」並みの待遇ですが、それだけ力を入れているのでしょうね。
1000形気動車
実は土讃線って特急でしか乗ったことがなく1度普通列車でも乗り通してみたいなと思っているのですが、いつになることやらw
2番乗り場のホーム上です。
「灸まん」という看板が目立っていますが、「灸まん本舗石段や」というところが作っているご当地の銘菓だそうですよ。
向かいのホームにもお酒の広告がありましたがそれのPRなんですかね。
改札です。自動改札はありませんでしたが、お正月など初詣客を捌くためか改札自体は広めに確保されていますね。
駅構内にセブンイレブンが出店していますがこちらも落ち着いたデザインでした。
金刀比羅宮の玄関口ということで全体的に重厚感あるデザインで統一しているのですかね。
駅前は参道みたいになっていて、駅舎のデザインと相まって金刀比羅宮参拝の雰囲気を高めてくれます。
まあ今日は行かないですけどw
琴平も四国では初期に鉄道が通った地域であり、その関係なのかSLの動輪が展示されていました。
駅前のバス停です。
琴空(きんくう)バスというバス会社ですが、メインは貸切バス事業であり、路線バスは琴平と高松空港を結ぶ路線のみとなっています。
そのため、社名は琴平と空港から1字ずつとったものになっていますね。
レオマリゾートという施設への送迎バスのバス停と、奥には琴参バスのバス停もあります。
琴参バスは琴平参宮電鉄というかつて鉄道を運営していた会社のバス部門が独立してできた会社です。そして、元々の琴平参宮電鉄は会社解散となり現在の琴参バスは同県内の大川自動車の傘下に入っています。
ついでなので触れると、かつて琴平には4つもの鉄道会社が乗り入れていて、現在はJRとなっている国鉄、「ことでん」の愛称で現在も走る高松琴平電気鉄道の2つのほか、琴参バスの前身となる琴平参宮電鉄、そしてもう1社琴平急行電鉄というのもありました。
琴平参宮電鉄、琴平急行電鉄はいずれも廃止され鉄道としては現存しませんが、琴平急行電鉄は多度津への路線と丸亀を経て坂出に至る路線を持ち、琴平急行電鉄はまっすぐ坂出を目指すルートでした。
瀬戸大橋の開業までは本州と四国の連絡は船に頼っており、港があった多度津・丸亀・坂出といった地区と金刀比羅宮を擁する琴平を結ぶルートは四国のドル箱だったのでしょうが、それにしても地方で4つの事業者がひしめくように列車を走らせていたというのはすごい話ですよね。
ちなみに、琴参バスは今でも琴平と丸亀を結ぶバスを走らせていて、バスでかつての琴平参宮電鉄のルートを一部ですが体験できるようです。
ベンチや東屋があったりして休憩ができるようになっていました。
ここで一休みもいいですが、このあととある目的があったのでこれにて折り返します。
7200系も初乗車だったわけですが、見た目は古そうなのに異様に滑らかな走りで走行音も静かと違和感しかありませんでしたw
一般の利用者から見れば121系時代より快適なのは間違いないでしょうけどね。
ある目的のため多度津へ
7200系に揺られてやってきた多度津駅ですが、ここでその”ある目的”を種明かししたいと思います。
実は7200系の元となっている121系は順次7200系へと改造されている最中であり、この旅の時点で残り2編成となっていました。その121系に是非とも乗りたいと考えていたのですが、何しろ運用が全く不明で、とりあえず高松~多度津間なら121系運用線区の中で最も本数が多い区間であり、ここにいれば遭遇する可能性が高いと踏んで、多度津駅で「来るまで待つ戦法」を取ることにしたのでした。
土讃線と予讃線観音寺方面が分岐する駅ということで普通列車同士の並びも見られます。
↑乗ってきた7200系の発車シーンです。
この見た目で「キーン」というインバータ音がするのはw
そこにやってきたのは何ともカラフルなキハ185系でした。
これ、琴平駅のくだりでも触れた「四国まんなか千年ものがたり」ってやつです。
当駅と大歩危駅の間を運行していて、「おとなの遊山」をコンセプトに徳島の風習で子どもたちがお弁当を持って野山に遊びに行く「遊山」がモチーフになっており、車内で食事を楽しんだりアテンダントによる観光案内やおもてなしを売りにした観光列車です。
なお、全車グリーン車扱いであり、利用には乗車券+特急券+グリーン券が必要であり、しかも食事は別料金で「食事予約券」もいるというブルジョワジーな列車ですが、「四季島」とか「トワイライトエクスプレス瑞風」とか「ななつ星」に比べれば庶民的なんでしょうか。
3号車です。
キハ185系でこの色だとJR九州っぽいw
↑そこへ8000系のアンパンマン列車が入ってきました。
ホーム上にいた親子も興奮気味に見ていました。
やっぱりアンパンマン列車は人気ですね。
↑そして「四国まんなか(ry」の発車です。
続いては琴平行き普通列車が入線してきます。これが121系だったらいいなと思いつつ待っていると・・・
↑え?なんでこいつが!?
時刻表をめくるとこの列車は岡山発琴平行きであり、JR西日本の車両が充当されるんだそうです。
↑続いて「南風」が入線
↑今度は貨物列車が入ってきました。
またもや2000系
四国の気動車特急といえば2000系というイメージですが、新型への置き換えが進んでいますからね。撮れるうちにたくさん撮っておきましょう。
琴平から折り返してきた115系が岡山行きとして入ってきました。
↑発車シーンも撮影
今度はノーマル塗装のキハ185系がやってきました。
「いしづち」のようですが・・・
幕を見ると多度津行きでした。
どういうことかと言えば、この日は連休初日で通常は岡山方面と高松方面を当駅で分割併合している特急を編成全てが岡山へ向かうようにして、高松方面への利用者は別の接続列車を仕立てて乗り換えてもらう対応をしているためです。
こうすることで連休に増える本州方面への輸送力を確保しているわけで、高松~多度津間だけの特急というレアな列車が登場します。
ノーマル塗装の8000系も撮ったらそろそろ撤収しようと思います。
Twitterなどを漁るも121系の運用情報は皆無であり、ここまで1時間ほど張っていましたが、121系の気配は皆無なので、とりあえず駅前に出てみることにしました。
よく見ると消費カロリーが書かれていましたw
階段があってごめんなさい的なメッセージが書いてあるのは見たことがありますが、なるほど消費カロリーが書いてればいい運動になったと切り替えができますねw
反対側にはかなり古びた跨線橋がありましたが封鎖されているようです。
こちらの跨線橋が老朽化した代替として新しいのを作ったということなんでしょうね。
これってもしかしてSLの給水塔ですかね?
流石四国内でも最初期に開業した区間内の駅です。
このくらいで構内に戻ります。
この後ですが、とりあえず高松へ行くことにしました。
理由は2つあり、1つはそろそろお昼ご飯の時間帯であり、飲食店が多いであろう県庁所在地の高松へ行って昼食としようということ、もう1つは昼間には高松~坂出間の区間列車が設定されており、それに121系が充当される可能性に賭けてということです。
構内に戻ると211系っぽい顔の車両がいましたがこれは6000系というやつで、わずか2編成しかいないレア車種です。
遠目からは121系に見えて一瞬期待したものの近づいてみれば7200系でがっかりしましたが、これに乗って一旦高松へ向かいます。
その道中の車窓から見えた高松運転所の様子ですが、「サンライズ」に並び121系が停車中のようです。
このまま運用がなく1日ニートという可能性もありますが、昼間の坂出行きで運用されることを信じて高松駅で待ちます。
高松駅
今朝うどんを食べた高松駅に戻ってきました。
こちらは223系ですね。
駅前に出たらこんなバスがいました。
高知県交通とありますが、現在はとさでん交通に統合されているため、これはとさでん交通のバスということになります。
注目してほしいのはサボ(?)でして、全ての系統が高知を発着するからか、片側は「高知」と車体に直書きしていて、反対側のみサボをはめ込むようになっていましたw
合理的というか、手抜きというか・・・w
前回も紹介した「海水池」ですが、実は前回見落としていたギミックが仕掛けられていたようです。
ただ、これは動画じゃないと分からないと思うので動画をどうぞ
↑なんと、波が発生するんです!
あの岩みたいな部分の中に造波装置が仕込まれていて、この造波装置は特許取得済みの構造なんだとか。
人工波も楽しんだらいよいよお昼ご飯です。
瀬戸内産のはまち丼を頂きました。
もちろん美味しかったのですが、懸案事項はやはり121系・・・
次の坂出行きに充当されていなければもう諦めるしかない状況となってきました。
なにせ今日中に福岡まで行かなければなりません。いくら新幹線を使えるとは言え、むやみに長居するわけにも行きません。
そして、改札越しにホームを覗くもいたのは7200系・・・
これにて121系乗車という野望は絶たれたわけですが、同時にどうやって帰るかというプランを立てることになりました。
一番手っ取り早いのは「マリンライナー」で一気に岡山を目指すことですが、それじゃあ何だかつまらない・・・
で、結論としては普通列車で宇多津を目指して、観音寺からやってくる岡山行きに乗り継ぐことにしたのです。
早速福岡までのきっぷを買ったら入場します。
↑ちょうど7000系が入ってきました。
入場すると待っていたのは2600系という新型気動車特急です。
乗るのはこちら
7000系の快速「サンポート」で宇多津を目指します。
当初は動画に撮った普通列車の方に乗るつもりでしたが、7000系の「サンポート」は何だか珍しい気がして選びました。
宇多津駅
「サンポート」に乗ってやってきた宇多津駅です。
↑乗ってきた列車の発車シーン
瀬戸大橋線の列車の大半が最初に停車する駅となるだけに「ようこそ四国へ」のメッセージがありました。
↑発車シーン
高度を上げていく高架が瀬戸大橋へと続く本四備讃線の線路です。
改札は自動改札こそありませんが、ICOCAエリア内であり、簡易改札機はあります。
ところで、今回私は高松→福岡市内という乗車券を利用して旅行中であり、高松から瀬戸大橋線へは坂出から分岐するようになりますが、そう考えると宇多津駅は経路外であるように感じますよね。
すると、宇多津駅までやってきた私は乗越精算をしなければいけないのかというと実はそんなことはなく途中下車扱いで改札を出ることができます。
何故かと言うと、瀬戸大橋線(本四備讃線)と予讃線の運賃計算上の分岐点は宇多津駅となっており、坂出駅から直接瀬戸大橋線に入る「マリンライナー」などの列車を利用する場合であっても、運賃計算上は宇多津駅を経由したものとして計算されるため、逆に言えばあえて宇多津経由で乗車した上、宇多津で途中下車なんて芸当もできてしまうわけです。
というわけで外へ出ました。
このあたりは再開発が進んだエリアのようで意外と開けた印象です。
駅からも見えるものすごく目立つタワーがありますが、「ゴールドタワー」というそのまんまなネーミングの建物です。
元々はおむつや生理用品のメーカーとして有名な「ユニ・チャーム」が所有していたようですが、何度か所有企業が変わり、現在は株式会社さぬきというところが運営しているようです。
中にはボウリングやカラオケなど色々楽しめる娯楽施設があったり、登って展望を楽しんだりというスポットのようです。
↑連結だぁ~!
さて、それではいよいよ岡山行きの入線です。
これは6000系が充当されるのを多度津駅で確認済みであり、わずか2編成しかいない6000系に乗れるという意味でもレアですが、瀬戸大橋線を走る”普通列車”という意味でもレアです。
というのは、瀬戸大橋線の普通列車は岡山~児島間ばかりであり、瀬戸大橋を渡って四国まで乗り入れるのって1日4往復しかありません。
そのうちの1つがこれから乗る観音寺~岡山の列車で、もう1つが多度津駅で目撃した岡山~琴平間の列車です。
瀬戸大橋を渡る
今朝「サンライズ」で渡った瀬戸大橋を再び普通列車で渡ります。
朝焼けとは違った美しさの瀬戸内海がしばらく眼下に広がります。
まだ岡山ではありませんが、一旦私は列車を降りました。
ここは児島駅なのですが、ここで22分間も停車するというのですw
まずは「マリンライナー」を待避します。
「マリンライナー」は快速列車であり乗車券だけで乗れるので特急券をケチる人も普通にこちらに乗り換えていきました。私はレアな6000系を長く体験すべく終点まで各駅停車で頑張りますがw
JR四国の車両がJR西日本管内を走るのも特に普通列車ではレアですしね。
↑「マリンライナー」発車シーン
やたら停車時間があるのでもう1本待避するんだろうなと思って待っていたら8000系「しおかぜ」が入線してきました。
↑こちらも発車シーン
それでは車内に戻ります。
ほとんどが「マリンライナー」に乗り換えてくれたので車内はスカスカで録音環境も悪くないです。
が・・・それも茶屋町までであり、宇野線宇野駅方面(宇野みなと線)からの乗り換え客で混み合い、その先も各駅でこまめに客を拾ううちにいつしか車内はすし詰め状態となりました。
やはり岡山駅周辺は近郊輸送で需要が結構あるんですね。
最後に岡山でも6000系を撮ったら新幹線乗り場へ急ぎます。
別に指定席を取っているわけでもないのでとりあえず来た列車に乗ればいいわけですが、ここまで来たら早く帰りたいですしね。
レポートとしては以上となります。
お目当てだった121系に乗れなかったのは残念ですが、6000系・7000系・7200系と3つも初めての車種に乗れましたし、8600系、2600系は初の撮影ができ、宇多津・多度津・琴平の3駅は初訪問が出来ましたし、メインの「サンライズ」も満喫したというわけで、121系以外は収穫の多い旅だったのではないでしょうか。
このあとですが、帰省中は記事にするような活動はなく、次の記事は東京へ戻ってからの活動ということになりますね。
遠征が1つと、首都圏近郊での活動が1つあり、ネタ的には首都圏近郊での活動の方が旬なネタなのでそっちを先に執筆するかもしれません。
次回が遠征か首都圏近郊での活動かは公開するまでのお楽しみということになりますが、いずれにせよ次回の記事でまたお会いしましょう。
それでは!
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