春の関西乗り鉄旅(1日目/国鉄型巡り&直通快速)

今回は18きっぷを使って関西方面へ遠征しましたのでそのレポートです。
なお、時系列としては「ひだ」を満喫する旅の後となり、その時の宿泊地だった和歌山からスタートとなります。
レポートの執筆が遅れてしまいましたが、この活動は2019年3月初旬に実施したものであり、春のダイヤ改正以前のものです。
そのため、レポート内に登場する列車や車両の運用などはダイヤ改正以前のものとなりますので、その点をご承知おきの上でご覧下さい。

なお、活動の内容が異なるので「ひだ」を満喫する旅とはあえて別のタイトルを付けていますが、時系列的には連続した活動です。よろしければ前回のレポートも併せてご覧下さい。

今回の活動内容

タイトルは字数の制限もあり「国鉄型巡り」と「直通快速」というそれだけでは何を指しているのか断定しかねるキーワードしか入っていないわけですが、ここで詳細を説明させて頂きます。

まず、「国鉄型」の方ですが、国鉄型と言っても沢山あるじゃないかというツッコミに答えますと、和歌山線の117系105系、草津線の113系への乗車が目的となります。
和歌山線については今までに2度ほど(昨年9月12月)乗車する活動をしており、105系も117系も乗ったことは乗っていたのですが、117系についてはその存在に触れながら結局乗っていなかった和歌山→王寺を走破する列車に全区間乗車することを目的とし、復路は王寺→和歌山を走破する105系の列車に乗車することで、105系については上下とも録音を確保し、117系については上下全区間とは行きませんが、片道については全区間録音を確保するというのが第一の目的です。
草津線についてもやはり以前の活動で乗っているのですが、117系充当列車への乗車でタイムアップとなり、結局草津線の主力車種の方の113系には逆に乗れていないという状態だったので、この機会に113系でも全区間往復乗車します。

続いて「直通快速」の方ですが、鉄分の濃い方なら関西で「直通快速」というキーワードでピンとくる方もいるかもしれませんが、JR東西線、おおさか東線、大和路線を直通して尼崎~放出~久宝寺~奈良を結んでいた「直通快速」のことです。
2019年春の改正をもっておおさか東線は放出~新大阪間を延伸開業し、直通快速についても新大阪発着へと振り替えられる形でJR東西線への直通は中止されるため尼崎~放出間については直通快速という種別そのものが廃止されることになり、尼崎行きとしての運行も無くなるためさよなら乗車というわけです。

目的の説明が済んだところで、続いて行程の説明へと入りますと、和歌山からは117系の普通列車で王寺へ向かい、105系で折り返す形で和歌山へ戻ったら紀州路快速・新快速を乗り継いで京都まで出てそこで小休止の後、草津まで移動して草津線を1往復します。なお、復路は京都行きの列車となり、琵琶湖線直通運用のうち草津→京都はここで回収です。
京都からは尼崎までJR京都線・神戸線で移動していよいよ「直通快速」に乗車して奈良まで移動後宿泊です。
冒頭に掲げた目的のうち、今日中に回収できないものもありますが、それは翌日に回収することにしていますので、翌日分のレポートで説明するとして、そろそろ本題へと入っていきます。

117系で和歌山→王寺

なんだかんだここ半年で3回目の宿泊となる和歌山ですが、過去2回はゆっくりした出発だったのに対し、今回は117系運用が朝夕に偏っていて、全区間直通となると早朝にしかないこともあって眠い目をこすりながらの出発です。


ホームへ行くと105系が入線済みで、もしや117系の運用だと思っていた運用が実は105系運用だったか、あるいは急な運用変更かとヒヤリとしましたが、これは和歌山市行きの列車だったようで、和歌山線ではありません。


117系が充当される(はずの)王寺行きの案内を確認したらあとは入線のその時を待ちます。


↑入線です。
117系の姿が見えて一安心・・・w


外観はもちろん写真でも撮影です。
なんだかんだで117系は結構撮影してきましたが、和歌山地区での撮影は恐らくこれが最後の機会ですしね。


幕も撮ったら乗り込みます。

平日とはいえ早朝に和歌山駅から乗車する人は少なく車内はガラガラでした。
通常は2両運転の和歌山線にあって、117系充当列車は必然的に4両になるわけですから余計に余裕があるのでしょうが、明らかにこの先の区間での高校生対策での運用でしょうから、どこかしらで賑やかになってくるのでしょうね。

和歌山線自体は既に3度目の乗車であり、過去の記事で解説もしてしまっていますから、今回は純粋に乗車レポートに徹したいと思います。
和歌山線について詳しく知りたいという方は過去記事をご覧下さい。


しばらく走ればもう和歌山市街は途切れてのどかな田園風景が流れます。
ところで、今回で3度目の乗車ではあるのですが、1度目は雨のせいで窓ガラスが濡れていたのに加えて車窓を眺めるのに不適なロングシートの105系だったこともあって車窓の印象は殆ど残っていませんし、2度目に至ってはそもそも夜の乗車でしたから車窓は満足に見られていないということで、3度目にしてようやくちゃんと車窓を眺める機会を得ました。


和歌山線自体は紀の川が削り出した谷間を走るため、そんなにアップダウンも激しくなく平穏な車窓ですが、遠目に山々が連なります。


文字通り雲行きが怪しいですが、それは天気ばかりではなく車内の環境にも当てはまっていたようです。
というのは、予想通りの展開ではあるのですが、橋本あたりから高校生が増え始めたのです。
通学時間帯というそもそも録音に適さない時間帯に乗っている以上宿命ではあるのですが、う~ん・・・w


大和二見の駅名で列車が既に奈良県に入っていたことを知りました。
それにしても意外だったのが県境を越える区間でも普通に高校生が乗っていたことですね。
学区に縛られるのは公立高校だけでしょうから、私立高校の生徒なのかもしれませんが、県境区間くらいは静かだろうという期待も見事に外れましたw


奈良県への県境を越すと言っても本格的な峠越えというわけでもなくいつの間にか入っていたという感じなので、イマイチ実感のない県境越えですねw
車窓も相変わらず、良くも悪くも「普通のローカル線」な景色が続きます。
車両が117系だからそれなりに楽しめていますが、227系しか走らなくなったら乗り鉄的にはあまり魅力を感じないかもしれません。


高校生たちの語らいをBGMにぼんやり車窓を眺めていたら近鉄特急の姿が目に飛び込んできました。
ということは・・・


吉野口駅に到着です。
近鉄吉野線との接続駅ですが、高校生たちはメンバーが入れ替わっただけで乗車人数としてはあんまり変わらず・・・w

このあとは高田まで大きな駅はないと思うので高田までこの雰囲気のままかなと思ったら高田の1つだったか2つだったか忘れましたが手前の駅でぞろぞろ通りていき車内には一気に静寂が戻ってきたのでした。
高校って意外と主要駅から少し外れた場所にあったりしますから分からないですね。

通常はここから桜井線へ入ってしまう高田駅ですが、今乗っているのは王寺行きなので素直に和歌山線をそのまま進みます。
高田~王寺間は日中ダイヤでは大和路線の支線みたいな扱いになり、JR難波発着の快速列車が乗り入れてくる代わりに、和歌山線の列車は高田で桜井線に入るようになるため105系や117系といった国鉄型車両がこの区間を走るのはレアです。
普段は221系201系あたりが主力になる区間ですね。


3時間という所要時間も乗っていると意外にあっという間で、車窓にSLが見えたらもう王寺駅です。
もうちょっと117系に揺られていたかった気もしますが、3時間も乗りっぱなしで少し体を動かしたい気分でもあります。


いつも素通りばかりしている王寺駅ですが、今回は30分程度滞在することになるのでこの機会に取材してしまいましょう。


最後の名残に117系をもちろん撮影


幕は何故か五条行きになっていました。
夕方まで運用はないはずなので、夕方の五条行きでの運用に備えて今から幕を出しているのでしょうね。

さて、あとは引き上げシーンを動画で撮ったら駅取材開始!・・・と思っていたのですが・・・


↑引き上げる方向を間違えて奥へ走り去る感じの構図に・・・w
列車の動画は必ず手前方向に動かなきゃいけない決まりがあるわけではないですが、どうせ撮るなら手前へ動くほうがいいですよね・・・
おそらくもう撮影チャンスがないであろう117系での失態にだいぶ凹みましたが、気を取り直して王寺駅の駅取材を開始です。

王寺駅

東京都民は「王子」と変換したくなるであろう「王寺」駅ですw


駅名標です。大和路線の乗り場なので緑色です。


乗換案内です。
JR線としては大和路線と和歌山線の接続点でしかありませんが、高田発着や奈良・加茂発着の大和路快速・区間快速なども当駅が快速運転区間の東端となりますし、天王寺やJR難波発着の大和路線各駅停車は大半が当駅止まりということもあって知名度は高いですよね。
また、近鉄生駒線と田原本線が乗り入れており、2社の4路線が利用可能な駅になっています。


運転上も拠点となる駅のようで広大な構内には多数の留置線が広がります。


階段を上がってコンコースです。


コンコースから見渡した構内
JRの駅としては3面5線となっています。


改札口です。
まだ奈良県内とはいえ、大阪との結びつきも強く、大阪の近郊区間の駅とも言えるだけに改札機の数も多いですね。


和歌山線の発車標です。
ラッシュが終わるとJR難波からやってくる快速列車ばかりになるので、普通列車という種別自体が珍しいですし、復路に乗る列車でもある和歌山行きの表示も限られた機会でしか見ることができません。


改札の先は自由通路になっていて南北両方の駅前ロータリーへアクセスが可能です。


すごいなと思ったのが改札を出てすぐの位置にバスの発車標があったのです。
確かに知らない土地のバスだとそもそも南北どちらのロータリーから発着するのかすら分からないことがありますし、こういうのは助かりますよね。
更に面白いのが、表示内容が更新される時には「反転フラップ式案内表示機」・・・より分かりやすい言い方をすれば「パタパタ」みたいなアニメーションが流れるんです。
実用面から言えばはっきり言って無意味な機能とも言えますが、こういう遊び心は大切だと思います。
え?これこそ動画で見せろって?
ごめんなさい・・・撮り損ねました・・・w


まずは南口へ行こうと歩いているとこんな犬のキャラクターがお出迎え
雪丸とありますが、かの有名な聖徳太子のペットの名前から取られているようです、王寺町の公式マスコットキャラクターなんだそうです。
マスコットキャラクターに聖徳太子のペットの名前を採用するくらいだから聖徳太子とは当然ゆかりがあるわけですが、どんなゆかりかというと、聖徳太子が斑鳩で亡くなった時に大阪府太子町まで運んだ道が王寺町を通っており、その道は「太子道」として名前が残っているようです。

聖徳太子そのものじゃなくてそのペットをマスコットキャラクターにしたのは、生誕地や埋葬地といったより直接的なゆかりがあるわけじゃないから遠慮したんですかねw
・・・余談ですが、聖徳太子といえばギャグマンガ日和のイメージがw


それでは雪丸に見送られつつ南口を目指します。
南口はホームからも見えた広大な側線群をまたいだ先にあるので長い跨線橋を渡ってアクセスします。


側線では117系がお昼寝中でした。
もう和歌山線では乗ることはないでしょうが、遠目にさよならを言いましょう。


長い跨線橋を渡りきると階段を降りて南口に出ます。


南口の案内とともに「和の鐘が鳴るまち王寺」とスローガンみたいなものが掲げられていました。
両隣には鐘らしきオブジェも飾られています。


南口に出るといきなり、ご主人の聖徳太子を伴って雪丸がお出迎えです。
本当に色んな所にいますね。


駅前ロータリーです。


SLの動輪がありました。
そういえば、和歌山線の車窓からは保存車両であろうSLが見えましたが、駅前には動輪まであるんですね。
王寺は奈良県内でも早くから鉄道が開業した地であり、街の発展と鉄道の存在には深い関わりがあるでしょうから、鉄道とも縁深しな街ですね。


バスの待機場所のようです。
奈良県内はほぼ独占している奈良交通ばかりで、現在高速バスを除いては王寺駅を発着する路線バスは奈良交通のみですが、かつては近鉄バスも乗り入れていたようです。


ちょうど通りがかったので軽く撮りバスもしつつ・・・


この大きな建物・・・バスロータリーの後ろに堂々と鎮座してまるで駅舎みたいですが、実は駐輪場みたいです。


王寺駅は橋上駅舎となっており、駅前にあるのは出入り口の階段部分のみです。


駅前に直結した高架道路があったので気になりまして思わず撮影
なんだか土浦駅の「土浦ニューウェイ」を思い出しますが、こちらは単に川を渡る橋がそのまま駅前ロータリーへ繋がっているためこう見えるだけで、そういう意味では高架橋ではなく単なる橋とみなしたほうがよさそうです。


反対側の北口へやってきました。
見えているのは近鉄田原本線の新王寺駅です。
近鉄ではもう1つ生駒線が乗り入れていますが、あちらはJRと同じく「王寺駅」であり、田原本線の駅だけ駅名が異なっています。
例えば、生駒線の方も新王寺駅ならばかつての名鉄が新名古屋・新岐阜などJRの駅と隣接していながら「新~」と名乗っていた例はあるので分かりますが、田原本線だけというのはちょっと腑に落ちないですね。

調べてみると田原本線は大和鉄道という私鉄を起源としているのに対し、生駒線は信貴生駒電気鉄道という私鉄が起源のようなので、そもそも最初は別々の会社だったのがそれぞれ近鉄に吸収されたため同じ会社の駅で隣接していながら名前が違うということになったようです。


地上とペデストリアンデッキを跨ぐように2階建ての建物がありますが、これは交番みたいです。
これなら地上からもペデストリアンデッキからも簡単にアクセスできて便利ですよね。


ペデストリアンデッキのせいで駅構内と駅前広場の区分が曖昧ですが、ここが入口ってことになるかと思います。


雪丸はここにもいましたが、今度は石像でした。


駅前広場の様子


それにしても、このオブジェは一体何なんでしょうか。


各バス乗り場へはデッキで直結していて、屋根もついていると、バスロータリーとしてはかなり整備されている方ですよね。
ここまで来たらもうバスターミナルを名乗ってもよさそうです。


最後にペデストリアンデッキ側から駅への入口を撮ったら取材はこのくらいにしておきましょう。


105系の入線を撮るべく早めに戻ってきましたが、何やら回送の表示が出ていたのが気になってスタンバっていると・・・


↑やってきたのは221系でした。


幕は「回送・試運転」となっており、通常の回送だったのか試運転だったのか分かりませんが、221系じゃまだまだ普通に見られる形式なのでネタとしては弱いですね・・・


側線に205系がいたので撮影などしつつ105系の入線を待ちます。


117系と並べてみました。


大和路線の201系は「おおさか東線」の全通をPRしていました。
私は無くなる直通快速の方に目が行ってしまいましたが、一般利用者からしたら新線開通の方がインパクトはでかいですよね。


↑今度は向きを間違えることなく105系入線を撮影ですw

そもそも当駅で撮影できる機会は限られる形式ですし、227系への置き換えで来年には完全に見られなくなる光景ですね。


和歌山幕だけ撮ったら早速乗車します。

今更車窓を貼っても往路のリプレイにしかならないので記事は和歌山へワープします。

和歌山を経て京都へ

ここからしばらくは移動フェーズとなります。105系も目的ではあったのですが、既に何度も乗った形式であり、録音集めが主目的になってしまっていたので普通に乗車時間を過ごしました。
とはいえ、おそらく和歌山線では最後の乗車になるであろうことも確かなのでその走行音、乗り心地などしっかり思い出に刻んでおきたいと思います。

和歌山線で和歌山まで行ったら急いで紀州路快速に乗り換えて大阪へ出ます。


↑その乗り換え待ちの間に撮ったのですが、和歌山線乗り場の発車標に227系デビューをPRするメッセージが流れていました。


↑最後に105系の発車シーンを撮ったら和歌山線から阪和線へと乗り換えです。

紀州路快速は225系が来たのですが、今更撮影する気分でもなく写真はありません。


時々船を漕ぎながらも気がつけば列車は大阪市内に入っていました。
王寺駅から考えれば恐ろしく遠回りをしてきた感もありますがw


大阪駅の乗り換えで見かけた案内ですが、湖西線が強風のため「サンダーバード」が米原経由の迂回運転をしているようです。
関西地方ではある意味風物詩とも言える案内でしょうが、生で見たのは初めてでした。
・・・なんて、今日は「サンダーバード」には乗らないから他人事で対岸の火事ですが、利用者からしたら目的地への到着が遅れるわけで笑えない状況ですよね。


大阪駅では207系などを撮りつつ乗り換えです。
ただし、この207系には乗らずに新快速で一気に移動です。


車窓からは大阪環状線の201系がいるのが見えました。
323系への置き換えで廃車になったやつの解体待ちでしょうか。


混雑を承知で新快速に飛び乗ってまで京都へ急いだ理由ですw
前回も食べて気に入った牛カツですが、ランチメニューの時間帯を過ぎてしまったため今回は定食ではなく牛カツカレーとなりました。
これを昼食にすべくこれまであえて昼食を食べないで移動ばかりでしたが、やっぱりおいしかったです。


腹ごしらえを済ませたら撮影などしつつ次の列車を待ちます。
この区間は本数も多いので適当に飛び乗ってもいいのですが、草津に早く着きすぎてもすることがないですしね。


281系「はるか」


223系入線シーンです。
関西ではごくありふれた車両ですが、ちょうど来たのでw
なお、これは湖西線の列車なので乗りません。


琵琶湖線の快速列車でのんびり草津へやってきました。(結局223系だったw)
いよいよ草津線の113系とご対面です。


行き先は普通に柘植です。
ネタなのはこの折返しでして、京都行きとなるため、この列車を選んだわけです。

まだ発車までしばらくあるのでホームで色々撮りながら待ちましょう。


草津線のホームは琵琶湖線とはずれた位置にあるため撮影場所としてはなかなか優秀です。
撮影だけを目的にここを訪れるのもよさそうですが、湖西線特急はやってこないため、朝夕の通勤特急や米原まで延長される「はるか」、1日1本だけの「ひだ」くらいと、特急のバリエーションは少ないのが残念です。
でも、貨物列車狙いならばよさそうですね。


デジタルズームまでフル活用して無理やり望遠で撮ったためかなり荒い画像ですが、驚いたのは683系が接近していたことでした。
こんな時間に琵琶湖線を走るなんて団臨か何かだろうかなんて考えながらも手は勝手に動画撮影のスタンバイを済ませていましたw


↑というわけで、通過シーンです。
動画を撮りながら思い出したのですが、大阪駅で乗り換える時に湖西線が強風のため「サンダーバード」が米原経由の迂回運転をするという案内が出ていましたから、あれは「サンダーバード」ですね。
草津駅で「サンダーバード」を撮れるのは迂回運転の場合だけですからレアな光景を見られたということで大満足です。

それでは113系に乗り込んで草津線の旅を始めるとしましょう。

草津線

それでは草津線を1往復しつつ113系を満喫しましょう。
前回関西を訪れた際にも乗車しているのですが、夜だった上、記事上でも草津線については詳しく解説していなかったようなのでここで解説しちゃいますね。

草津線は草津駅と柘植駅を結ぶ36.7kmの路線で、全線電化されていますが単線です。
元々は現在の関西本線を開業させた私鉄の「関西鉄道」の手により開業した路線であり、名古屋~草津間では史実の東海道からは外れて走る東海道本線の代わりに同区間を東海道沿いに走る鉄道として開業しました。
その後、柘植から分岐して加茂方面への路線が開業するとそちらが本線となり、柘植~草津間は支線として分離されました。関西鉄道もろとも国有化されて国鉄線となった後はそのままJR西日本へ継承されて現在へ至ります。

草津~名古屋間の距離では東海道本線経由よりも草津線・関西本線経由の方が距離が短いそうですが、柘植や四日市で乗り換えが必要であり直通運転がないこともあって最速ルートは東海道本線なんですが、東海道新幹線開業前は輸送力の逼迫する東海道本線のバイパス線として貨物列車が設定されたり、国鉄時代の1961年~1986年にかけては京都発着で鳥羽や南紀方面へ向かう優等列車が設定された時代もありましたが、近鉄特急には太刀打ちができずに廃止されてしまいました。それ以後は普通列車のみが走るローカル線として活躍していたわけですが、JR転換後からは列車本数の増発などのテコ入れもあり、また京都や大阪方面へは草津線沿線からの道路事情がよくなかったこともあり現在でも安定した利用者を獲得し続けているようです。
ただし、全線単線という条件から既に運行本数は飽和状態にありこれ以上の増発はできない状況もあるため地元からは複線化によるさらなる増発を求める声も出ているようです。

また、草津線を語る上で欠かせないこととして、東海道新幹線に設置が計画されていた新駅「南びわ湖駅」があります。
南びわ湖駅は東海道新幹線の京都~米原間に設置が検討され、草津線との交差地点付近に設置される見込みだったため、草津線と東海道新幹線が直接結ばれることになり、草津線沿線から東海道新幹線へのアクセスが向上する見込みでしたが、元々栗東市以外の自治体はこの新駅に消極的であり、むしろその予算で草津線を複線化して列車本数の増発をしてもらったほうがいいという声もあった中で、2006年の滋賀知事選で新駅反対派の嘉田由紀子氏が当選したことによりこの新駅の計画も凍結され立ち消えとなりました。
地元住民の民意が直接現れたものとも言える知事選の結果で凍結されたのですから、それが地元住民の選択だともいえ、沿線に住んでいるわけでもない私が口を挟む話ではないのは重々承知の上で、あえて一鉄道ファンとしての妄想や戯言を書かせてもらうならば、京都~米原間って東海道新幹線では最も駅間が長い区間であり、中間に1駅くらいあってもいいかなという思いは確かにありますし、草津線沿線の住民が新幹線を利用するとしたら大抵は京都駅へ出ているものと思われますが、それが草津線内の駅から乗ることができればアクセス向上になるのは間違いないでしょう。しかし、実現したとして結局「こだま」しか停まらないダイヤになる可能性が高く、その場合は「のぞみ」「ひかり」を利用するためには京都や名古屋で乗り換える必要が生じ、それならば最初から京都へ出てそこから直接「のぞみ」「ひかり」に乗ってしまったほうが早いというのもありそうですし、むしろ長距離利用者よりは草津線沿線から京都や大阪へ通勤する人が新幹線通勤という選択肢を得るというメリットの方が大きそうですね。
ただ、そうした場合従来は全区間在来線の定期を買っていた人が新幹線経由の定期に切り替えてしまうと、新幹線の管轄はJR東海ですからJR西日本としては減収になってしまい旨味がないというのもあってあんまり乗り気ではなかったのかもしれませんね。

それから、現在の運行形態についてですが、朝夕に京都・大阪まで直通する列車がある以外は草津発着の線内完結運転が基本となっており、草津~柘植間で草津線を走破する列車のほか、草津~貴生川間の区間列車が設定されており、日中は草津~貴生川間では30分ヘッド、貴生川~柘植間では1時間ヘッドでの運転となっています。
運行形態としてはそんなに面白みはないですが、今でも国鉄型車両が普通に走っている路線ですし、何より大回り乗車のルートへ容易に組み込めるので関西在住の鉄道ファンにとっては割りかし馴染みの路線という方も多いのでは?


文章の羅列が続いて読者さんの目も疲れてきたでしょうし、そろそろ車窓の写真など貼ってリフレッシュと行きましょう。
前回乗車時は夜間だったのでまともに車窓を眺めるのは初めてになるわけですが、そんなに地形も険しくなく、川沿いに走るとかそういうこともないため、車窓的なハイライトがあまりないのが正直な感想ですが、代わりに全体的に線形がよく直線が長いので普通列車であっても高速運転をしてくれる上、ロングレール化されていない区間ばかりなのでジョイント音まで楽しめると音鉄的には楽しい路線です。


架線柱とかぶってしまいましたが新名神高速道路と交差します。
新名神高速道路にある土山バス停が京都・大阪方面への足としても利用されているようであり、このあたりは高速バスとの競合も無視できませんね。


すっかり日も傾いた中、ソーラーパネルたちが輝きます。
三重県との県境付近は草津線の中では山越え区間となりますが、車窓的にはそんなに険しい感じもせず、気づけばもう柘植駅は目前でした。
五能線や肥薩線みたいな車窓の美しさに定評のある路線ほど華やかさはありませんが、気軽に乗りに行ける普通のローカル線というのが草津線を形容するのに相応しいワードでしょうかね。


柘植駅に到着です。
前回のレポートでホーム上だけですが取材していますので今回は駅の方はスルーします。
実を言うと明日の行程でも柘植駅を通ることになっており、しかもそのときはまとまった滞在時間があるのでその時にまとめてレポートしてしまおうというわけですね。
そういう事情もあり、柘植駅の滞在時間は5分程度であり、慌ただしく折り返します。


ここでも113系を撮りましょう。
今でこそ主力車種ということで草津線に乗れば高確率で113系がやってきますが、この天下もいつまで続くのでしょうか・・・


隣の乗り場は関西本線が発着しており、本線のくせに非電化なのでキハ120系がやってきます。
関西本線も全線電化されていればもう少し活用された気もしますが、今となってはローカル線に成り下がってしまいましたからね。


キハ120系も単独で撮ったらもう折返しの時間です。

今度は京都行きということで幕を撮りたかったのですが、LED特有の点滅のせいでうまく写っている写真が皆無という失態を演じたため写真は貼れませんw
こういう時、一眼レフなどのハイエンド機なら手動でシャッタースピードを遅くするといった対処があるのでしょうが、私が愛用するコンパクトデジカメではそういう芸当はできません。
鉄道写真用にLEDをキレイに写すモードとか搭載してくれないかな?w

今度は東海道本線に直通するということ以外は先程のリプレイになりますが、あの爆音モーターに心地よいジョイント音、トランポリンの如く撥ねる車内と乗り鉄&音鉄としての天国の空間を満喫しているので退屈感はありません。
草津からは東海道本線ですが、やはり大津市近郊の区間であり、京都にも近いわけで利用者は多いですね。


京都に到着したら113系を撮る間もなく乗り換えです。
このあとは直通快速に乗るべく尼崎へ出るわけですが、なんとあえての新快速でも・・・快速ですらなく普通列車で移動します。
早めに行って尼崎駅を取材するなり、直通快速の入線を撮るなり案もあったのですが、どうせラッシュ時間帯の今頃は新快速は激混みでしょうし、京阪神緩行線の区間ではいつも新快速ばかりで、新快速でなくてもたまに快速に乗るくらいで各駅停車には乗ったことがなかったこともあり、各駅停車でのんびり座って移動することにしたのでした。

が・・・ここでトラブル発生!
大阪駅では数分間停車した後、快速を先に行かせてから発車となるのですが、その快速が遅れているようで発車が遅れてしまったのです。
ぼんやり車内で過ごしていてその旨の案内を聞き逃しているうちに快速が行ってしまい5分程度の遅延で尼崎となりました。
ここでの乗り換えが元々タイトだったので直通快速に間に合うかハラハラものでしたが・・・?


はい、なんとか間に合いました。
ただし、側面の幕を撮るのが精一杯で先頭部を撮る余裕はありませんでしたけどね。
わざわざ時間のかかる各駅停車でやってきて結局ギリギリになるというこれまた失態ですが、トラブルも含めて楽しめるくらいでないと旅はできませんからね。


あと、ホームの発車標は執念で撮影ですw
息を切らしつつ乗り込んだ直通快速で本日の行程はシメとなります。

直通快速 尼崎→奈良

それではここからは本日の目玉の1つ、直通快速で奈良へ向かいます。
まずは例によって直通快速の概要からですが、2019年春のダイヤ改正まではおおさか東線が放出~久宝寺間の暫定開業だったこともあり放出からはJR学研都市線・JR東西線へ直通する直通快速が運行されており、尼崎~奈良間を直通で結んでいました。それがおおさか東線が新大阪まで延伸されたことにより新大阪発着へと振り替えられる形で尼崎発着が廃止となりました。
私が乗車したのはダイヤ改正前までの話なのでそちらの話をさせてもらうと、尼崎~京橋間のJR東西線内では快速とは名ばかりで通過駅はなく各駅に停車していきますが、京橋を出ると鴫野は通過して放出となり、放出からはおおさか東線へ入り途中駅は全てすっ飛ばして久宝寺へ出たら関西本線に入って次は王寺へ停車してあとは奈良まで各駅停車です
おおさか東線内はノンストップであり、おおさか東線内の各駅利用者にとっては何のメリットもない列車ですが、大阪市内と久宝寺・王寺・奈良といった駅とのバイパスルートとしての利用を当て込んだのでしょうね。
登場からしばらくは223系が充当されていたようなのですが、JR東西線内の北新地駅でホームドアが設置されることになるとJR東西線の主力車種の207系や321系とはドア位置が異なる223系は使用できなくなり、以後は207系か321系のどちらかで運転されているようです。
おおさか東線も普通列車は201系のみが運用されており、関西本線もこの直通快速以外では207系・321系が走ることはないのでそういう意味でもネタ列車ですね。
基本的に沿線住民の通勤の足という位置づけみたいで朝に大阪方面、夕方に奈良方面のみの運転であり本数があまりないのが残念ですが、環状路線と直通する列車という意味では首都圏で言う「むさしの」や「しもうさ」のような存在と言えるかもしれませんね。

ついでなのでダイヤ改正後についても触れると放出からJR学研都市線に入らずにそのままおおさか東線で新大阪まで行くようになったという運行ルートの変更だけでなく、停車駅にも変更があり、従来は通過していた高井田中央・JR河内永和にも停車するようになりました。
奈良と新大阪を直結するようになった上、土日には観光客を意識して日中の奈良行きも設定されるようになったので東海道・山陽新幹線から乗り継ぎで奈良を目指すには有望なルートとなりましたが、同じく大阪と奈良を結ぶ大和路快速に比べればまだまだ本数は少なく奈良を目指す観光客の利用を取り込めるか注目ですね。

時系列が行ったり来たりしてこんがらがるかもしれませんが、またしても乗車レポートに戻ってダイヤ改正前の話になります。
尼崎の時点ではラッシュ時間帯だということが信じられないほど閑散としていて驚きましたが、尼崎は大阪から見れば郊外にあたる地域であり、いくら大都市圏でも郊外から都心へ向かう方向はガラガラなのは東京でも同じですよね。
北新地など大阪の都心部を通るうちに車内はそれなりに通勤電車らしい混雑にはなってきましたが、それでもちらほら立ち客が出始めている程度で満員電車とは程遠い状態・・・京橋ではホームがかなり混んでいたので彼らが乗り込んできて満員になるかと思えばほとんどは後続の松井山手や京田辺方面の電車を待っているみたいで見送る人が多かったです。

そして、鴫野を通過して放出です。難読駅名として知られますが、逆に有名になりすぎて普通に読める人も多いかもしれませんが「はなてん」と読むこの駅からはいよいよおおさか東線に入っていきます。
登場からかなり経っているので使い慣れた定期利用者はまず間違えることはないでしょうが、それでも車掌さんは念入りにこの電車がおおさか東線に入り放出を出ると久宝寺まで停まらないことをしつこいくらい念入りにアナウンスしていました。
あと、奈良方面の列車については女性専用車両の設定はここまでとなります。何故かと言うと直通先の大和路線でも女性専用車両が設定されていますが設定されている位置がJR東西線・学研都市線と大和路線で異なっており混乱を招きかねないため直通快速については尼崎~放出間のみの設定という扱いになったようです。
なお、おおさか東線でも普通列車については女性専用車両の設定があります。

おおさか東線に入っていよいよ6駅連続通過のノンストップ運転の区間になりますが、先行列車に詰まっているのか思ったほどは飛ばしてくれず・・・w
あと、車内についてですが、放出で降りた人が多くガラガラになってしまいましたw

久宝寺からは大和路線ですが、JR難波からの各駅停車で当駅までやってきて乗り換えるという人が一定数いるのか乗ってくる人がそこそこいて驚きましたが、それでもほとんど全員が座れている程度の混雑です。
王寺を出てしまえばあとは各駅停車となりますが、これは大和路快速でも同じですね。

乗ってしまえばあっという間だった直通快速ですが、やはり乗車率の低さに驚かされました。
想像ですが、この列車のメインターゲットであろう通勤客からすれば行きも帰りも直通快速を利用可能ならばともかく、特に帰りは残業などで帰宅時間が読めない人からすると直通快速の時間帯を逃すと放出と久宝寺で2回の乗り換えをすることになり、大和路快速を利用する場合定期券には大都市近郊区間の特例が適用されないことから厳密な話をすれば帰りだけ大和路快速にしようと思っても定期券を使えないわけですからこれは不便ということもあって利用が定着していないのではないでしょうか。

JR西日本としても本命は新大阪延伸後であり、尼崎発着での運転はデモンストレーションのような意味合いが強かったのかもしれませんが、冒頭と同じ締め方になってしまいますが今後の発展に期待の列車ですね。
例えば従来は大阪駅で大和路快速に乗り換えていた人たちが、新大阪へ出れば始発駅ということで座れる可能性が高いという意味でおおさか東線経由を選ぶ可能性は大いにありますし、機会があれば新大阪発着になった直通快速についても乗りに行きたいと思っています。


既に回送幕になった207系直通快速です。
このまま翌朝の運行に備えて車庫へ入るみたいなのでそれを見送ってから撤収としましょう。


そうそう、発車標を見ると当駅終着列車でもちゃんと種別を表示してくれており、直通快速の表示を撮ることができました。
結局回送なのだから種別が分かっても一般利用者には何の利点もないわけですが、鉄道ファンとしては大歓迎です!w


↑最後に引き上げシーンを撮って撤収です。
奈良駅での207系はレアではありますが、今後も始発駅が尼崎ではなくて新大阪になるだけで見られるんですよね。
とはいえ撮りましたがw

あとは奈良駅前に取ったホテルへチェックインして本日の行程は終了です。
明日のレポートはまた追って執筆しますのでしばらくお待ち下さい。
それでは!

~追記~
翌日の滑動のレポートはこちら

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