2泊3日で実施した九州遠征の最終日となる3日目です。
なお、1日目、2日目をご覧になっていない方はそちらを先にご覧になることをおすすめします。
本日の行程
3日目となる今日は昨晩宿を取った宮崎からスタートして特急「にちりん」で一気に大分まで移動し、一旦豊後豊岡駅に立ち寄り、「ゆふいんの森」の通過を撮影したあとで日豊本線、久大本線を乗り継いで由布院へ向かい、由布院からは「ゆふいんの森」で博多まで乗車してそのまま実家の最寄り駅まで向かいゴールとなります。
実質的には宮崎から福岡への移動がてらネタをちょこちょことぶっこんだという感じで、1日目や2日目ほどガッツリ乗り鉄するという感じでもないのですが、そのネタを楽しみつつレポートをご覧頂ければと思います。
まずは一気に大分へ
宮崎駅から「にちりん」に乗車しまして一気に大分駅まで移動となります。
最終日は移動がメインということになり、特急列車を多用しますが、この最終日の特急ラッシュがあるおかげで「ぐるっと九州きっぷ」の元が取れるという計算ですw
ここ数日何度も見かけた宮崎交通ですが、当分見る機会はないだろうということで最後の名残に撮影していきます。
ところで、このラッピングは運転士を募集するためのものだったんですね。
全国的にバス運転士の不足が問題となっていますが、全面ラッピングを採用してまでPRするあたり、宮崎交通も例に漏れず人手不足に悩んでいるんでしょうね。
待っていたのは787系「にちりん」
これに揺られて大分まで行きます。
方向幕ですが、「ワンマン」の表記があることにお気づきでしょうか?
この前のダイヤ改正より「にちりん」「ひゅうが」の車掌乗務が廃止されワンマン化されたのですが、鉄道においては車掌が乗務しない列車の場合は社外にワンマンの表示をすることが義務付けられているため、特急列車と言えども方向幕にワンマン表記を付けているんですね。
それでは、ここからは3時間ほど特急に揺られるだけなのですが、「にちりん」についての解説から入って乗車時のレポートとしたいと思います
「にちりん」は大分と宮崎・宮崎空港を結ぶ特急列車であり、早朝の宮崎空港行き「にちりん3号」を除いては大分駅で「ソニック」と接続する形になっており、福岡県内への移動では基本的に乗り換えが必須です。
姉妹列車として「にちりんシーガイア」があり、こちらは博多駅まで直通しているものの1日あたり1.5往復しか走っていません。また、かつては「ドリームにちりん」という夜行列車も存在しました。
かつては博多直通が基本だった「にちりん」もこのように現在では博多や本州方面と宮崎を結ぶ役割よりは宮崎県内と大分県内を結ぶローカル特急という意味合いが強くなっていますね。
これは、宮崎県内の日豊本線は線形の悪い箇所が多くあまり高速運転が出来ない上、博多へ向かう場合一旦小倉を経由しなければならないなど遠回りになってしまうことや、博多~大分間では振り子式の883系や885系を投入して「ソニック」として系統分断されており、比較的利用の少ない大分~宮崎間は在来型の783系や787系(かつては485系も)を引き続き使うようにしているといった理由、そして、何より高速バス「フェニックス」の存在が大きいですね。
高速バスですから当然最高速度では高速道路と言えども100km/hに制限されるわけですが、九州自動車道・宮崎自動車道を経由するルートは鉄道ルートよりも距離が短く、日豊本線の線形の悪さも災いして「にちりんシーガイア」が5時間30分ほどかけて走る博多~宮崎をバスはノンストップ便では4時間半で走ってしまい、所要時間でもバスに負けてしまっているんですね。
「にちりんシーガイア」の場合振り子式ではない車両が使われるので大分以北で「ソニック」より所要時間が伸びるのもありますが、「にちりん」と「ソニック」を大分駅で乗り換える場合でもやはり5時間程度はかかるようです。
また、2011年の九州新幹線全通により、博多と鹿児島中央が最速1時間程度で結ばれるようになると、鹿児島中央駅から「きりしま」で宮崎を目指せば3時間程度で到達可能となったため、鉄道のみのルートとしても「にちりん」「にちりんシーガイア」は最速ルートではないんですね。
同年の九州新幹線全通以後、JR九州バスも参画する形で新八代駅と宮崎を結ぶ「B&Sみやざき号」という高速バスが設定されており、九州新幹線と乗り継ぐことで陸路では最速で博多と宮崎を結ぶようになったあたり、JR九州としても、宮崎と博多の輸送では「にちりん」には期待していないんでしょうね。
さて、それではいよいよ「にちりん」は宮崎を後にしますが、「にちりん」自体も485系が走っていた時代に乗りに来ており、列車として乗るのはもう4~5回目くらいにはなると思います。しかし、787系が走るようになってからは初ですし、特に自動放送で佐土原や高鍋の放送を聞くのは新鮮でした。特にワンマン運転に関する放送は初めて聞きましたね。
あと、ワンマンということですが、途中で車内改札は実施されていたのが意外でした。
確かに車内改札を実施しなければ特急券を買わずに乗車するような不正乗車が横行する恐れはありますが、ワンマン運転と言っている以上は車掌は本来存在しないはず・・・
となると、「九州横断特急」のように車掌資格のない係員をあくまで接客や案内、車内改札のためだけに乗せているが、運転業務(ドア開閉、安全確認など)には関わらない方式なのか、区間を限定して車内改札のためだけに車掌を乗車させているかですね。
もっとも、「にちりん」のワンマン化で不正乗車の横行や車内でのトラブル発生時の対応などで不安の声が出ていたのも確かなので、当面の間利用者に安心してもらうために乗せているだけで、ほとぼりが冷めたらこれも取りやめる可能性もありますがw
しばらく平野を走りますが、線路に並走する高架橋が見えます。
高速道路にしては細すぎですし、これは一体何だというと、実はリニアの実験線(の跡)です。
現在は山梨県内に設置されているリニアの実験線ですが、初代の実験線は宮崎県内に設置されていたのでした。
昨日の記事でも多少触れましたが、リニアは国鉄時代から計画がされており、リニアの技術がある程度確立して本格的な実験線での実験が求められるようになると、地方の方が地元の理解や協力が得やすいという理由もあり、宮崎に実験線が設けられるようになったようです。
平野部でアップダウンの少ない場所に設けられているので、カーブも勾配もほとんどない理想的な線形となりました。
しかし、実験が進みより実際の運行状況に近い環境が求められるようになると、逆に平坦で一直線の線形が仇となり、山梨県内に橋梁・トンネル・カーブを備え、列車同士のすれ違いの実験も出来るように複線で新たな実験線が建設されることとなったのでした。
これにより役目を失った宮崎の実験線は1996年を最後にリニア実験は終了し、「エアロトレイン」の実験に転用されることもありましたが、それも終了したあとは完全に用途を失い、一部がソーラーパネルを設置して太陽光発電所として再活用されています。
宮崎県内最後の停車駅となる延岡を出るとお次は大分県の佐伯までノンストップ(といっても単線なのですれ違いのための運転停車はありますが)で走り、なんと1時間も走りっぱなしです。
この区間は宗太郎峠を越える通称「宗太郎越」と呼ばれており、難工事の末に完成した交通の難所とも言える区間ですが、県境ということでローカルな流動が少なく普通列車が1日に1.5往復(下り1本は途中駅までの運転)しか走らない超閑散区間となっており、18きっぷや九州満喫きっぷで旅行する場合は乗り継ぎ的な意味での難所でもあります。
というか、JR九州的には普通列車は全廃して特急だけにしたいけど、そうするとこの区間だけ利用する場合は特急券無しで乗れる特例を設けないといけなくなるから仕方なく残しているという感がありありなんですよねw
ちなみに、前回のダイヤ改正まではキハ220形の単行列車がこの区間の普通列車として使われていましたが、改正以後は815系ないし787系が使われているようです。
787系の普通列車・・・乗ってみたい!
宗太郎越の核心部に近いあたりですね。
ただ、長大トンネルとかもないし、スイッチバックなどがあるわけでもないので乗っているだけではそんなに険しい峠越えという感覚がないのが正直なところです。
大分県内は津久見、臼杵、鶴崎と停車していき、いくつか川を渡ったら終点の大分に到着です。
お隣で待っていたのは博多行き「ソニック」
大分駅で系統分断となってしまった現在でも、大分駅では対面乗り換えとなっており、改札を出ずに乗り換えれば特急券を通算できる特例もあるなど、一応は乗り継ぎ利用にも考慮されているようです。
高架化された大分駅は初めて訪れるのでこんな感じでも撮ってみる。
どうせなら駅取材をしていきたい気分ですが、ここでは数分で乗り換えなければならないのでこれくらいが精一杯・・・
こうして乗り換えた「ソニック」に使われる883系ですが、座席のヘッドレストの部分がミッ◯ーマウスに見えるというネタがありますw
さて、大分駅から乗車した「ソニック」ですが、実は1駅先の別府で降りてしまいます。
これは、「ソニック」に乗りたくてこうしたというわけでもなくダイヤの都合上こうせざるを得なかったのです。
大分駅では「にちりん」到着直前に利用したかった日出行き普通列車が発車してしまいタッチの差で乗り換えができないのですが、「ソニック」に乗り換えて別府駅まで行くとちょうどタッチの差で逃した日出行き普通列車に追いつくことが出来るというわけです。
豊後豊岡駅
「ゆふいんの森」撮影のためにやって来た豊後豊岡駅ですが、もちろん駅取材もします。
まずは駅名標
支柱は少し錆びていますが、駅名標そのものは綺麗ですね。
駅構内です。大分方はカーブがありまして、ここでいい感じで撮れるのではないかと狙ってきたわけです。
また、大分駅近辺の駅では訪れていなかった数少ない駅の1つでしたしね。
反対の小倉方は一直線で、2面2線の相対式ホームということでシンプルな構造ですが、桜がいいアクセントになっていると思います。
ここが改札となるんですが、単なる通路という感じですね。
当駅は一旦無人化されていますが、現在は日出町に委託する形で簡易委託駅として一部時間帯のみ係員がいるようになっています。
自動改札機こそありませんが、SUGOCAエリア内なので簡易型の改札機はありました。
窓口の脇にあった液晶モニターですが、何を映しているのかと思えば、これってJR九州が提供する列車位置情報サービス「どれどれ」の画面ですよね。
確かに専用の機材を導入するより一般利用者向けに提供されているサービスをそのまま駅でも利用してしまえばコストダウンに繋がりそうです。
時刻表ですが、大分の近郊区間になるはずの当駅ですら日中は1時間に1本しか走らない時間帯があるんですね。
一方の「ソニック」は基本的に1時間に2本なので、日中に関しては普通列車より特急列車のほうが多いということに・・・
駅舎内です。
床のコンクリートがだいぶくたびれていますね・・・
券売機も設置していますが、簡易タイプのようです。
現在は平日の7時~13時のみ係員が配置されてきっぷの発売を行うようですが、あくまでも簡易委託ということで指定席券などMARSでの取り扱いが必要なきっぷは発売しないようですが、それでも、2枚きっぷ・4枚きっぷや自由席特急券などは買えるようですから住民の方からしたら完全な無人駅よりは利便性が確保されていますよね。
そういえば、作業着っぽい服装のおじさんがホームを掃除しておられたので最初は町かJRから委託された清掃業者のスタッフだと思っていたのですが、掃除が終わると駅の窓口へ入っていったので当駅の運営を委託されている日出町の職員の方だったんでしょうか。
コミュニティバスのバス停が設置されていました。
駅前広場はあまり広くはありませんでしたから、ポンチョとかハイエースコミューターのような小型のバスが来るんでしょうね。
ただ、本数は列車以上に少ないようです。
この他に大分市と杵築市や国東市を結ぶ路線もあるようですが、こことは違う経路で運行されているようです。
駅前のスーパーでお昼ご飯のパンと飲みものを調達したら駅に戻ります。
ちなみに、ここでの撮影をやめておけば大分駅でじっくりとお昼ご飯を頂けましたが、流石に「ゆふいんの森」をここで撮れるのは今だけですし、飯より鉄を選びましたw
さてさて、それでは構内に戻ってしばらく撮影がてら、構内の取材もこなしてしまいましょう。
↑動画も撮ります。
↑こちらも動画もどうぞ
なお、防災無線が被っていますがご了承下さい。
↑そして、いよいよ「ゆふいんの森」です。
キャプチャ1
桜の木と絡めようとしましたが列車と被って桜の木はほとんど隠れてしまいましたw
後追いのキャプチャも貼ったら「ゆふいんの森」の撮影というミッションは完遂です。
そうそう、ここでなんでわざわざ遠征中の貴重な時間を使ってまで、廃止が決まったわけでもなく結構前から走っている「ゆふいんの森」をわざわざ撮りに来たのかという話をしておきましょう。
実は、「ゆふいんの森」自体は特段レアというわけではないのですが、この豊後豊岡駅で撮影できることがレアなんです。
といいますのは、昨年7月の豪雨災害で橋梁流出という被害を受けた久大本線は日田~光岡で運転を見合わせており、この区間は「ゆふいんの森」の運行経路でもあったため所定の経路では「ゆふいんの森」は運転できなくなりました。
キハ185系を使う「ゆふ」は日田~別府間のみの区間運転として暫定的な運転が行われているものの、「ゆふいんの森」については、由布院から大分・小倉を経由して日豊本線、鹿児島本線を通るルートで博多まで運転するという形態をとっており、通常の運転では日豊本線の別府以北、及び鹿児島本線の博多以北を走行することはないという意味でレアなんですね。
今日の帰路ではこの迂回運転を行う「ゆふいんの森」に乗車するわけですが、せっかくなので普段通らない区間内の駅でも撮影しておこうというわけでした。
それでは、残りの取材を完成させて旅を進めていきましょう。
架線からの感電への注意を呼びかける看板
JR九州内の電化区間は関門トンネル区間と筑肥線を除いては交流電化となっており、20000Vの電気が流れていますから、強い電気というのは誇張でも何でもありません。
ただ、本当に感電したらイラストのようなレベルじゃ済まないと思いますが・・・
確かにホームのすぐ脇に国道が通っていて柵もそんなに高くはないので、その気になれば改札を通らずにそのまま国道へ脱出することも可能ではありそうです(当然ですがやってはいけませんよ)
ただ、これだけ隣接していて正規の出入口が設置されていないのはどうなんでしょうか。国道の方へ出たい人は跨線橋で向かい側へ渡ってまた踏切で線路を渡ることになりますし・・・
駅舎に面していないためかホーム上に待合室が用意されていました。
跨線橋があるので列車の時間ギリギリまで駅舎内にいるのはリスキーですし、雨の日などこういう設備はありがたいですよね。
そんなに古いものには見えなかったのですが、昭和26年ということは67年も前のものということなんですね。
内部はこんな感じ
外はきれいに塗装されていて経年を感じさせませんでしたが、内部は古さを感じますね。
掃除するときに掃除機の電源として使うのかコンセントもありましたが、配線が見える形で設置されているのも時代を感じますね。
あいさつ運動のポスターや時刻表などが貼られている一角ですが、これって木が腐って張り替えた跡ですよね。
まあ、ちゃんとメンテンナンスされている証拠とも言えますし、古いものを大切にしているということでw
大分駅からは2分連絡で久大本線に乗り換えて「ゆふいんの森」の始発となる由布院へ向かいます。(※撮影は由布院駅)
「ゆふいんの森」へは当駅から乗車することも可能ではありましたが、せっかくならば全区間乗車したいですしね。
ちなみに、ホームが別々だった上、階段が混雑していてギリギリになってしまいましたが何とか乗り換えできました。
この列車に乗り遅れていたら「ゆふいんの森」の全区間乗車は断念せざるを得なくなっていただけにほっと一安心です。
久大線ですが、意外に混み合っていて車窓も撮れませんでしたし、どのみち後で「ゆふいんの森」で通ることになるので道中は端折って由布院駅のレポートへと飛びたいと思います。
由布院駅
おんせん県大分の中でも指折りの知名度を誇る温泉地、由布院ですが、ここも再訪ながらレポートさせて頂きます。
まずはお約束の駅名標ですが、ガラス(?)に収められているパターンは初めてみました。
イラストの部分は立体的な造形となっており、名物の馬車に由布岳、そして、「ななつ星」・・・あれ?w
確かに「ななつ星」も由布院駅に立ち寄るコースはあるようですが、やっぱり由布院へ向かう列車といえば「ゆふいんの森」では?
ていうか、機関車と客車で2両分のスペース使うなら、どちらかを「ゆふいんの森」にしてくれればよかったのにw
ホームです。
2面3線の島式と単式の複合の構造で、現在いるのは2・3番線です。
乗り場案内はちょっと寂れた感じですが、観光地としての由布院の知名度や集客数を考えれば、錆びたまま放置しているとも考えにくいので、演出であえてこうしているんでしょうね。
そして、側線にはDE10形がいました。
久大本線を通る機関車牽引列車といえば・・・「ななつ星」か!
JR九州公式アプリで「どれどれ」を開いてみると、ちょうど「ななつ星」が当駅に向かって走ってきているようでした。
これは撮らねば!
これから乗る「ゆふいんの森」は発車時間まで30分以上ありますが、既にホームでスタンバイしていました。
縦型の駅名標がありましたが、これまた落ち着いたデザインになっていました。
この大きな通路が改札口となっており、駅員さんが立って改札を行っていますが、ラッチがないこともあり、全然改札に見えないですよねw
あまりにオシャレなデザインだったため最初何なのか分からなかったものの、時刻表でしたw
前述の通り久大本線の日田~光岡間が運休中のため博多へ向かう場合は一旦大分へ出て「ソニック」を利用するようにという案内でした。
言わずもがなで高速バスの方が所要時間面では有利ですが、高速バスをご利用くださいとは言わないのは、鉄道屋としてのプライドでしょうかw
駅前に出るといきなり由布岳が出迎えてくれます。
この1枚だけで、由布院に行ったことのある方なら由布院だと分かるのではないでしょうか。
駅舎の方を振り返りますが、駅舎がよく町並みに溶け込んでいますね。
そして、駅前にはバスターミナルがあります。
高速バスの福岡行き「ゆふいん号」と大分空港へのリムジンバスが主力となっており、この他定期観光バスや別府、くじゅう高原への路線バスなどが発着します。
ちょうど福岡行きの「ゆふいん号」が停まっていましたが、そろそろ発車のようですので見送ってから行きましょう。
↑こんなところから高速バスが出てくるとは、なかなか凄まじい光景ですねw
キャプチャですが、「え、曲がれるの?」って思ってしまいますw
バスのインパクトにやられて忘れるところでしたが、駅舎もご紹介しておかねば・・・
1990年に竣工した駅舎で、大分出身の磯崎新氏が設計したそうです。
なんか細切れにされていましたが、柵に「ゆふいんの森」のイラストが付いていました。
構内に戻りまして再び駅名標です。
これまた普通のタイプです。
その奥にあるのは足湯です。ここの足湯は通常の入場券とは別に足湯券というチケットを買わないと利用できませんが、160円とリーズナブルなので時間がある人は是非入っていきましょう。
あと、面白いのが、足湯なのに柵で囲われた女湯があることですね。
足湯は開放された男女共用のもの(写真では奥の方)と、柵に囲われた女性専用(写真では手前側)に分かれていて、男性専用はないのですが、いくら足だけでも、男性の視線が気になるという声も多かったんでしょうか。
「ななつ星」の停止位置目標を撮ったら、そろそろお出ましのようなのでスタンバイしましょう。
↑「ななつ星」入線シーン
キャプチャですが、非電化区間ゆえに架線柱などもなくスッキリしていていいですね。
前にも博多駅で撮ったことがあるものの、せっかくなので細かい部分も撮影
ふと車番が気になったので撮影しました。
気動車なので”キ”は当然として、通常は電車でしか見かけない”サハ”が付いているのが珍しいんですね。
ここで簡単に車両型式の記号について説明しておきますと、”キ”は気動車という意味で、”サ”は動力がなく運転台もないという意味、”ハ”はイロハの3番目ということで3等車(現代の基準では普通車)という意味になります。
電車ではすべての車両にモーターを積むことのほうが珍しく、編成中にはモーターを搭載しない車両が混じっているので、これらは運転台がなければ”サハ”、運転台があれば”クハ”となり、モーターがついていれば”モハ”、モーターに加えて運転台もあれば”クモハ”という具合になるわけですが、気動車ではモーターに比べてパワーの劣るエンジンではすべての車両に搭載しないと必要なパワーを賄うのが難しいという事情もあり、”キサハ”、すなわちエンジンを搭載しない気動車の車両はレアということになります。
他の例ではJR北海道が「スーパーとかち」などに使用するために2階建て車両を導入した際にエンジンを搭載しない”キサロハ”を製造したのが1990年でそれ以来”キサハ”に該当する車両が製造されることはありませんでしたが、2015年に「ゆふいんの森」が4両から5両に増備される際にこの「キサハ72」が登場し、15年ぶりの”キサハ”となりました。
まあ、音鉄的にはエンジン音が聞けないハズレ車両なんですがねw
もちろん私は”キサハ”でない車両の指定席をとっていますから早速乗り込んでしまいましょう。
「ゆふいんの森」 由布院→博多
この九州遠征の締めくくりとなる列車は「ゆふいんの森」であり、今回の行程で乗る列車の中では最も設備が豪華な車両だったはずなんですが、「ななつ星」に遭遇したことで何だか霞んでしまいましたw
とはいえ、久々のJR九州のD&S列車ですし、楽しみつつ博多を目指しましょう。
今回の臨時迂回運行では、停車駅が大幅に絞られており、由布院を出ると次は大分までノンストップとなります。まあ、これは平時の運行でも同じなのでまだ驚くところではないとして、すごいのは日豊本線に入ってからであり、別府に停まったあとはなんと小倉までノンストップです。
「ソニック」の中でも最速達型の列車でさえ、中津、行橋には停車しますが、これら2駅も通過してしまうのだからすごいですね。
とはいっても、車両性能的には883系や885系に勝てるはずはなく、途中駅で「ソニック」を待避するダイヤになっているようで、所要時間面では「ゆふいんの森」の優位性はないようですけどねw
更に小倉でスイッチバックして鹿児島本線に入ってからも爆走しており、「ソニック」の最速達型でさえ停車する黒崎・折尾も通過して博多までノンストップです。かつて寝台特急「はやぶさ」が走っていた頃は同様に博多~小倉をノンストップで走っていましたが、現在在来線の旅客列車で博多~小倉ノンストップを体験できるのは「ゆふいんの森」だけであり、久大線運転再開までの期間限定であることを考えればこの区間だけでも乗る価値あると思います。
由布院を発車した「ゆふいんの森」は大分へ向けて山を一気に下っていきます。
由布院ICから別府ICにかけての大分自動車道も凄まじい下り勾配でジェットコースターにでも乗っているような気分になりますが、それだけ由布院が山の上にあるということでもありますね。
なお、この時点での車内はほぼ満席状態であり、迂回運行とはいえ、「ゆふいんの森」という列車そのもののブランド力なのか、登場から既に30年近く経過する今でも人気を誇っているようでした。
坂を下り切ると大分市街の景色となり、大分駅に到着です。
ここで半分近くが降りていってしまいましたw
所要時間では「ソニック」に乗り換えた方が早いからなんでしょうが、本当にレアなのはここから先の区間なんですけどねw
と、ここで事件が発生!
ふとICレコーダーを見ると何故か録音が停止しているではありませんか!?
電池は由布院駅で交換したばかりですし、ホールド設定を使っているので誤って録音停止ボタンを押した可能性もない・・・あれこれ調べていると至極当然にして単純な原因が判明しました。それは・・・メモリー不足w
私のICレコーダーはMicroSDと本体内蔵のメモリの両方が利用できるのですが、普段はPCへのデータの移行が楽なMicroSDを使っており、長期遠征などでメモリーが足りない場合に限って内蔵メモリを使うようにしていました。
いつもなら適当なタイミングで内蔵メモリに切り替えておくのですが、今回は2泊3日という今までの遠征からすれば特別長いというわけでもない日程に加えて、2日とも19時頃には行動終了となるなど、録音時間は短めのつもりで端からメモリ残量のことを気にしていなかったのですがそれが仇となりました。
幸いにして、別府駅発車直後に気づいたため、大分駅発車から別府駅発車直後までの間だけ録音失敗したこととなり、別府駅発車後の放送は無事収録できたのが不幸中の幸いですが、確認は大事ですね。
一悶着ありましたが、車内販売で「大豆アイス」を購入してクールダウン
中身はこんな感じですが、色的に普通のバニラアイスにしか見えませんねw
別府を過ぎて亀川あたりまでは別府湾に沿って走っていましたが、以後は国東半島の付け根を横断するようなルートになるため山あいの景色へと変化していきます。
せっかく展望席を押さえたのでここからは展望風景(ただし最後尾であるw)を撮りつつ過ごします。
小倉はまだまだ先ですが、杵築という駅で運転停車がありました。
ここで後続の「ソニック」に追い抜かれるようです。大分駅で降りていった人たちはこの「ソニック」で博多ないし小倉を目指すんでしょうかね。
↑「ソニック」通過の車内より
再び走り始めた「ゆふいんの森」は日豊本線を爆走し、中津、行橋も通過して一気に小倉まで走ります。
キハ72系は性能上は120km/h出せるようですが、運転台の速度計を見る限り90km/h程度での巡行となっていました。元々臨時列車のスジとして引かれているので、あまり飛ばしても先行の普通列車に追いついてしまうということであまり飛ばさないダイヤにしているのかもしれませんが、キハ72系の全開走行を期待していた私はちょっと残念w
いつの間にか船を漕いでいた私は目を覚ますと既に福岡県内へ入っていました。
そして、西小倉を通過して小倉駅に到着するわけですが、この区間は鹿児島本線と日豊本線が別々の線路を用意されていて、複々線区間となっているため、鹿児島本線と並走シーンが見られました。
↑これは動画でどうぞ
首都圏では電車同士の並走なんて珍しくもなんともないですが、九州ではなかなか見られない光景ですよね。
小倉で進行方向が変わり一路博多へ向けて発車しますが、ここで降りる人も多い一方で乗る人は少なく結構閑散としてきました。
博多~小倉は高速バスも頻発するくらい需要の多い区間ですが、割引きっぷの2枚きっぷ・4枚きっぷも距離が短い同区間では自由席タイプで発売されており、指定席を利用すると別料金がかかるせいもあってか、全車指定席の「ゆふいんの森」は敬遠されているんですかね。
私だったら、ちょうど小倉~博多を移動する時間帯に「ゆふいんの森」が走っていたら指定席券を買ってでも乗りますけどw
あと、ノンストップで走るくせに特急の中では一番停車駅が多い「きらめき」より所要時間が長くかかるのも実用的な移動手段として考えると不利ですし、やっぱり「ゆふいんの森」は選ばれないんでしょうね。
まあ、それだけゆったり乗車できるわけで、私としては歓迎ですがw
参考までに、「ゆふいんの森」だと56分、「きらめき」が51分、「ソニック」のうち速達型だと42分で、快速列車だと1時間6分ですから、流石に快速よりは早いですが、特急の中では最も遅い列車になってしまっていますね・・・w
先程も通過した西小倉駅を再び通過して今度は鹿児島本線を走ります。
なお、西小倉~小倉間については西小倉駅を通過する列車(現在は特急のみ)に乗車して小倉駅で途中下車せずに折り返し乗車する場合は、西小倉~小倉間の運賃・料金は計算から除外できるという特例があります。
もちろん臨時列車である「ゆふいんの森」にも適用されます。
日豊本線とは既に分かれましたが、貨物線が並走するためしばらく複々線区間が続きます。
昨年いっぱい(厳密には今年の1月1日未明)に惜しまれつつ閉園したスペースワールドです。
特徴的なスペースシャトルも遠からず解体されてしまうんでしょうし、「ゆふいんの森」から見る「スペースワールド」はかなりレアな光景ですよね。
そして、「ゆふいんの森」は普段の旅客列車では通過する列車のない黒崎駅を通過します。
↑黒崎~折尾間は動画撮影としました。
↑千早駅から博多駅到着までも動画撮影しました。
終点博多に到着です。
2泊3日に及ぶ行程もついに終わりです。
停止位置目標ですが「ゆふ森」と略されていたのが印象的でした。
確かにファンの間では「ゆふ森」と略すことは多いですが、こういう場所でも使われているのが意外でしたね。
↑博多からの回送は通常運転でも見られるんですが、何だか最後の名残という気分で思わず動画撮影して見送りました。
あとは、九州懐かしさで少しだけ撮り鉄していきます。
885系「ソニック」
私が九州にいた頃にはなかった新しい「ハウステンボス」の塗装の783系
それでは実家の最寄り駅まで向かうべく電車を乗り換えて帰路に就きます。
これにて3分割でお届けした遠征レポートは完結となりますが、九州滞在中にも単発活動をしていますのでお次はそのレポートでお会いしましょう。