今回は2024年11月23日に開催されたJR東日本の大宮総合車両センター公開イベント「鉄道のまち大宮 鉄道ふれあいフェア」に参加してきましたのでそのレポートです。
なお、遠征レポートでまだ完結していないものがありますが、イベント記事は需要が高いと判断したため、順番を前後してお届けしています。
遠征シリーズを楽しみにお待ちの皆様はもうしばらくお待ち願います。
イベントの概要
まずは今回のレポートの主題となるイベント「鉄道のまち大宮 鉄道ふれあいフェア」の概要を解説しておきましょう。
このイベントは1991年より前身となるイベントが始まったもので、JR東日本の大宮総合車両センターと、JR貨物の大宮車両所を公開するイベントとなっています。
また、敷地内だけでなく、大宮周辺の街でも関連イベントが開催されており、街をあげてのイベントになっていることもまた特徴としてあげられます。
それからは基本的に毎年実施される恒例イベントとなっていましたが、コロナ禍をうけて2020年・2021年は中止され、2022年から再開されるも事前申込制となり、2023年からは有料制に移行しました。
私としてもこのイベントは過去に参加していますが、2014年に参加したのを最後になんと10年もご無沙汰していました。
なので有料制に移行してからは初めての参加でもあったわけですが、その申込はJR-Eモールのサイトを通して行い、専用QRコードが入場券代わりになるというものでした。
支払いにはクレジットカードの他、JR-Eポイントも充当可能で、JR-Eポイントを貯めている方は実質タダで参加することも出来ます。
その他、18歳未満(18歳の高校生を含む)と65歳以上、障害者は無料となります。
それらに該当しない人は入場のみが500円、試乗会付きが1000円となっており、無料の対象になる人でもチケットを申し込む必要はあります。
試乗会付きについては2100名限定ですが、入場のみのチケットは枚数制限がなく、当日でも購入可能だったので当日売りもある形でした。
今回私は入場のみのチケットを購入しての参加となりました。
なお、今年については例年は同時に公開しているJR貨物関連の展示やイベントはありませんでした。
恐らくは貨車の輪軸組立作業における不正が発覚したことに伴う自粛ということなんだと思います。
参加レポート
というわけで本編に入っていきます。
大宮総合車両センターは大宮駅の近くにありますが、駅からは少し歩きます。
開場直後は入場待ちの列がかなり長くなり、待ち時間があるのが通例なんですが、今回は試乗会なしプランだったこともあり、午後からの参戦となり、待ち時間はほとんどありませんでした。
目玉の試乗会は事前申込が必要ですし、それ以外で参加人数が限られるようなイベントは見送る方針なので、混雑回避の意味でも午後からの参戦は正解でした。
駅から会場への道中にはE5系のバルーンがありました。
街全体が会場といってもいいこのイベントならではの光景ですね。
大宮総合車両センターの入口付近には「デゴイチ」ことD51が保存・展示されています。
こちらは敷地外からも見えるところにあるので、イベントでなくても見学可能です。
入口が見えてきました。
今まではあったバルーンアーチがありませんが、JR貨物が公開見合わせとしたことと関係あるんでしょうか?
事前にチケットを買っていない人向けに、電子チケットを買うためのQRコードが掲示されていました。
なお、購入するためにはJR-Eモールへの会員登録も必要となるため、そこからとなるとちょっとハードルが高そうですよね。
たまたま通りがかって面白そうだから参加してみようなんてノリの人は、その時点で脱落しそうです。
当日売りについてはその場で500円払ってどうぞお入り下さいみたいな運用でも良さそうですが、それだと現場の負担が大きいんですかね。
消防車ガレージと書いてありますね。
大規模な事業所ですから、自前の消防車を持っているんでしょうか?
実演系のタイムスケジュールがありました。
試乗会については事前申込が必要で、私はそれに漏れているので参加できませんが、
それ以外のイベントについては事前申込が必要ないのでしっかりチェックしておきましょう。
特に作業の実演系は鉄道イベントならではのものですし、外せませんね。
この奥に見えるテントのところが受付のようです。
スマホに入場用QRコードを表示して提示すると、スタッフが読み取ってくれるのでそれだけで手続完了です。
午後から参戦したというのもあるでしょうが、ほとんど待ち時間もなくスムーズでした。
こちらは2022年に廃車された185系C5編成の先頭車、クハ185-110だそうです。
185系は一応まだ現役ですが、いつ引退してもおかしくないですよね。
こちらはキハ391-1という試作車で、ガスタービンを動力とするとても珍しい車両です。
結局騒音や燃費の悪さから実用化には至りませんでしたが、ガスタービン式の気動車が実用化されていたら非電化でも160km/hとかで爆走する特急があったかもしれませんね。
かつて展示されていたEF58-154の動輪が残されていました。
今は敷地外からも見えるところに移転されているようです。
発車標と記念写真が撮れるというちょっとマニアック(?)なブースでしたw
でも、好きな表示内容にしてもらえるなら結構楽しいかもしれません。
何かと思ったら焼きそばを売っていたようです。
それにしても、メンテナンス技術と焼きそばづくり技術の融合っていう謳い文句がいいですねw
これは「入換動車」というやつで、入換作業の際に車両を牽引するための小さな機関車とも言えます。
類似したものに入換機関車もありますが、機関車よりは小型の車両であり、小規模な入換のためのものになります。
また、入換機関車は本線走行も可能であり、書類上も「鉄道車両」となりますが、入換動車はあくまでも車両基地や工場などの中だけで使うもので、車籍を持たない「機械」という扱いであるなどの違いがあります。
制輪子が大きく外側に飛び出した構造は、一般的な鉄道車両ではまず見ないものですね。
そして、今回のイベントの目玉であろう山手線のカラーリングに復元された205系です。
これについては開催直前に公式SNSで展示が示唆されていたものですが、前々から帯色の変更の目撃情報もあったので、展示を予想していた方もいるかもしれませんね。
もっと近寄って撮りました。
私にとっては子供の頃の山手線と言えばこれですが、会場で多く見られた子どもたちにとって、昔の山手線=E231系でしょうし、そのためかこの場所には子供の姿はまばらでした。
ヘッドマークはJR東日本発足1周年のものでした。
つまりは1988年ごろに掲出されていたものということになりますね。
ところで、ドアの左右で窓ガラスの大きさが違っていたんですが、現役時代にもこういう状態だったことがあるんでしょうか?
続いて建物内です。
ちょうど入場していた車両を見学することができました。
まずはE257系500番台ですね。
主に房総方面で活躍する車両ですが、大宮で検査をしているんですね。
妻面だと分かりづらいですが211系です。
こちらは武蔵野線のE231系ですね。
ん?よく見ると・・・?
何やら書き込まれていました。
作業関連のメモ書きとかなんでしょうか?
「あけぼの」「北陸」「夢空間わくら」「北斗星」「北斗星トマムスキー」などブルートレインなど
「夢空間わくら」については「のと鉄道」が発足した頃に新宿~和倉温泉間にブルートレインの編成を使用した臨時列車として設定された列車だそうです。
子供向けでしょうがプラレールのレイアウトの展示もありました。
大宮駅周辺を再現しているみたいですね。
ニューシャトルも走っていました。
ところで、ニューシャトルのプラレールは製品化されていないようですが、もしかして自作?
JR東日本環境アクセスのブースもありました。
同社は駅構内やビル・ホテルの清掃を請け負うJR東日本の子会社であり、駅のゴミをテーマにした展示をしていたようです。
くじ引きもやっていました。
1回1000円とちょっとお高めですが、その分景品が豪華なんでしょうね
こちらは台車と輪軸にお絵かきをしてみようというブースでした。
車体にお絵かきというのは時々見ますが、台車や輪軸にお絵かきというのは新しいですねw
それでも子どもたちには人気のようで、皆さん楽しそうに参加していました。
体験型のブースもありましたが、これってなかなか本格的ですよね。
外ではJRバスの2階建てバスも展示されていました。
だから工場内にもJRバスの顔出しパネルがあったんですね。
高速バスに使うような車両でもインターホンが付いているんですね。
そういえば、2階建てだと運転席と乗降口が離れていますから必要なんでしょう。
メーカーのスカニアの表示
かつて日本で2階建てバスと言えば三菱ふそうのエアロキングと相場が決まっていましたが、製造終了により、今では2階建てといえば外国製となってしまいましたね。
バスの隣にはトラバーサーがありました。
これは車両を真横方向に移動させる機械でして、以前参加した時はこれに乗れる体験をやっていたと思います。
といったところで普通の展示は以上として、ここからは実演・体験系のイベントを見ていきましょう。
実演・体験系イベント
ここからは実演・体験系のイベントです。
こちらは「電車と綱引き体験」のブースです。
そのまんまですが、電車に結わえたロープを引いて電車を動かそうというイベントですね。
↑その模様は動画でどうぞ
最初はなかなか動きませんが、掛け声で力を合わせるうちにゆっくりと動き出しました。
大人数が集まったとは言え、人力で長編成の電車を動かせるというのは意外に思われるかもしれませんが、実は鉄のレールの上を鉄の車輪で走る鉄道はとても摩擦が小さく、少ないエネルギーで動かすことができることを体験できるイベントでもあるのです。
それゆえ、鉄道はエコな交通機関とされているわけですね。
続いてその隣で行われていたのが「車両持ち上げ実演」です。
この手の鉄道イベントでは定番とも言える実演ですね。
↑これも動画でどうぞ
機械の動作中を知らせる音が「乙女の祈り」だったんですが、東海道新幹線の駅のホームドア開閉時に流れる音楽と同じなので、なんだか東海道新幹線に乗った気分になりましたw
このような輪軸に台車枠を被せて台車を完成させる作業というわけですね。
↑これも動画でどうぞ
30分近くの実演となり、解説も丁寧だったこともあって、一番見応えがありましたね。
といったところで実演系は以上ですが・・・残るは試乗会がありますね!
私のチケットは入場のみだったため乗車こそ出来ませんが、せめて試乗列車が走る様子を撮影してから撤収としましょう。
↑試乗列車を待っているとEF66形の貨物列車が通過しました。
偶然にもレアな景色を撮れましたね!
↑やってきました!
ミュージックホーンとともに現れたのは255系ですね。
今回の試乗会の車両は255系だったわけですが、定期運用がなくなったばかりですし、国鉄型ほど古くはないとは言え、JR発足初期の車両ですから子どもたちにとっては昔の車両扱いされる形式でしょうね。
↑戻ってきたところをもう1本
写真でも撮ったら撤収です。
あとは帰ろうかと思っていたのですが・・・
205系のヘッドマークが変わっていました!
今度はJR東日本発足直後のものですね。
今回10年ぶりの参加となった大宮の「鉄道ふれあいフェア」でしたが、205系以外にも見どころがあって楽しかったですね。
これなら500円の参加費も妥当だと思います。
というか、相当な手間を掛けて準備しているんでしょうし、今まで無料が当たり前だったことの方がおかしいのかもしれませんねw
というわけで、記事はこのあたりで〆たいと思います。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
次回はまだ完結していない遠征シリーズの続きでお会いしましょう。
それでは!