「東京九州フェリー」で九州へ

今回は神奈川県の横須賀港と福岡県の新門司港を結ぶ「東京九州フェリー」に乗って九州へ出かけましたのでそれをレポートしたいと思います。
以前の北海道遠征の中で、フェリー「さんふらわあ」を利用したことはありましたが、フェリーを主体とした記事は多分初めてです。
実は「さんふらわあ」を利用して船旅もいいなと思っていたところに、九州の実家へ帰省する機会があったので、前々から気になっていた「東京九州フェリー」に乗ることにしたのです。
なお、レポートのメインは「東京九州フェリー」ですが、目的地は北九州ではなくて博多近辺になるため、その移動もついでにレポートしようと思います。

「東京九州フェリー」の概要

まずは今回の記事の主題となる「東京九州フェリー」について解説してから本編に入っていくことにしましょう。

「東京九州フェリー」は神奈川県の横須賀港と福岡県の新門司港を結ぶフェリーで、所要時間は上りは20時間50分、下りは21時間15分で結んでいます。
運航開始は2021年7月とまだまだ新しい航路であり、近年はYoutuberが取り上げることも多い注目の航路ともなっていました。

似たようなルートを運航するフェリーとして「オーシャン東九フェリー」というのも存在しており、こちらは1970年代から存在する歴史のある航路となっています。
こちらは福岡での寄港地は「東京九州フェリー」と同じく新門司港ですが、関東での寄港地が横須賀港ではなくて東京港となっている他、途中で徳島港にも寄港する航路となっているため所要時間も「東京九州フェリー」より長い36時間ほどとなっています。

このように競合関係にあるとも言える「東京九州フェリー」と「オーシャン東九フェリー」ですが、「東京九州フェリー」は関東と九州を直行で結ぶ速達性や安価な運賃、充実した船内施設やいわゆる雑魚寝を廃し、全ての座席で個室か個室に近い形態の座席を導入するなど快適性や移動時間を楽しむ利用者を取り込む工夫で差別化しているようです。
なお、「オーシャン東九フェリー」と「東京九州フェリー」は同じSHKライングループに属しているので、競合というよりは同じ航路に直通便と徳島経由便があるという認識の方が近いかもしれません。

続いて運賃ですが、形態としては基本運賃とルームチャージ料金の2つがあり、基本運賃では最低クラスのツーリストAの利用となり、より上位のクラスを利用する場合は差額を追加するという形になります。
また、変動運賃制となっており、閑散期の期間Aと繁忙期の期間Bが設定されています。
最も安く利用できる期間AのツーリストAの場合は12,000円となっていて、流石にLCCよりは高いですが、新幹線や夜行バス「はかた号」との比較では割安かほぼ同等くらいになるので、純粋に移動手段としてもメリットがあるでしょう。

より上位のクラスとして一人用個室のツーリストS、4名まで泊まれる個室のステート、そして最上位クラスとなるデラックスがありますが、ステート、デラックスについては部屋単位での追加料金なので、ステートは追加料金が期間Aで32,000円ですが、これを4名で利用すると1人あたり8000円の追加ですからグループでの乗船なら選択肢としてありかもしれませんね。

最上位のデラックスだと期間Aでも48,000円かかる上、2名しか利用できないため1人あたり24,000円となり、これに基本運賃12,000円を足すと36,000円となりますから、新幹線のグリーン車を使うよりも高くなりますね。
こちらはクルーズ船気分を味わいたい人向けでしょうか?

あと、カーフェリーなのでもちろん自動車やバイクと一緒に乗船することや、ドライバー(ライダー)は乗船せず、車両だけを運んでもらう「無人車航送」というのも受け付けているようです。
なお、流石に全てをここで解説するのは難しいので、より詳しい情報は公式サイトを確認して下さい。

横須賀港から乗船する

というわけで早速本編スタートです。

時系列としては「京急「イブニング・ウィング号」に乗る!」の続きとなります。


その「イブニング・ウィング号」の活動のあと、私は横須賀中央駅に降り立ちました。
「東京九州フェリー」が出る横須賀港は鉄道駅では横須賀中央駅が最寄りですが、ここから約1.2km、徒歩15分ほどの道のりとなります。
周辺は横須賀市の中心部であり、京浜急行バスがたくさん乗り入れているので、1つくらいはフェリーターミナルへ向かうバスもありそうな気もしますが、調べてみたところ路線バスではフェリーターミナルへ向かうことは出来ないみたいです。
どうしても歩くのがつらいとなるとタクシーしかないですが、横須賀市の市街地に乗り場がある割には交通アクセスが悪いですよね。
まあ、フェリーの主要顧客は車と一緒に乗船する人たちであり、徒歩乗船組はおまけみたいな感じなんでしょうけどw


ついでなので駅も軽くご紹介します。
横須賀中央駅は名前の通り横須賀市の中心部に位置する、まさに玄関口と言える駅であり、朝のライナー列車である「モーニング・ウイング号」も含めて全ての列車が停車します。
しかし、それに対して駅の構造はシンプルであり、相対式2面2線となっています。
つまりは当駅での折返しや緩急接続は出来ないわけですが、折返し機能は浦賀や京急久里浜で、緩急接続は堀ノ内や金沢八景・金沢文庫で行うようになっています。


コンコースに降りました。
時間が遅いせいでそんなに混み合ってはいませんが、ラッシュ時間帯に来たらすごいんでしょうね。


駅前に出たらここからフェリーターミナルまで徒歩です。
周辺は横須賀市の中心部なので活気あふれていますが、海軍カレーなどの名物はまたの楽しみということでw


そこへ現れたのはなんと南海バスでした。
新宿とか横浜あたりなら分かりますが、関東全体で見れば主要都市とまでは言えない横須賀に来ているのが不思議だったものの、調べてみると南海バスが大阪・京都と神奈川を結ぶ高速バス「サザンクロス」鎌倉線を運行しており、神奈川県内では戸塚駅・JR横須賀駅・横須賀中央駅・鎌倉駅・藤沢駅・小田原駅と立ち寄る設定になっているようです。
高速バスは鉄道よりルート設定の自由度が高いことを生かした個性的な路線ですよね。
これもまた乗ってみたくなりましたw
ちなみに、横須賀中央駅や横須賀駅に乗り入れる唯一の高速バスでもあるようです。

横須賀は横浜や東京都心部と京急やJR横須賀線で結ばれているために高速バスを走らせる需要がないんでしょうけど、空港リムジンバスくらいはあってもよさそうなのに無いんですよね。

なお、横須賀駅や横須賀中央駅には立ち寄らないものの市内の林バス停や竹山バス停を経由してから横浜駅まで行く高速バスはあるみたいで、こちらは駅から離れた地区とターミナルの横浜を直結する路線ということで、これまた異色ですね。
ああ、また乗りたい路線が増えたw


そして、フェリーターミナルまで到着です。
のんびりと歩いても20分もかからなかったと思いますが、今回は荷物が多いのできつくなかったかといえば嘘になりますかね。
なお、周囲は港湾施設が並んでいてなんだか立ち入ることを躊躇ってしまうような雰囲気もあったんですが、スマホのナビに従っていくとちゃんと着きました。


船が大きすぎて全体を収めることは出来ませんが一部分だけでもなんとか撮りました。
「東京九州フェリー」では通常は「はまゆう」と「それいゆ」という2つの船を交互に使用していますが、いずれも諸元は同じで全長は222.5m、総トン数は15,515トンとなっていて船以外の乗り物ではありえないサイズ感ですね。


こちらがターミナルの建物です。
思っていたよりは小さいですが、斜めになった屋根のフォルムなんかは特徴的です。
就航からまだ2年なのでターミナルも築2年ということになり、まだまだピカピカです。


記念にこれを撮ったら中に入って乗船手続きと行きましょう。


中に入ると受付カウンターがありました。
短いですが行列が出来ていましたが、運送会社と思われるユニフォームを着ている人も混じっていたので、トラックを積み込む手続きをしているんでしょうね。
私もこれに並び順番が来ると、ネット予約の番号を伝えて乗船手続きはあっさり終わりました。
車を乗せる場合は車検証を見せたりといった手続きもあるんでしょうけど、徒歩乗船組はそういうのがない分、簡単でした。


発車標みたいな案内もありました。
出港は23時45分と深夜といってもいい時間帯ですね。
乗船時間も明示されており、乗用車・バイクを伴って乗船する人は出港50分前となる22時55分、徒歩乗船と乗用車の同乗者は出港45分前の23時00分からとなるようです。
なお、前に乗った「さんふらわあ」では最終乗船ギリギリに到着してしまい、大慌てで船に駆け込むという苦い経験をしたので、今回はかなり余裕を見て22時頃には到着するようにしました。


船の模型も展示されていました。

さて、手続きを終えたら2階にあるラウンジで乗船までの時を待ちます。


ラウンジは空港の待合室みたいにベンチがたくさん並ぶ空間となっていて、更に売店と軽食コーナーもあります。
なので、早くターミナルにやってきてここでゆっくり食事というのもありでしょう。
なお、売店と軽食コーナーは20時からの営業なので、早く来るとしても20時以降がいいでしょうね。
出港が23時45分ということで、乗船してから夕食では遅いからターミナルにて食事を提供しているんだと思います。


ここで私も軽食タイムです。
途中で夕飯は食べてきたんですが、小腹が空いてしまいましたw
チョイスしたのはミックスジュースと海軍カレーパンです。


見た目はただのカレーパンという感じですが、横須賀で食べたので海軍カレーってことでいいでしょう。
これで名物回収ですね。
あ、海軍カレーは「またの楽しみ」なんていいつつ、結局食べてしまいましたw

なお、ジュースやカレーパンといったホットスナックは23時まで提供されますが、他に海軍カレー、そば・うどん、チャーハン、唐揚げ定食といった本格的な食事メニューもあり、こちらは22時までです。
ターミナルでしっかりとした夕飯を食べたければ22時前には到着するようにした方がいいですね。


乗船口はエスカレーターになっていました。
時間になったらロープが外されてエスカレーターが動き出すんでしょうね。


こんなのがありました。
左は船内レストランのメニューですが、BBQという文字が気になりますね。
これはデッキに出てBBQが楽しめるという企画らしく、「東京九州フェリー」の売りのようなものらしいです。
なお、これは期間限定であるため今後も行われるかは不明ですし、行われていても予約が必要であり、申込多数の場合は抽選になるようです。


まだ時間があるので喫煙スペースとなっていたバルコニーに出て周辺を眺めることにしました。
ガラス越しだと反射が入るのが、ここからなら綺麗に撮れますね。
まあ、やっぱり全体像は撮れないわけですがw


車両積み込み用のスロープからは次々と大型トラックやトレーラーが乗り込んでいました。
ほとんどがトラックであり、まるで貨物船みたいですが、実は国内の長距離フェリーの場合、顧客の大半は運送会社であり、トラックごと積み込むことで高速料金や長時間ドライバーを拘束する人件費を削減できるメリットがあるんだとか。
トラックを出発地から目的地まで自走させるならばその間はずっとドライバーを拘束することになりますが、フェリーならば出発地から積み込みまでを担当するドライバーと、下船から目的地までを担当するドライバーを用意すればその間はトラックだけを運ぶことが出来て効率的ですね。
近年は2024年問題と言われてドライバー不足が深刻化していますし、今後はこういうフェリーの重要性は増していくばかりでしょうね。
「東京九州フェリー」がこのタイミングで就航したのもそういう需要を見越したというのもあるでしょう。

なので、一般的には旅行需要が見込めるであろう日曜・祝日は運休するなど、トラックを主眼においた運営をしているんでしょうね。
ちなみに、「東京九州フェリー」はフェリーなので車を載せない人も乗船可能ですが、RO-RO船と呼ばれるトラックごと積み込む貨物船だと、構造はフェリーに近いものの法的に貨物船扱いとなるため、徒歩乗船は出来ず、輸送するトラックも契約を結んだ会社のものに限られるなどの違いがあるようです。
「フェリー」は旅客船扱いなので保安基準が厳しかったり、より多くの船員を配置しないといけないなどコスト面では不利であり、長距離フェリーがRO-RO船に鞍替えするケースも多いみたいですが、「東京九州フェリー」はフェリーとして就航してくれたので、こうして旅の手段としても使えるのがありがたいです。

ちなみに、写真のトラックは「マリネックス」というSHKグループの一員の運送会社で、自社系列のフェリーを使ったトレーラーの無人航送で日本各地を長距離輸送する事業を行う会社のものだそうです。
このように他社の鉄道や船舶による輸送を利用して輸送サービスを提供するような事業者を「貨物利用運送事業」というらしいです。


↑積み込みの様子もなかなか面白かったので動画で撮ってみました。

よく観察するとトレーラーが乗り込んだ後は、荷台部分を切り離してヘッドだけ降りていくという流れだったので、荷台部分だけをフェリーに載せることでより効率的な輸送ができるようにしているんでしょうね。

いよいよ乗船

そして、乗船時間のアナウンスが流れたので案内に従って乗船開始です。
入口でチケットの確認があったらタラップを通って乗り込みます。


いよいよ船内に入りました。
まだまだ新しい船であり、ピカピカで気分がいいですね。


大きなラウンジもあり、自分の部屋だけでなくここでのんびりするのもいいですね。


大型のテレビも設置されています。
ちなみに、ツーリストS以上のクラスならば部屋にテレビがあるのでそこでも見られますが、ツーリストAにはテレビがないので見たければラウンジで見るしかありません。

ところで、洋上では地上波の受信は難しいと思いますが、やっぱり衛星放送を受信しているんですかね。


浮き輪を模した乗船記念のオブジェがありました。
そうそう、今回は「それいゆ」なのか「はまゆう」なのか明記していませんでしたが、写真を見れば分かる通り、今回乗船したのは「それいゆ」です。
「それいゆ」はフランス語で太陽を意味する言葉ですが、船名の由来としては寄港地の北九州市の花であるヒマワリに由来していて、花言葉の「憧れ」は船旅の魅力を引き出す思いも込めているんだとか。
あと、これは偶然でしょうが、同じく寄港地の横須賀市には「ソレイユの丘」という観光スポットもありますね。

ついでなので紹介すると、姉妹船の「はまゆう」は横須賀市の花であるハマユウにちなんでいて、2隻とも花の名前を由来にしているのはいいですね。


それではまずは自分の部屋へ向かうとしましょう。
通路もまるでホテルにいるみたいな雰囲気で、ここが乗り物の中だとは思えません。


そして、私の部屋に到着です。
「東京九州フェリー」では最低クラスとなるツーリストAを利用しますが、大部屋の中にこのように並んでいて、かつてのブルートレインの開放寝台のような雰囲気です。
いわゆる雑魚寝はないので、プライバシーを求める人でも安心して利用できますね。
また、女性専用区画も設定されており、女性でも安心です。


部屋はこんな感じです。
ロールカーテンを下ろすと個室みたいになりますが、施錠は出来ないので貴重品の管理は気をつけた方がいいですね。
なお、1つ上のツーリストSならば鍵もかかるので、貴重品の管理が心配な方はツーリストSを選ぶといいでしょう。


ところでこのスペース、最初は荷物入れかなと思ったんですが、救命胴衣が入っているスペースらしくうっかり開けなくてよかったですw


そして、自分の寝台です。
前に乗った「さんふらわあ」よりはちょっと狭い気もしますが、「さんふらわあ」では1ランク上の席を選んだのに対して、「東京九州フェリー」ではこれが最低ランクなので仕方ないのかな?


この吹き出し口からエアコンの風が出ており、蓋を開け締めすることである程度の温度調整が可能です。
これは「さんふらわあ」にもありましたし、鉄道では「サンライズ」の個室「ソロ」にもありました。


ちょっとした荷物をかけられるフックもありました。


あと、照明とコンセント&USB電源もあります。
これでロールカーテンを閉めていても内部を照らすことが出来ますし、携帯などの充電も問題ありません。
乗船時間が長くなりますし、充電は重要ですよね。

おおむね前回乗った「さんふらわあ」の「コンフォート」に近い設備ですが、テレビがないのが大きな違いでしょうか?
まあ、今はテレビ以外の娯楽もあるのでそこまで大きなデメリットではないですかね。


あと、枕元には小さな小物入れもありましたが、金庫というわけではないので貴重品を入れて席を離れるのはやめた方がいいでしょうね。


この掲示は船ならではですね。
まあ、航海中に聞くことがないのがベストですが・・・

あとはもう寝てもよかったんですが、お風呂にも入りたかったですし、ついでにもう少し船内探検をしようと思います。


コインロッカーもありました。
施錠できないツーリストAの利用者向けなんでしょうが、貴重品はここに入れるのが無難ですね。


その他に貴重品ロッカーも用意されており、財布などの小さなものならこちらも利用できます。


自販機コーナーです。
飲み物はもちろん、カップ麺も売っているので、レストランの営業時間外に小腹が減ったらここを利用するといいでしょう。


もちろん給湯器も用意されており、カップ麺を作ることができます。


外を見ながら座れる席もありました。
まあ、今は真っ暗闇なので明日の朝のお楽しみですね。


ところで、この椅子とテーブルですが・・・


やっぱり船なのでチェーンで固定されていました。


タッチパネル式の船内案内がありました。
新しい船だけあってこういう設備はやっぱりハイテクですね。


上の階に上がって吹き抜けを見下ろしてみました。
エレベーターが近未来的な雰囲気を醸し出しています。


↑ちなみに、内部からだとこんな風に見えます。


それではお風呂です!
当然ながら中は撮影できないので文章でのみレポートしますが、脱衣場があってその先に大浴場があるというホテルなんかでよく見かけるスタイルそのものです。
ただ、接岸中は外から中が見えてしまうためかカーテンが降ろされており、開けないようにと注意書きがされていました。
また、男湯を岸壁側、女湯を沖合側にもってくるという配慮もしているみたいですね。

大浴場も窓があるので、出港後であれば外の景色を見ながら入浴できますし、完全にオープンエアの露天風呂もあり、こちらは海風を浴びながらの入浴を楽しめます。
他にサウナまであって、フェリーの中では豪華な設備ですね。

シャンプー・リンス・ボディソープは備え付けられていますが、タオルはないので持参するか案内所でレンタルを申し込む必要があります。

あと、撮影を忘れたものの売店もありまして、こちらでは飲み物やお菓子類の他、神奈川や福岡のお土産物やフェリーのグッズなども売られていました。
キャッシュレスもクレジットカードに対応ですが、通信状況によっては利用できないとのことで、念のため現金の持ち合わせは多めに持った方がいいでしょう。

いよいよ出港

既に船内探検と入浴を済ませて一通り船の紹介も済んだわけですが、実はここまではまだ港に停泊していたんですw
なので、甲板に出て出港の様子を見送りたいと思います。


というわけで甲板に出てきました。
時期としては7月中旬と既に夏の暑さが到来していたのですが、夜遅い上に強烈な海風が吹いていたので涼しいどころか若干小寒いくらいでしたね。
私と同じように出港の様子を見ようということなのか、他の乗客もいくらかデッキに出ていました。

さて、それではいよいよ出港時刻である23時45分を迎えたのですが、船は動き出す気配がありません。
何らかのトラブルで出港が遅れるとかなのかなと思いつつ、特にそれを告げるようなアナウンスはありませんでした。
まあ、実は船内ではアナウンスが流れていて、甲板では聞こえていなかっただけかもしれませんけどw

結局10分くらい遅れて出港しましたが、長い航海ですし少し早く走れば取り戻せる範囲でしょうね。


いよいよ出港です!


↑動画でもどうぞ
大型船らしくゆっくりと岸を離れはじめ、少しずつ横須賀の岸が遠くなっていくのは、いい旅立ちの演出になりました。


さらば横須賀!


↑夜景がきれいだったのでもう1本動画を撮りました。


いかにも船出という感じの1枚


陸の明かりも小さくなってきたのでそろそろ船内に戻りまして、いい加減に寝ようと思います。

このあともレポートは続きますが、活動中の私は自分の寝台で夢の中へ向かいました。

洋上での2日目

そして迎えた2日目の朝ですが、すっかり夢の中だった私を現実世界へ引き戻したのは朝食が始まるというアナウンスでした。
前回の「さんふらわあ」と違って事前にチケットを買ったりはしていないので、昼頃まで寝坊して朝食は食べないという選択肢もありえましたが、せっかく目が覚めたので食べに行くことにしました。


レストランへ向かう途中で窓を覗くとそこには大海原が広がっていました。
まあ、船なんだから当然といえば当然ですが、あまりに揺れない上に起きぬけだったので船の中ということを忘れそうになっていたところ、外の景色を見て「ああ、やっぱり船だったんだな」と思い出しましたw


↑動画でも撮りました。
船というともっとのんびり進むイメージでしたが、窓からの景色でもなかなかのスピード感でした。
ちなみに、「はまゆう」「それいゆ」の速力は最大で28.3ノットとなっており、時速に換算すると52.4km/hとなっています。
約50km/hとすると一般道を走る自動車くらいなのでそんなに早いとは感じないかもしれませんが、船としてはかなり早い部類でして、カーフェリーだと普通は20ノットくらいなんだとか。
ちなみに、日本一早いカーフェリーは新日本海フェリーの「はまなす」「あかしあ」となっており、こちらは最大速力30.5ノットだそうです。
「それいゆ」「はまゆう」もこれに続くほどの速さということですね。

もちろん、ジェットフォイルや双胴船、ホバークラフトなど高速船といわれるようなもっと早い船もありますが、それらは特殊な船体構造を採用していて、船体サイズに制約が出て大量輸送が出来なかったり燃費が著しく悪くなったりして、フェリーのような大量・安価での輸送には向きません。

それではレストランへ向かうとしましょう。
ここで営業時間についてお伝えしとくと、夜食が23時30分~25時00分(深夜1時00分)、朝食が8時00分~9時00分、昼食が12時00分~13時00分、夕食が18時00分~19時00分となっていて、半端な時間に食べたいと思ってもレストランは利用できない点は注意が必要です。
なお、夜食の部が15分前にラストオーダーとなる以外は営業終了直前までオーダーが可能なので、営業終了ギリギリに入店しても大丈夫なようです。


それでは朝食です。
最近増えているタブレットを使った注文スタイルとなっており、これを使って注文するとスタッフの方が席まで食事を持ってきてくれます。
「さんふらわあ」はビュッフェ形式でしたが、「東京九州フェリー」は注文方式となっている違いがあります。


注文したのはこちら、「和風プレートセット」となっていて、旅館の朝食っぽくていいなと思って頼みました。
普通に飲食店で出てくるようなクオリティで美味しく頂きました。
フェリーによっては冷食の自販機があるのみということもあるようですが、ちゃんとした食事を船内で食べられるのはありがたいです。
この他には洋風プレート、朝カレーセット、パンやコーヒーなどのモーニングセット、おかゆセットにかけそば、かけうどんといったラインナップになっています。
種類も多いので頻繁に利用するという人も安心ですね。


あと、ドリンクバーもあるんですが、なんと別料金w
タブレットでドリンクバーのボタンを押して注文すると利用できるみたいなんですが、料理を頼めば無料だと勘違いする人もいるみたいで、わざわざ「有料です」と貼り紙までされていますね。
更にはドリンクバーで飲めるのはソフトドリンクのみで、コーヒーはさらに別料金となっているなど、飲み物に関してはちょっと割高感がありますね。
「さんふらわあ」ではそもそもビュッフェ形式だったというのはありますが、ドリンクバーも無料で付いていたのでどうしても比較してしまうのもあります。


でも、座席にコンセントとUSB電源があるのはいいですね。
このあたりは新しい船ということでしっかりしていますね。

食事が済んだら「食事が終わりました」というカードをテーブルに置いていくと下膳の合図となり、スタッフが下膳してくれます。
会計はセルフとなっていて、伝票を読み取ってセルフレジで支払います。
売店と同じくキャッシュレスはクレジットカードのみ対応ですが、やっぱり通信状況によっては使えないこともあるようなので、念のため現金は多めに持っていったほうが良いでしょう。


食後の腹ごなしは「スポーツルーム」に行きました。
簡単ですがフィットネス器具が置いてあり、無料で自由に利用できます。


自転車を漕ぐやつもありました。
甲板側の窓に面しているため外の景色を見ながら運動できます。


キッズルームもありました。
子連れで乗っても安心ですね。

これで船内の設備は一通りご紹介できたかなと思っていたら、「フォワードサロン」という船の前方の景色を見られる場所があったみたいで、そこには下船時まで気付かないで終わり、結局行きませんでした。
また乗る機会があったときの宿題ですねw

あと、これはそもそも一般人は入れないので仕方ない話ではあるんですが、トラックドライバー専用の区画というのがあり、レストランや浴室まで専用のものが用意されているみたいです。
トラックドライバーはフェリーにとっては大口顧客でしょうし、特別扱いしているみたいですね。
そちらへお邪魔するにはトラックドライバーになるしかないですねw


現在地を表示する画面もありました。
なんだかんだで一晩の間に紀伊半島の近くまで来ていたんですね。


あと、目的地である九州内の高速道路情報もありました。
フェリーなので車と一緒に乗船している人が多いでしょうし、下船後は九州内を運転するわけですからありがたい情報ですね。

さて、それでは甲板へ出て海風でも浴びようかと思ったら荒天のため閉鎖とのこと・・・
船はそんなに揺れていませんが、風でも強いんですかね。


というわけで窓辺の席に座って景色を眺めることにしました。
なんとなく貨物船を撮ってみました。


遠目に陸が見えてきましたが、紀伊半島だと思います。
恐らくは潮岬あたりだと思いますが、曇っていていまいちはっきりしません。


またしても貨物船です。
それにしても、こんなに頻繁に貨物船を見かけるってことは、日本近海もかなりの船の交通量があるってことですね。

そして、ここで一大イベントがあります。
それは「姉妹船との行き合い」です。
「東京九州フェリー」は日祝日を除く毎日1往復しており、ちょうど中間あたりの位置でお互いにすれ違うわけですね。
アナウンスでも「まもなく姉妹船「はまゆう」と行き合います」と教えていました。


↑その様子は動画でどうぞ
お互いに50km/hで走っているとするとその相対速度は100km/hということになりますから、意外とあっという間の邂逅でした。


写真でも撮りました。
「はまゆう」は今乗っている「それいゆ」と姉妹船ですし、こうして全体像を納めた写真が撮れてよかったです。
乗船時にも書きましたが、港だと船体が大きすぎて全体を納めた写真が撮れないんですよねw

あとは暇つぶしも兼ねて再びお風呂へ行ったりもしましたが、結局は自分の寝台でのんびり過ごしました。
船内では映画やプラネタリウムの上映といった娯楽も提供されているんですが、スマホとタブレットを持参していたのでそれで十分暇つぶしができました。

ところで、スマホやタブレットはいいけれど、肝心の通信環境はどうなんだという話ですが、基地局からの電波は陸に近いところを走った場合に微かに拾える程度なので、基本的にはオフラインでも遊べるゲームアプリとか、事前にダウンロード可能な動画を持っていくといった対応が必要になるでしょう。
ただし、前回乗った「さんふらわあ」と違うのはWi-Fiサービスが提供されており、接続時間や接続回数に制限がある他、どういう方式でネットにつなげているのかは知りませんが、時折Wi-Fiでも通信できない事もあったので、時々重要なメールが来ていないか確認するとか、LINEの返信をする程度の利用で考えておいた方が良いと思います。
通信速度の測定はしなかったのですが、通常のWeb閲覧程度ならばストレスなく使えていたと思います。

あと、そういった環境を考慮してか、Wi-Fiに接続すると使える無料コンテンツが用意されていて、漫画を読むことが出来るサービスが提供されていました。
漫画好きな方はこれを暇つぶしの娯楽とするのもいいかもしれません。

寝台でスマホをいじりつつゴロゴロしていると気づけば時刻は12時で、今度は昼食の時間とのアナウンスがありましたので、再びレストランへ向かうとしましょう。


お昼ごはんはこちら「三崎マグロ丼」です。
三崎港がある三浦市は出発地の横須賀市のお隣ですし、名物として提供されているわけですね。
他に海軍カレーや横浜サンマーメンといった神奈川県の名物料理や、門司港焼きカレーや博多一番どり唐揚げ定食、長崎ちゃんぽんといった福岡を始めとした九州の名物料理も揃っていました。


あと、レストランの脇にあったデッキですが、ここで例のBBQをやっているみたいですね。
流石に本格的なコンロは用意されておらず、卓上コンロを使っているみたいですが、船の上でのBBQなんてそうそう体験できるものではないですし、私も誰かと一緒に乗船していたら申し込んだかもしれません。

食後は再び景色を見たり、またお風呂に入ったりして暇つぶしです。
前回乗った「さんふらわあ」だと13時30分には到着だったのでそろそろ下船の身支度をする頃ですが、「東京九州フェリー」は21時到着ということで、まだまだ半日は船の中です。


そして、船は気づけば四国沖まで来ていました。


四国沖で貨物船とすれ違いました。


巨大なコンテナ船も


海面に日光が反射して綺麗でした。


しばらくすると甲板が開放されたみたいなので出てみました。
相変わらず50km/h近いスピードで航海中なので、海風は凄まじいですが、やっぱり甲板に出た方が景色がいいですね。


↑勢いよく煙を吐くファンネル(煙突)も船の躍動感を感じさせてくれますね。


↑甲板からの眺めを動画で


↑今度は後ろを向いて


↑ここで貨物船を追い越しました。
「東京九州フェリー」はフェリーの中でも早い部類だとは書きましたが、貨物船をバンバン追い越していました。
船同士の追い越しなんてそうそう見られるものではないですし、他の乗客たちも注目していました。


貨物船撮影シリーズも続きますw
陸地が見える機会が少なく、ほとんどの時間で一面の大海原という眺望になるので、船が通るとつい撮ってしまうんですよねw


ピンクがよく映える大きな船も通りました。

このあとは一旦船内に戻って休んだりもしたんですが、他に書くこともないので記事ではこのまま甲板からの景色をご紹介していこうと思います。


続いて見えてきたのは四国最西端の佐田岬です。
地図を見ても分かりやすい特徴的な形をしており、その全長約50kmは岬として日本一細長いんだとか。
また、佐賀関との間に国道九四フェリーが運航されており、九州と四国を往来する交通路としての役割もありますね。


↑動画でも撮りました。


↑あと夕焼けがきれいだったのでこちらも動画で撮りました。


↑夕陽とファンネルを絡めて


↑貨物船とのすれ違いシーン


さて、それでは体も冷えてきましたし、お腹も空いてきたのでこれだけ撮ったらそろそろ船内に戻りまして・・・


晩ごはんです!
実はずっと気になっていたメニューがありまして、それを注文しました。
「博多明太重と口福旬菜御膳」というメニューで、値は張りますが期間限定と聞いては頼まずにいられませんでしたw
こちらは就航2周年記念で用意された限定メニューとのことなので、記事執筆時点ではもう提供されていませんので、その点はご了承下さい。


注文して実際に運ばれてきたのがこちらです。
写真と大きく違うということはなかったですが、値段を考えるとお刺し身とかついててもよかったかなとは思います。
でも、味はよかったので、乗船記念に食べるならばアリの範囲だと思いました。
それにしても船内で3食食べたわけですが、食事代だけでも5000円弱は使ってしまいましたw
まあ、とにかく安く移動したいならばLCCとかもあるんですし、フェリーの旅はお手軽にクルーズ船気分を味わうものみたいに考えましょう。


食後はまた甲板に出て景色を眺めます。
ほぼまる1日という長い乗船時間も気付けば残り2~3時間になってきました。
これでも飛行機を使えば東京~福岡間を移動できてしまう時間ではあるんですが、ここまでの長旅を考えるともはやあと僅かといってしまっていいくらいでしょう。


素人目に見るとぶつかりそうに見えるこの2隻ですが、実際には見た目よりも離れていたらしく何の問題もなく走り去っていきました。
そりゃあプロの航海士が運航する船ですから、そうそうぶつかるなんてことはないんでしょうが、海の上だと陸と違って距離感が分かりづらいのでそう見えてしまいましたw


その向こう側にいたのはフェリーでした。
このフェリーは「名門大洋フェリー」というフェリーで新門司港と大阪南港を結びます。
実はこちらは当サイト運営メンバーのyamanomiさんと西鉄好きさんが以前に利用したことがあり、記事にもされているようなのでその記事をご紹介しておきます。


真横に捉えてもう1枚


あの島影は恐らく大分県の姫島ですね。
国東半島の沖合に浮かぶ島ですから、鉄道で例えれば杵築あたりまできたということでしょうか。
となるとついに目的地の九州の陸地が見えてきたということになり、飛行機や新幹線であっさり移動するのとは違う感慨深さがありました。


ついに見えた九州の姿を「それいゆ」の救命浮き輪と共に・・・


ここで後ろを見ると航跡がカーブしているのに気付きました。
姫島付近で航路は左に曲がっていて、船も舵を切って曲がり始めていたわけですね。


↑これも動画でも撮りました。
これだと船が曲がっていく様子がよく分かります。
思わず「とぉーりかぁーじ!」と号令を真似てみたくなりますw


あと、海藻だかゴミだか分かりませんがなんか浮いていました。
九州と四国に挟まれた豊予海峡を航行中なので、海流の関係で滞留するんですかね。


↑姫島は引き続き見えていました。


↑ここで最後の見せ場と言わんばかりに貨物船を抜き去りました。
最後まで自慢の速力を見せつけてくれましたねw

ここでまた小寒くなってきたので船内に戻ることにします。
また寝台でのんびり過ごしたのですが・・・


↑旅の終わりが近いことを告げるアナウンスは動画と共にお聞き下さい。
寝台にカメラを置いて撮影したので、実際に乗船している気分を味わって頂けると思います。


荷物をまとめてすぐに降りられる準備をしたら再び甲板に出て接岸までの様子を見守りたいと思います。


遠目に街明かりが見えてきました。
あれが北九州市の街明かりですかね。


すっかり真っ暗になりましたが、いよいよ陸が近づいてきました。
また、北九州空港も近くにあるんですが、離着陸する飛行機の様子も度々見ることが出来ました。
ただ、真っ暗なので撮影はできませんでしたがw


↑接岸までの様子は動画でどうぞ

「さんふらわあ」の時は昼間の到着でしたが、「東京九州フェリー」は出発も到着も夜なので、明るい時間帯の接岸を見られないのはちょっと残念でしたね。


接岸完了!
港湾作業員の皆さんの手際の良い作業も見ものでした。
これにて21時間の航海も終了しました。
もう忘れている読者さんがほとんどだと思いますが、出港が10分くらい遅れていたものの、新門司港には定刻通りの到着でした。

あとは荷物をまとめて下船しますが、今回は帰省の足としての利用であり、最終的な目的地は博多の方となるので、そこまでの移動もまとめてレポートしようと思います。
どうぞ最後までお付き合い下さい。

新門司港から博多へ

新門司港より九州上陸を果たした私ですが、最後に博多までの移動をレポートしていきます。
まずは新門司港から交通手段の集まる小倉駅へ向かうのですが、新門司港って小倉などの北九州市中心部から見ると山を超えた半島の向かい側に位置しており、最寄りの鉄道駅となる門司駅まで行くのにも8~9kmも離れており、路線バスが必須となります。
その路線バスもフェリーターミナルそのものへは乗り入れておらず利便性が高いとは言いかねるわけですが、では新門司港を発着するフェリーは徒歩乗船の難易度が高いのかというとそんなことはなくて・・・


なんと、専用のシャトルバスを走らせてくれています。
フェリー利用者ならば無料で利用でき、門司駅と小倉駅まで直行で行ってくれます。
なので、横須賀中央駅から徒歩を強いられる横須賀港よりよほど便利と言えるでしょう。
フェリーを降りた徒歩乗船組は続々とバスに乗り込んで、20名程度は乗っていたと思います。
徒歩乗船組も案外いるんだなと思いつつ発車を待っていました。
発車時刻は明確には決まっておらず、乗り換え完了次第発車となっていましたが、恐らくはフェリー側のスタッフと連携して乗り換え客が残っていないか確認の上で発車という体制なんでしょうか。

ちなみに、このバスは西鉄バスの観光車ですね。
福岡なので西鉄バスは想定内ですが、横須賀からの旅人を迎えに来てくれたみたいで嬉しくなります。


最後の名残にフェリーを撮ったら出発です。
しばらくは山の中を走る感じで、本格的な峠というほどではないですが、これはバスがないととても移動できないなと思いました。
まあ、仮に平坦な道だったとしても7~8kmを徒歩なんて現代人の足腰では無謀の範疇ですけどねw

バスは門司駅前に停車するもここで降りる人はおらず、全員が終点の小倉駅まで行きました。
公式サイトでは21時50分着と案内されていましたが、実際にはもう少し早い到着だったと思います。
ところで、この連絡バスですが、正式な路線バス扱いではないものの、NAVITIMEでは時刻表に掲載されているんですよね。
載せておいたほうがフェリーを含めた経路を案内するのに便利なんでしょうけど、路線バスではないバスが時刻表に載っているというのは意外でした。


小倉駅ではメーテルが迎えてくれました。
銀河鉄道999のキャラクターですが、原作者の松本零士氏は小倉で幼少期を過ごしており、そうした縁でこうして駅にキャラクターが描かれたりしているようです。


コンコースにやってきました。
ここから博多へ行くならば鹿児島本線・山陽新幹線・高速バスの3つの手段がありますが、今回は鹿児島本線をチョイスします。

ちなみに、福岡行き高速バスの最終は小倉駅前22時55分発となっており、新幹線なら23時36分の「のぞみ59号」が博多行きの最終となっているので、「東京九州フェリー」を利用して福岡市の天神や博多へ行く場合は乗り換えもそこまでカツカツではないですし、案外ゆとりを持って移動できます。

また、熊本行きでは22時43分発の「さくら573号」があり、こちらも余裕を持って乗り換えが可能なので、「東京九州フェリー」から熊本までの移動も可能ですし、こちらはバスとの乗り換えが定刻通りだと13分しかないのでちょっと不安はありますが、22時03分発の「みずほ615号」に乗り換えれば鹿児島中央までだって行けてしまいます。
大分へも23時02分発の「ソニック59号」に間に合うのでやはり行くことが出来ることになり、残る長崎についても、長崎駅への西九州新幹線へは間に合わないものの佐世保行きの「みどり67号」へは先程の「みずほ615号」に乗れば博多駅で乗り換えが可能なので、「東京九州フェリー」から乗り継いで当日中に行ける九州の都道府県は宮崎県以外は全てとなっており、遅く到着する割には以外に範囲が広いです。


ここで一旦寄り道して「とんこつラーメン」を頂きます。
船で夕飯は済ませていますが、九州に来たらやっぱり食べたくなりますw
まあ、九州上陸の記念ということでw


それでは改札へ向かいましょう。


利用するのはこちら、「かささぎ201号」です。
小倉から博多方面への特急というと「ソニック」か「きらめき」の2つが主力列車ですが、早朝と夜間の下り2本のみ小倉始発の「かささぎ」が設定されているんです。
「かささぎ」自体は通常は博多~肥前鹿島間を結ぶ特急列車であり、小倉始発という点でもネタですが、更にネタなのは行先が佐賀という点ですね。
佐賀駅は県庁所在地佐賀市を代表する駅ですが、意外にも始発・終着となる列車は少なく、特急列車については佐世保からの「みどり」(とハウステンボスからの「ハウステンボス」)や西九州新幹線接続の「リレーかもめ」、肥前鹿島からの「かささぎ」が全て経由することもあって佐賀止まりや佐賀始発は極めて少数派です。
上りでは早朝にわずかに設定がある程度で、佐賀止まりについても佐世保や長崎方面への運行が終了したあとに設定されるだけであり、この「かささぎ201号」が唯一となっています。
西九州新幹線開業前は「かもめ」として運行されていましたが、「かもめ」は新幹線の愛称となり、接続列車となった「リレーかもめ」の愛称も新幹線接続を前提にした愛称なので、新幹線に接続しない佐賀止まりの列車は「かささぎ」となったわけですね。

また「かささぎ」は佐賀県の県鳥がカササギであることにちなんで設定されました。


ホームへやってきたらまずは駅名標ですね。
小倉駅って故郷の福岡県にある割にはあまり使う機会がなく、ちゃんと改札を出入りする形で利用するのはかなり久々でした。


813系を見ると九州に帰ってきたなぁと実感します。


だいぶ活躍の幅が狭まった415系もいました。
JR九州で唯一の交直流電車ということで、交直デッドセクションを越える必要がある関門トンネル区間では今でも唯一の車種として活躍中ですが、後継車はどうなるんでしょうね?
交直流電車を新たに導入するのか、トンネル区間のシャトル輸送に特化させてバッテリー式のBEC819系みたいな蓄電池式電車にするのか、まさかの気動車で置き換えなんて可能性もありそうですが、415系の勇姿が見られる期間もそう長くは残されていないということは間違いなさそうです。


↑お目当ての「かささぎ101号」がやってきました。
JR九州を代表する車両と言っていい787系ですね。


写真でも撮ります。
787系も撮るのは久々です。


↑幕回しも見ることが出来ました!


「かささぎ」の佐賀行きの幕を見たら乗り込みます。


↑あとは車内案内表示を撮ったりしつつ博多までのんびりと乗車していきます。

停車駅は戸畑・黒崎・折尾・赤間・香椎・博多と「ソニック」に比べると多くなっており、普段は博多~小倉間に設定されている「きらめき」に準じたものと言えるでしょうか。
道中は特筆すべき点はなかったんですが、今回「かささぎ」という列車に初めて乗ったのでそのアナウンスは聴き応えがありました。
まあ、メインの区間と言える博多以南は乗らないんですがw


博多に到着!
52分の乗車でした。


↑そこへEF81形の貨物列車が入ってきました。
EF81形も今やすっかり貴重になりましたし、いいものが見られました。


↑最後に「かささぎ101号」の発車を見送って活動終了です。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。
次回ですが、帰省中のタイミングを利用して、九州内である活動をしましたのでそのレポートでお会いしましょう。

それでは!

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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