今回は1泊2日で実施した青森遠征です。
最大の目的は青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道で臨時運行された快速「青森・盛岡ライナー」に乗車することであり、往復は夜行バスを使ったため、実質的には1泊4日となっていました。
しかし、まさかのトラブルにより行程は二転三転する波乱の展開に・・・
本来の行程
まずは本来予定していた行程を説明しておきましょう。
上野駅から夜行バス「パンダ号」で青森駅まで移動し、そこから「青森・盛岡ライナー」に乗車して盛岡へ、折り返しまでの時間つぶしでキハ110系充当の花輪線直通列車で好摩へ1往復、更にいわて沼宮内止まりの区間列車でいわて沼宮内へ1往復したら、盛岡から再度「青森・盛岡ライナー」で青森へ向かい1泊です。
翌日は青い森鉄道で野辺地へ向かい、大湊線を1往復乗車し、更に青い森鉄道で八戸へ向かったら、八戸線で久慈へ向かい、岩手県北バスの運行する高速バスで八戸へ戻って、青い森鉄道で青森まで戻ったら夜行バス「津輕号」で帰路に就くという内容でした。
が、色々あってこれとは一部異なる活動内容になりましたので、今回はあえて冒頭での活動内容の説明は割愛して、レポートを読みながら把握して頂くスタイルをとろうと思います。
読者さん目線ではさながらミステリーツアーですね。
青森駅の朝
というわけで波乱の展開になったこの遠征ですが、そのレポートは「パンダ号」から降りて青森駅に降り立ったところからスタートします。
いつもなら夜行バスは単独でレポートする事が多いですが、「パンダ号」については以前に乗っていてレポートもしているので今回は割愛します。
「パンダ号」について気になる方は以前執筆したレポートをご覧下さい。
↑パンダ号は私を下ろすと走り去っていきました。
というわけで早朝の青森駅前です。
写真でも分かる通り曇り空であり、予報ではこれから本格的に雨が降るとのこと。
このため、本来はこのあと「青森・盛岡ライナー」に乗るはずでしたが、せっかく乗っても車窓は楽しめないなぁと思い、ここで行程を変更し、本来は2日目に予定していた内容を今日実施することにして、「青森・盛岡ライナー」に乗るという本来今日実施するはずだった行程を明日に回すことにしたのでした。
ただし、大湊線についてはせっかく乗っても悪天候ではつまらないし、以前に乗ったこともあるので今回はカットします。
ところで、青森駅がどうやら工事中のようです。
いつの間にか駅舎建て替えになっていたようですね。
仮設通路を通ってとりあえず駅へ向かいます。
「青森・盛岡ライナー」に乗らないとしてもどっちみち青い森鉄道には乗るので、フリー乗車券を買っておこうというわけです。
というわけで青い森鉄道の窓口にやってきました。
ここで購入するのは「もりもりフリーパス」というもので、青い森鉄道とIGRいわて銀河鉄道の全線(青森~盛岡間)が2日間乗り放題になるきっぷです。
IGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道開業20周年を記念したきっぷで、2022年7月8日~10月31日まで発売されています。
なので、この記事を執筆している時点ではもう発売されていませんw
値段は5,500円とちょっとお高いですが、これでも青森~盛岡間の片道運賃より安いんですよね。
ちなみに、新青森から盛岡までの新幹線の運賃+料金が6050円(通常期)なので、在来線の普通運賃と新幹線代がほぼ変わらないということでもありますw
第三セクターになると運賃が上がるのが常ですが、新幹線と変わらないのはちょっとどうなんですかね。
そんなことはさておき、無事にきっぷも買ったのですが、乗車予定の列車にはまだまだあるので・・・
ここでは「のっけ丼」という海鮮丼を楽しむことが出来ます。
「のっけ丼」とはいくつかのお店で自由にネタを選んで、自分好みの海鮮丼を作って食べることが出来るというもので、釧路の和商市場でやっている「勝手丼」に似たものとなっています。
ただし、「勝手丼」はお店毎に個別でお会計をするスタイルなのに対して、「のっけ丼」はまず受付でチケット(10枚組2000円と5枚組1100円の2種類)を購入し、このチケットとご飯やお刺身のネタを交換するスタイルとなっています。
ただ、ご飯で1枚(大盛りなら2枚)使う上、高級なネタは2枚や3枚となっていたりもするので、5枚の方を選ぶと満足感のある「のっけ丼」に仕上がらない可能性が高いと思いますので、ちょっと値は張りますが2000円払って10枚を買った方がいいと思います。
写真も10枚消費した「のっけ丼」です。
朝から贅沢してしまいましたが朝食から早速大満足して、いよいよ活動を開始したいと思います。
ただ、予定の大湊線1往復をカットしてしまったので、そうなると八戸線ですが、八戸へ直行してもだいぶ暇ですw
なので・・・
「青森・盛岡ライナー」を撮ろう
本来は乗る予定だった「青森・盛岡ライナー」を撮影しつつのんびり八戸へ向かうことにします。
とりあえず構内へ入りました。
しばらくはここで発着する列車を撮ろうと思います。
そういえば、青い森鉄道をしっかり撮影したことってあまりなかったですしね。
↑青い森703系が入ってきました。
この車両はJR東日本のE721系と同等の形式となっています。
隣りにいたのは青森701系でした。
こちらはそのままJR東日本の701系そのものです。
そして、なんと鰺ヶ沢行きでした。
実はこのとき、五能線が大雨被害で一部区間が不通となっており、「リゾートしらかみ」も所定では秋田行きなのが区間運休という形で鰺ヶ沢行きとして運行されていたのでした。
これはこれである意味レアですね。
ちなみに、この「リゾートしらかみ2号」は以前の遠征で乗車した列車だったりします。
↑ここで青い森701系が発車です。
↑入れ違いで青い森701系が入線してきました。
これが「青森・盛岡ライナー」となるようです。
方向幕です。
ちゃんと快速盛岡行きという表示が収録されていたんですね。
発車標です。
ちゃんと列車名も表示しているのがいいですね。
てっきり「臨時」とかでお茶を濁すパターンかと思いましたw
「青森・盛岡ライナー」についてのポスターもありました。
青い森鉄道としてもかなりPRに力を入れているようですね。
さて、このままここで「青森・盛岡ライナー」の発車を撮ってもいいのですが、せっかくなら通過駅で通過するシーンを撮りたいなとも思いました。
なにせ、青森駅発車だと方向幕以外は普通列車でも見られますが、通過となると青い森鉄道では定期列車での快速はJR直通の「しもきた」だけなので、青い森鉄道の車両で通過するのはかなりレアです。
スマホなどで調べた結果、狩場沢駅が撮影にも向いていそうだということで普通列車で狩場沢駅へ向かうことにしました。
狩場沢駅にて
というわけで普通列車に揺られて狩場沢駅にやってきました。
↑乗ってきた列車の発車シーンです。
青森駅の時点で既に降り始めていた雨は相変わらずですが、駅取材も兼ねて撮影をしていきましょう。
駅は2面3線のいわゆる国鉄型配線です。
かつては東北本線の一部だっただけに、長距離列車が行き交っていた時代を忍ばせる長大ホームも残っていますね。
駅舎・・・というか待合所がありました。
無人駅ということですが、雪国ということで待合室はしっかりと整備されているようですね。
ただ、結構新しい見た目なので元々あった駅舎を取り壊して簡易な待合所に置き換えたパターンではないかと思います。
駅前に出ました。
駅前広場は舗装されていて送迎マイカーの往来にも対応していますね。
駅前から出た道路は国道にぶつかるところで終わるという、駅へのアクセス専用の道路という感じでした。
調べてみるとこんな短い道路ですが立派な県道でして、青森県道209号狩場沢停車場線という停車場線シリーズの1つのようです。
その全長はなんと61mというw
とすると、私は図らずも徒歩で県道を全線走破したことになりますね。
そして、県道終点では国道4号にぶつかります。
国道4号といえば東京から青森を結ぶ、ちょうど東北本線に相当する国道ですが、青森県内まで来るとこんなよくある地方の国道みたいな姿なんですね。
そんな国道4号は日本一長い国道でもあるのですが、いつか起点から終点まで走破してみたいなと思うも、そもそも車すら持っていないしなぁw
そのまま駅の向こう側に行けるようになっていました。
山側の集落の利用者の便宜を図って設置されたんですかね。
ただ、そこから続く道はこんな砂利道でした。
向こうに家も見えるので使っている人はいるんでしょうけどね。
さて、駅取材はこれくらいであとは「青森・盛岡ライナー」を待ちたいと思います。
↑「青森・盛岡ライナー」の通過です。
↑あと、貨物列車も通過しました。
東北新幹線開業で特急列車こそなくなりましたが、貨物列車の運行ルートとしては今でも重要ですからね。
それではあとは八戸へ移動です。
八戸駅にて
続いては八戸駅ですが、ここでも乗り換えの時間がかなりあったので色々撮ったりネタがありました。
乗ってきた列車です。
青い森鉄道は基本的には八戸駅で系統分断されているため、ここで折り返しです。
八戸線のキハE130系がいました。
キハ40系が走っていた頃には乗りに来ているのですが、今回キハE130系になってからは始めて見ました。
後ほどこれに乗って久慈へ行くわけですが、鮫行きが先に出るので、久慈行きまでしばらく暇になります。
一旦コンコースに出ました。
八戸駅も東北新幹線延伸開業でお色直しされましたが、逆にそれ以前の姿を知らないんですよねw
ふと発車標を見ると・・・と、東北エモーション!?
しかも発車時刻的に十分撮影できることも分かり、これは行ってみるしかないですねw
いました!東北エモーション!
ここで東北エモーションについてざっくり解説ですが、東北エモーションは八戸と久慈の間をメインとして運行されるレストラン列車であり、車内で本格的な食事が楽しめることを売りにしています。
種車はキハ110系ですが、ご覧のように改造されていて、観光列車らしい凝ったデザインになっていますね。
なお、方向幕が団体であることからも分かるように、運行は旅行商品扱いの団体列車という形で行われており、一般の乗車券や指定席券などでは乗車できません。
食事とセットという特殊性からこのような形態を取っているんでしょうけど、そのため時刻表には掲載されていません。
まあ、公式サイトを見れば運行時刻は分かるんですけどねw
↑側面の方向幕は電光掲示板タイプでしたが、写真だと上手く写らなかったので動画で撮りました。
乗車開始のことを”OPEN”と表現したり、開店準備中という表現が列車というよりレストランというイメージを前面に押し出しているようですね。
形式名は”キクシ”となっていて、”キ”は気動車のことですが、”ク”は駆動車、つまり運転台が付いているという意味で、”シ”は食堂車という意味です。
現在は食堂車はこういう特別な列車にしか付かない設備になりましたが、形式名としては今でも生きているんですね。
まだ時間があるので向かいのホームへも行ってみましょう。
↑八戸線のキハE130系の発車です。
新幹線の大きなパネルがありました。
八戸は大半の新幹線が停まる主要駅ですしね。
ここでお昼ごはんです。
青森名物の貝焼き、せんべい汁、そして海鮮丼を1つの定食で楽しめました。
朝も「のっけ丼」だったので海鮮と海鮮でダブってしまいましたが、美味しかったのでまあいいでしょうw
さて、ここからは八戸線に乗って久慈へ向かうのですが、車窓を撮ったもののこの大雨の影響かレンズが曇ってしまい撮影失敗というw
どっちみちまだ雨が降り続いていて、綺麗な映像ではなかったしまたの機会としましょう。
八戸線に乗るのは2度目ですし、解説も割愛させて頂きます。
久慈駅にて
というわけで久慈駅にやってきました。
ここでもまさかの遭遇が!?
もったいぶらずに遭遇とは何なのか明かすと、「東北エモーション」が久慈駅にもいたのです。
ちょうど折り返すところだったようで、また発車シーンを見ることが出来そうです。
八戸行きの「東北エモーション」に乗る乗客たちでホームは賑わっていました。
↑それでは発車シーンをどうぞ
「東北エモーション」が去ると一気に寂しくなりましたw
ホームはJRが1面2線、三陸鉄道が1面1線の併せて2面3線となっています。
こちら「駅前デパート」ですが、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のロケ地であることから「あまちゃんビル」の通称もあるんだとか。
放送は2013年ですからもう10年近くも前なんですが、今でも地元にとっては誇りだったりするんですかね。
三陸鉄道も劇中に登場しますが、「北三陸鉄道」という名前で出てくるらしいですね。
こちらは「YOMUNOSU」という情報交流センターだそうです。
そして、こちらが駅舎です。
もしかしたら「あまちゃん」ブームの頃に駅舎をお色直ししたのかもしれませんね。
JRバスがいましたが、盛岡行きの「白樺号」というバスでした。
こちらは久慈市のコミュニティバスにあたる「のるねっとKUJI」というバスで、ヒカリ総合交通というバス会社が担当しているようです。
まだ時間があるので少し街歩きでもしようと思います。
街中に顔出しパネルがありました。
やっぱり久慈市といえば海女なんですね。
もう1枚ありました。
なんで恐竜wwwと思ったら久慈市では恐竜の化石が発見されているらしいですね。
道の駅があるみたいなので行ってみます。
意外と駅チカなので久慈駅で時間を持て余したときには行ってみるのもいいと思います。
続いては岩手県北バスの高速バスに乗ります。
岩手県北バスで八戸へ戻る
ここから乗車するのは岩手県北バスが運行する久慈~八戸間の高速バスです。
特に愛称や路線名は無いようなので、記事では「久慈-八戸線」で統一したいと思いますが、この「久慈-八戸線」は2021年8月7日より同年10月24日までの期間限定の実証運行として運行開始しました。
2022年も運行されることとなり8月6日から2023年1月15日までとされており、2023年度以降の本格運行を目指しているそうです。
2021年は久慈~八戸間を八戸中心街経由で1日4往復という設定で、2022年からは運行本数こそ据え置きですが、八戸市内で市営旭ヶ丘営業所前と日赤入口を停留所に追加しています。
完全に八戸線に並行する路線であり、鉄道ファンとしては少し複雑ですが、本格運行に漕ぎ着けるかまだ分からないということもあってこの際に乗りに来たのでした。
時刻表が貼ってありました。
比較的需要の多い朝夕を中心にした設定になっていますね。
上下とも概ね1時間15分程度で結んでおり、これは八戸線の所要時間1時間40分程度より早いです。
やってきました。
久慈市の全面車体ラッピングとなっていますね。
やってきました。
待っていたのは私の他には1組の親子連れのみでしたがw
そうしたら乗り込みます。
結局、乗客は私と例の親子連れの3名で出発しました。
このあとは降車専用の停留所しかありませんからこのメンバーで八戸まで行くことが確定しました。
↑前面展望を撮影しましたのでどうぞ
バスは10分ほど久慈市内を走行してから久慈ICより三陸自動車道に入ります。
三陸自動車道も今や仙台~八戸間を結ぶようになり、東北自動車道の補完を担えるようになりましたが、その大半は対面通行の暫定2車線という有様で高速道路の真価を発揮できているかというと微妙です。
まあ、それでも従来の国道からすれば大幅にスピードアップし安全性も向上しているでしょうから無駄とはいえないですよね。
そんな三陸自動車道をひたすら進みますが、終点の八戸ジャンクションまでは行かずに八戸南ICで降りて国道45号八戸バイパスに降りていきます。
市内では市営旭ヶ丘営業所前・八戸中心街(六日町)・日赤入口の3箇所に立ち寄りますが、誰も降りずw
特に八戸中心街付近は信号も多く渋滞気味の箇所もあってここで所要時間が余計にかかっている面もあるので、八戸駅までより速達輸送を実現するならば三陸自動車道を八戸ジャンクションまで通行し、八戸自動車道の八戸西SICから八戸駅に向かえばよさそうですが、需要を開拓するという意味では八戸市内にもこまめに停留所があったほうがよさそうですから難しいところですよね。
八戸市内では結構流れが悪かったので遅延するかと思えば、元々余裕を持ったダイヤになっているようで定刻通り八戸駅に到着しました。
↑終点ということで降車扱いが終わると車内点検の後、走り去っていきました。
青森駅に到着!
すっかり暗くなりましたが、これにて活動終了です。
ですが、その前に名物の青森ラーメンを頂きます。
青森ラーメンは煮干しのスープを使っています。
シメは残ったスープにご飯と納豆を入れるのも青森スタイルですね。
というわけで3食とも青森名物を楽しむことができ、食事面でも大満足で1日目を終えました。
というわけで1日目はこれにて終了で、2日目は別記事として追ってレポートしますので公開までしばらくお待ち下さい。
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