長野遠征の2日目です。
なお、1日目をご覧になっていない方はそちらから先にご覧になることをおすすめします。
本日の行程
2日目となる今日は、昨晩宿泊した長野からスタートし、長野バスターミナルからアルピコ交通が運行する74系統鬼無里線で旅の駅鬼無里まで1往復し、続いて長野駅から同じくアルピコ交通が運行する27系統高府線で初切まで行ったら、特急バスで長野へ引き返して小休止となります。
ここまでが乗りバス編であり、後半パートは乗り鉄となりまして、まずはしなの鉄道の快速「しなのサンセット」で上田まで1往復し、最後は特急「信州」で塩尻へ向かったら宿泊してゴールとなります。
鬼無里線と高府線は2026年3月での廃止が予定されている路線であり、さよなら乗車というわけですね。
「しなのサンセット」と「信州」については空き時間を有効活用しての活動というわけですね。
アルピコ交通74系統鬼無里線
それでは早速本編スタートです。
ホテルを出て長野バスターミナルに向かうところから活動が始まります。
長野バスターミナルについては数か月前に訪れたばかりでしたから、道順もわかっていてスムーズに移動できました。

その道中にて鬼無里についての伝説が紹介されていました。
鬼無里という土地はいろんな伝説がある場所で、その特徴的な地名もまた、鬼伝説に由来するとされています。

ターミナルの裏手です。
かつてはここが乗り場でしたが、今はバスの待機所としてのみ使われているようです。

時刻表です。
2025年10月をもって土休日の運行はなくなっており、平日のみの運行となっていますが、朝から夕方まで運行があるため、ギリギリ日常使いできるダイヤと言えるでしょうか。
前述の通り、2026年3月での廃止が決まっていますが、廃止後は長野市営バスとして運行されるようになる見込みです。

バス停はこちら
国道上にあるバス停となっており、バスターミナルとは名ばかりな状態ですが、前回ここから県道戸隠線に乗車したときの経験を踏まえても、ターミナルから乗車する人はほとんどおらず、大半が長野駅からの乗車となっているようで、ターミナルの存在意義はバスの運行拠点としての意味合いのみとなっているようです。
そして、バスがやってきましたが、乗車前の撮影はしそこねましてそのまま乗車しました。
また、マニア席がないタイプのバスだったため、前面展望も諦めることに・・・
↑せめて側面の車窓をどうぞ
※2026年1月2日公開予定なので、それ以前にご覧の方は公開までしばらくお待ち下さい。
ここで鬼無里線について解説を入れておきましょう。
鬼無里線は長野市中心部と鬼無里地区(旧鬼無里村)を結ぶ路線バスで、2025年11月時点では平日のみ1日6往復が運行されています。
長野側の起点は長野バスターミナルで、鬼無里側は旅の駅鬼無里を終点としています。
長野市街地の区間便的な路線である79系統西裾花台団地線もあります。
ちなみに、西裾花台団地線もかつては県道401号を進んで滝屋というところまで運行されており、当時は「川後線」という名前だったそうです。
そちらは乗れずに終わってしまいましたが、せめて鬼無里線は最後に乗ることが出来て良かったです。
運行経路の大半が国道406号となっており、国道406号は高崎市と大町市を結ぶ路線です。
長野県内では長野市と白馬村・大町市を結ぶ路線でもありますが、峠越え区間の整備水準が低く、長野市内から白馬村方面へは県道31号長野大町線を利用するのが主流であるらしく、実際に長野と白馬を結ぶ特急バスもこちらを経由しています。
なので、鬼無里と白馬を結ぶ公共交通機関は存在せず、この区間の移動は大きく迂回を強いられることになります。
そういうわけで、鬼無里線は長野市中心部と鬼無里地区を結ぶローカル路線という色が濃いわけですが、奥裾花自然園といった観光スポットもあるため、観光路線としての顔もあり、観光シーズンになると長野市中心部から直通の急行バスが設定されたりもするようです。
観光向けの急行バスについては廃止とは明言されていないため、鬼無里線廃止後も運行される可能性が高そうですから、鬼無里線の経路と大部分が重複するということで、鬼無里線廃止後も同区間を路線バスで通過すること自体は可能ということになりそうですね。
余談ですが、かつて鬼無里線に並行するルートで鉄道が走っていたことがあり、その名を「善光寺白馬電鉄」といいます。
社名の通り、元々は白馬まで結ぶことを目指していましたが、裾花口駅まで開業したところで戦争の影響もあってそれ以後の延伸は叶いませんでした。
裾花口駅は現在の小鍋バス停のあたりにあったようで、鬼無里地区にすら到達できなかったようですが、白馬まで繋がっていたら観光鉄道として一定の需要があったかもしれませんね。
特に北陸新幹線開業後だったら松本経由よりも早く首都圏から到達できるルートになっていた可能性もありますしね。
ちなみに、「善光寺白馬電鉄」自体は実際に運行されたのはわずか8年間であり、まさしく幻の鉄道といえる存在ですが、会社自体は現在でも存続しています。
元々鉄道会社だった会社が鉄道事業廃止後も社名を変えずに存続するケースは、下津井電鉄や旭川電気軌道などの例があるものの、他の例は全てバス会社としての存続であり、善光寺白馬電鉄については現在の事業内容がトラック事業であるという点が珍しいですね。
また、現在本社がある場所は、かつての南長野駅があった場所だそうです。
現役の事業所ということで部外者が見学するのは難しいでしょうし、見学できたとしても鉄道時代の面影があるとは思えないですが、意外なところに鉄道の痕跡があるものですね。

キャプチャでも紹介していきます。
長野駅では予想通りまとまった乗車がありました。
時間的には通勤・通学の時間帯ということで、学生さんの姿も多くありました。

しばらくは旧北国街道を進みます。
この道は善光寺の参道でもあり、灯籠のようなオブジェが置かれていて雰囲気を出していますね。

大門町を左折で国道406号に入っていきます。
早速お寺が見えてきますが、これは善光寺ではなくて西方寺という別のお寺のようです。

このあたりは狭い箇所もあるのですが、大型ダンプとすれ違うシーンもありました。
前回、県道戸隠線に乗ったときも思いましたが、狭い割に大型車が多い道路環境であり、運転は大変そうですね。

頼朝山トンネルの手前で左折していきます。
ここから旧道に入りますが、県道76号にも指定されているようです。
ちなみに、以前に乗車した県道戸隠線は旧道区間内で右折してそのまま戸隠方面へ向かっていました。
なので、ここまでの区間は実質2回目の乗車とも言えますね。

裾花川を渡ります。
川辺の紅葉も色づいていて綺麗ですね。
この先で国道406号の現道に合流しますが、ここで西裾花台団地へは分岐していきます。
かつての川後線もここで分岐していたことになりますね。

どんどん山に分け入っていきます。
仮に善光寺白馬電鉄が鬼無里や白馬まで開業していたとしたら相当な山岳路線になっていたことは想像に難くないですね。
といっても戦前のことですからスイッチバックやループ線を多用する低規格な路線となっていた可能性もあり、観光鉄道として人気になるとかでもなければ道路の整備が進んでくると存続が厳しかったかもしれません。

裾花大橋で裾花川を渡ります。
奥に見えるのは裾花ダムでして、ダムがあるため川幅が広くなっています。
余談ですが、善光寺白馬電鉄が戦時下で運行休止している間にこのダムが完成して延伸予定ルートが水没したことも廃止の理由の1つだったようです。
既に開業していたならば水没補償としてダム側の予算で線路付け替えなどの費用を負担してもらえたでしょうが、予定地というだけでは補償を受けることは出来なかったんでしょうね。

枝道への分岐部ですが、トンネルを出てすぐに合流という線形が印象的でした。

土合バス停からは旧道へ入っていきます。
これも旧道上の集落の需要を拾うためなんでしょうが、旧道上にあるバス停は渡土バス停の1箇所のみです。
そのためにかなり狭い区間を通行することを余儀なくされているわけですが、並行する国道は付近をトンネルで通過しており、代替のバス停を国道上に設けることが出来ないために旧道経由としているのでしょうね。

旧道は国道がトンネルで貫く山を律儀に昇り降りするため、高所からの眺めが楽しめました。

そして、現道へ復帰するとそろそろ鬼無里地区に入っていきます。
かつては鬼無里村と呼ばれた場所ですが、今では長野市の一部であり、村役場の代わりに長野市鬼無里支所が設置されているようです。
鬼無里地区までの利用者も数名いましたが、終点まで乗り通したのは私だけでした。

終点の旅の駅鬼無里に到着です。
鬼無里線としてはここが終点ですが、奥裾花自然園方面への奥裾花線は更に奥まで運行されます。
まあ、この日は乗りませんでしたけどねw
あと、ギリギリ幕がまだ出ていましたが、綺麗に映らないというw
撮り直そうと思った時には回送幕に変わってしまったので、鬼無里の行き先を撮れなかったのは残念・・・

バス停は国道沿いにあるささやかなロータリーに設置されており、目の前にあるのは鬼無里ふるさと資料館という郷土資料館的な施設のようです。
バス停周辺では唯一暇をつぶせそうなスポットでしたが、この日は休業日のようで見学はできませんでした。

バス停です。
アルピコ交通だけでなく長野市営バスのバス停も併設されていますが、鬼無里地区の市営バスはデマンド交通として運行されているようで、利用には予約が必要なようです。
住民でなくても利用はできるようですが、利用登録が必要であるなど、観光客や旅行者が使うにはハードルが高いですね。
さすがに鬼無里線の代替となる市営バスは定時便扱いでの運行になると思いますが、せっかく観光資源があるんだから観光客でも使いやすい形態になってほしいと思います。

時刻表です。
早朝や夜間を除けば長野バスターミナルから来たバスがそのまま引き返すだけのダイヤであり、運行時間帯や間隔は長野バスターミナル発と似たりよったりですね。

土休日運休のお知らせもありました。
廃止についても触れられていますね。
それにしても、最近は廃止を発表すると同時に、その前段階として減便するというのはあるあるになってきていますね。
バス運転士不足が深刻なので、本来ならば一刻も早く廃止したいが、代替交通手段についての協議がまとまるまでは最低限の本数だけは残そうという感じなんですかね。

こちらが資料館の入口です。
このように閉館の貼り紙がされていますから、ここを見学して時間を潰すことは出来ませんでした。
実は1時間くらい折り返し待ちがあるんですよね・・・w

こちらがバス停です。
ロータリーとしては最小限のスペースとなっており、バス1台が停まるのがやっとという感じです。

付近には茅葺き屋根の待合所がありました。
バス停にもベンチはありますが、ここの方がゆったりと過ごせそうです。

あと、出川哲朗さんが食べた焼きカレーがあるそうです。
でも、まだ昼食には早いのでまたの機会ということで・・・

周囲は村の中心部ということで建物は結構ありますが、全体的にのどかな雰囲気ですね。

そうそう、バス停名にもなっている旅の駅鬼無里というのはこちらです。

駐車場があってレストランや直売所があるという、言ってみれば道の駅のようなものですが、道の駅を名乗るためには駐車場とトイレが24時間開放されるなどの条件を満たしつつ、国土交通省の許可を得る必要があるため、国土交通省によって登録されていないものは、いかに充実した施設を持っていようと道の駅を名乗ることは出来ないのです。
ここについてはレストランの他、農産物の直売所もあって、まさに道の駅そのものな構成ですが、道の駅ではありません。

記念撮影用なのかこんなパネルがありました。
鬼女紅葉伝説をモチーフにしているようですが、この伝説では「紅葉」という鬼女がいて平維茂によって討伐され、鬼がいなくなったことから、鬼の無い里、すなわち鬼無里(きなさ)という地名に繋がったとされています。
紅葉伝説自体は鬼無里だけでなく、戸隠や別所温泉、木島平、それに長野市にも残っているそうです。

周辺の観光地への案内ですが、ふるさと資料館以外は車が前提なあたり、バスでの観光は難しそうですね。
というわけで、することがなくなってしまい、結局はベンチで座って時間を潰しました。
田舎とはいえ集落内ということで携帯の電波はしっかり入っていたので暇つぶしには困らなかったですけどね。

そして、バスがやってきました。
発車時刻より少し前に来てくれたのでゆっくりすることが出来ました。
しかし、予想はしていたものの往路と同じバスなので、今度も前面展望は無理そうですね・・・
↑車内がガラガラだったので案内表示を撮りました。
それでは発車を待ちます。
私以外に高齢者が1名乗っており、今度は私の貸し切りではないようです。
↑今度も側面の車窓をどうぞ

キャプチャでも紹介していきます。
やっぱり裾花川が目玉になりますかね。
鬼無里地区では随分と小さな川になっていますが、これがダムなど無い原初の姿なのでしょう。

旧道区間の雰囲気がわかる場面がありました。
旧道ということで交通量が少ないのが幸いですが、これで交通量が多かったら誘導を付けないと運行が難しいレベルかも知れません。

橋の先で工事があっているようで、狭くなっているため手前で譲り合っていました。

県道76号から国道406号に入る場面です。
こうしてみると高架橋で地形を無視した現代的な道路なんですね。

その後は長野の市街地に入っていきました。
市街地に入る前から乗車は意外と多く、善光寺のあたりでは立ち客も出るくらいでした。
時間帯的にちょうど町へ買い出しなどで出かける人が多い時間帯なんでしょうが、市営バスに転換するにしても、マイクロバスやポンチョでは輸送力不足になりそうな利用状況が伺えました。
ありえそうなのは、市営バス扱いにしつつも運行は引き続きアルピコ交通が行い、車両もアルピコ交通のものを引き続き使用するとかでしょうか。

旧北国街道に入ります。
善光寺参道でもありますから観光客の姿も見られました。

長野駅に到着です。
ここで私以外の全員が降りるという予想通りの流れでした。

そして、終点の長野バスターミナルです。
降車バス停は乗車地点よりも長野駅に近く、このあと長野駅へ戻る私にとっては好都合でした。
もっとも、それだったら大人しく長野駅のバス停で降りろよっていう話なんですがw
バスは降車後すぐに発車していったためやっぱり撮影はできず・・・w
長野駅で全員が降りてしまい、ターミナルまで行ったのはやっぱり私だけだったんですよねw
というわけで鬼無里線は以上となります。

駅へ戻ったらお昼ご飯です。
伊那ソースカツ丼のお店ですが、これはただのソースカツ丼ではありません。
左側はヒレカツですが、右側はシカカツなのです。
山の多い長野県ではシカ肉の消費を奨励しているようで、このお店でもこうして提供されているのです。
シカによる獣害も問題になっているそうですし、駆除するだけでなく美味しく食べるというのはいいやり方だと思いますね。
いわゆるジビエということで、食べ慣れない味ではありましたが、ソースカツ丼との組み合わせがいいのか美味しく頂けました。
このあとは高府線です。
アルピコ交通27系統高府線
ここからはアルピコ交通の27系統高府線に乗っていきます。
最初に解説を入れておくと、高府線は長野駅と高府・初切を結ぶ路線で、国道19号と県道31号が主な経路です。
高府や初切があるのは小川村という村であり、鬼無里線とは違って長野市内で完結しない路線なのですが、こちらも2026年3月での廃止が決まっています。
2025年10月をもって土休日の運行が無くなったという点も共通しています。
しかし、基本的に一本道で分岐などもなかった鬼無里線とは違って、笹平地区までは旧信州新町へ向かう新町大原橋線と重複しており、新町大原橋線については以前の活動で乗車しているため、途中までは乗ったことがあるというのも鬼無里線と共通しますね。
運行形態としては1日に7往復設定されていますが、多くは高府までの運行であり、初切まで行くのは1日2往復だけとなっています。
初切始発については運行が早朝に限られるため、沿線住民以外が乗りに行くのは難しいのですが、初切行きについては日中に運行されているため、今回は初切行きに乗車することが出来ました。
ところで、以上で説明したダイヤを踏まえると、初切行きに乗って初切へ行ってしまうと、翌日まで帰りのバスがないことになってしまうのですが、それはどうしたかというと、初切の1つ手前の日影というバス停には長野~信濃大町間の特急バスが停車するため、徒歩で日影まで移動して特急バスで戻るというルートが選択できました。
正直特急バスがなかったら初切までの乗車は断念して高府で折り返していたと思いますが、これは僥倖でしたね。
あと、長野側の起点が長野バスターミナルではなくて長野駅となっているのですが、これは長野駅から国道19号の信州新町・小川村方面へ向かう場合、途中で長野バスターミナルを通るルートになるため、起点を駅として、長野バスターミナルを経由するという扱いになるようです。

それではレポートに戻ります。
まずは時刻表ですが、国道19号方面の路線がまとめられているようで、以前乗車した新町大原橋線と並んで案内されていました。
系統番号も1つ違いですし、両者は関連の深い路線として扱われているようですね。

土休日運休並びに廃止のお知らせ
意外とバス停で待っている人は多く、マニア席確保のために早めに並んでいたのですが・・・

やってきたバスはまたしてもマニア席がないタイプ・・・w
これでこの日の乗りバスは前面展望全滅となってしまいましたが、まあ乗れるだけでも良しとしましょう。

マニア席確保の必要がなくなりましたので行列を抜けて撮影に出ました。
駅は利用者が多いためか早めに着停してくれるので、余裕がありますね。
↑今度も側面の車窓をどうぞ

国道19号へ左折したところに長野バスターミナルのバス停があります。
もはやターミナルとは離れた場所ですが、乗り継ぎの利便を考えて設置しているんでしょうか。

しばらく国道19号を進むと犀川を渡ります。
奥に見えるのは小田切ダムです。

明治橋で犀川を渡ります。
何度も川をわたるのは車窓の面では楽しいですね。

ダム湖の湖畔を進みます。
特に名前などはないみたいなので犀川と呼ぶ以外になさそうです。

笹平トンネルの手前で旧道へ左折します。
この旧道がそのまま県道31号に繋がっており、ここから先が新町大原橋線と分岐した単独区間となります。

県道も整備水準は悪くないようで、ごく普通の県道という雰囲気です。
路線名を長野大町線という県道31号ですが、長野オリンピックの際に重点的に整備されたため、国道406号よりも快適な道として長野市から白馬村・大町市方面へのメインルートとなっています。
そういった経緯もあり、「オリンピック道路」の通称もあるようです。

高府バス停です。
ほとんどのバスはここが終点ですが、初切行きについてもここで数分停車するダイヤになっているようです。
乗客の多くはここまでで降りてしまい、私以外には1名だけとなりました。
この場所は「バスティ高府」という施設になっていて、バスセンターとコミュニティーセンターを合わせたような施設のようです。
ここに乗り入れるのは高府線だけなので、廃止後の代替交通がここに乗り入れない場合はバスセンターとしての機能は失われることになりますね。
ちなみに、かつてはアルピコ交通の高府営業所があった場所だそうです。

バス停の看板です。
上下共用となっているようで、長野駅も初切も両方載っていますね。

高府バス停を出発します。
ところで、先程アナウンスがあって知ったのですが、この日はこの先の区間で道路工事のため通行止めが発生しており、迂回運行をするとのことです。
そのため経由しないバス停があるそうですが、それよりも普段は通らないところを通るレアさの方が上でしょうか。

付近には郵便局もあったりして、小川村の中心部と言える場所なんですね。

迂回ということで脇道へ入っていきました。
高府地区では県道36号を通るのが所定ルートですが、脇道を使ってバイパス的存在の県道31号に向かうようですね。
が、その先でいきなり大渋滞・・・
こんな平日の真昼間に、しかも田舎でなんで渋滞?道路工事の影響?とか思ってスマホで調べると、どうやらこの先で交通事故が発生して規制が行われているようです。
通行止めと書いてあったりもして、しかも事故が起きたのは数十分前くらいのようなので、下手したら運転打ち切りもありうるな・・・なんて考えていると、少しずつは動いているようで、交互通行などになりつつもなんとか通れているようです。
運転士さんからも迂回運行して初切まで向かうと案内があったので、このまま乗車していくことにしました。
日影からの特急バスまでは40分ほどありましたし、最悪乗り遅れても1時間くらい待てば次の便があるのでそれはいいんですが、迂回運行中に更に迂回するというある意味レアな体験にもなりました。

事故現場の手前で警察官が誘導していて、並行する別の道への迂回を指示していました。

迂回路は地元の生活道路的な道路であり、そこに国道の全交通が集中しているものだから凄まじいことになっていました。
ここでの離合に難儀して渋滞が発生していたわけですね。

大型トラックとすれ違うシーンも・・・
車窓から見ていてもギリギリでのすれ違いであり、今回の乗車で一番スリルのある瞬間でした。
ようやく迂回区間を終えて国道へ復帰したら初切に到着です。
20分ほどの遅延となりましたが、これなら予定のバスで長野駅へ戻れるでしょう。

初切まで乗っていたのは私だけであり、私を降ろすとバスはすぐに走り去っていきました。
どこかで方向転換して戻ってくるんだと思いますが、高府へ戻るんだとしたらまたあの渋滞区間を通過しないといけないわけで、ご愁傷さまです・・・

ここでバス停を見ていきましょう。
ちなみに、到着時の降車地点にはポールは立っていませんでした。
降車専用となるので必要ないということなんですかね。

こんなマイナーなバス停でもちゃんとした待合室がある辺りは雪国ですね。

看板には土休日運休と廃止のお知らせがありました。
下には時刻表もありますが、前述の通り朝に2本あるだけなので、地元民以外が乗るのは難しいバスでしょうね。
それではここから徒歩で日影バス停へ移動します。
ちょうどバス停1つ分であり、歩いても10分もかからないくらいですし、先程の事故の影響で渋滞が初切付近にまで伸びているため、今だけは徒歩の方が早いまでありそうです。

そして、日影バス停に到着です。
ここはカーポート風の屋根のみの待合室でした。
特急バスも停まる割には簡素な印象もありますね。

バス停の看板です。
特急バスも停まることが明記されていますね。
ちなみに、長野~白馬間の特急バスもここを通過はしますが、停車はしないみたいです。

特急バスの時刻表です。
高府線よりもこちらの方が主力といってもいいくらい本数が多いですが、逆に言えば日影バス停周辺の地区は特急バスが使えるので、高府線の乗り入れは朝夕だけになっているんですかね。

高府線の時刻表です。
ちょっと白飛びしていますが朝に2本あるのみで、それ以外は特急バスを利用する必要があります。

まだ時間があるので、道路を渡って反対側のバス停へも行ってみました。
こちらも屋根だけがある待合室ですね。

特急バスの時刻表です。
長野方面より本数が少ないですが、白馬線とセットの運用もあるんですかね。

ちなみに、道路はこんな感じです。
多くのドライバーはこの先の状況を知らないでしょうから、「なんでこんなに混んでるの?」と思いながら待っているんでしょうね。
また、しびれを切らしてUターンする車も見られました。
それにしても、この有り様では特急バスも時間通り来る可能性はほぼゼロですねw

付近にあったマンホールですが、なぜかSL列車が描かれていますね。
現在はもちろん、過去にも村内に鉄道が通っていたことはないみたいですが、何か由来があるのでしょうか?

先程乗ったバスが渋滞に巻き込まれながら回送で通過していきました。
ちなみに、この特急バスですが、ICカードは使えません。
その代わり、クレジットカードのタッチ決済が使えるので、現金のみというわけではありませんが、予約制でもない路線ならICカード対応すればいいのにと思ったりw
乗り込んでもしばらくは渋滞が続きましたが、今度は通行止めは解除されており、交互通行で通れるようになっていました。
まだ事故現場の処理は終わっていないようで、事故車もそのままでしたが、さすがに撮影は自重したもののボンネットががっつり潰れているショッキングな姿を晒していました。
後日出た報道によると正面衝突事故だそうですが、改めて事故の恐ろしさを実感させられました。

渋滞を抜けるとようやくスムーズな走行になりました。
それにしてもこのオブジェは何なんでしょうか?
オリンピック道路というくらいだからオリンピック関連?
特急バスということでコンセントも使えますし、座席も快適なので休憩気分で乗車していました。
この路線も興味深いですが、いずれ全区間乗り通したいですね。
アルペンルートのトロリーバスが電気バスに置き換わってからは訪れていないので、それと絡めて訪れるのも良さそうです。

長野に到着!
このあとは「しなのサンセット」に乗るのですが、だいぶ時間が開くので・・・
長野で撮りバスする
余った時間で長野駅前で撮りバスをすることにしました。

新町大原橋線の大原橋行きです。
ちょうど以前乗った便ですね。
↑発車シーンは動画でどうぞ
↑これも発車は動画でどうぞ

最後は鬼無里線です。
日没となってしまいましたが、鬼無里行きの幕を撮れていないのでここでリベンジしましょう。
↑発車シーンです。

駅構内の「アルクマ」を拝んだりしつつ、そろそろ次の活動の時間です。
「しなのサンセット」に乗る!
ここからは乗り鉄編です。
まずは「しなのサンセット」に乗るわけですが、まず解説から入れると、「しなのサンセット」は長野~上田間を走る快速列車で、乗車には乗車券の他にライナー料金が必要なライナー列車として運行されています。
使用車種はSR1系のライナー編成であり、途中駅は一切停まらないなど、通勤ライナーという役割に特化した列車といえます。
元々はしなの鉄道発足以前の、JR信越本線だった時代から「モーニングライナー」「ホームライナー」として運行されており、しなの鉄道発足時に169系を充当するようになり、現在の名称となりました。
169系の引退後はJRから189系を借り受けて使用したりもしましたが、最終的に普通列車と同じ115系となり、このときに乗車整理券の制度は廃止され、乗車券のみで乗れるようになりました。
しかし、2020年にSR1系に置き換わり、ライナー編成を使用することから再び乗車整理券制度が復活し、乗車には乗車券の他に乗車整理券が必要になりました。
現在はネット販売となっており、空席があれば当日車内で購入することもできるという形になっています。
「しなのサンセット」は名前の通り夕方から夜間にかけて運行されており、1.5往復が設定されています。
夕方にも上田発長野行きがあるのは意外ですが、これは回送を兼ねたものなんでしょう。
例を上げるならば、南海電鉄の「泉北ライナー」の例がありますね。
また、姉妹列車として「しなのサンライズ」というのもあり、こちらは朝方に小諸→長野に1本だけ運行されています。
上田~長野間ノンストップは「しなのサンセット」と同じですが、小諸~上田間は各駅停車となっており、この区間については乗車券のみで乗れるようになっています。

発車標です。
「上田まで止まりません」という文字が驚愕ですね。
この区間ならば新幹線もあるのに、在来線でこれに対抗する列車を設定し続けているというのはすごいと思います。
↑発車は動画で
↑「しなの」も発車するところでした。
↑383系回送も発車です。
そしていよいよ・・・
↑「しなのサンセット」のお出ましです。
昨日も乗ったSR1系ライナー編成ですけどねw

行先表示です。
やっぱり種別は特別快速として案内されるんですね。

車内です。
追加料金を要求するだけあってクロスシートですし、コンセントも使えるのでいいですね。
最終的には7~8割程度の乗車率となり、乗車率としては悪くなさそうです。
上田までは29分の乗車であり、新幹線なら12分とさすがに勝負になりませんが、普通列車だと45分かかるので、追加料金を払うだけ速達性はあるわけですね。
列車の趣旨的に通勤で使う人が多いでしょうし、毎日のこととなると新幹線代もばかにならず、かといって普通列車だときついという人の需要をうまく取り込んだのでしょうね。

上田に到着です。
10分弱で長野へ折り返すのですが、今回は普通乗車券で乗ってきているので一度改札を出ないといけません。
席は予約してあるのでいいですが、のんびり撮影している余裕はないですね。

発車標ですが、「有料快速」と案内することで追加でライナー料金がかかることを明示しているようでした。
↑動画でも撮ります。
今度はさすがに往路よりは空いているものの、想像よりは利用者がいるようでした。
上田から長野への需要も案外あるものだなと感心しましたね。
どうせ回送ついでだろうから、1両あたり数名しか乗っていないのを想像していましたが、実際には10名くらいは乗っているようです。

長野へ戻ったら信州そばで夕飯です。
昨日もそばを食べましたが、駅そばではない専門店の味も楽しみたかったのです。
特急「信州」で塩尻へ
それではいよいよ〆ということで、最後は特急「信州」に乗って塩尻へ向かいます。
「信州」は長野~塩尻間を平日のみ1日1往復運行されている特急列車であり、E353系の3両編成で運行されています。
2004年~2019年まで塩尻発長野行きの1本のみ設定されていた189系によるライナー列車「おはようライナー」の後継とも言える列車で、2023年より運行されています。
ちなみに、2019年~2023年の間の空白期間は211系を使用した快速が同時刻に設定されていました。
列車の趣旨としては通勤輸送があり、下りの長野行きは始発の「しなの」より早く、上りの塩尻行きは最終の「しなの」よりも遅く出発するダイヤとなっており、塩尻や松本から長野へ通勤する人をターゲットにしています。
運行開始から既に2年以上経つのですが、今でも臨時列車扱いであるらしく、列車番号も8000番台だったりします。
すっかり定着しているようなので、そろそろ定期列車に格上げしても良さそうですが、「あずさ」や「富士回遊」の臨時列車が設定される場合は、使用するE353系の運用を譲るためか「信州」が運休になる日もあるようです。
「信州」専用の編成を確保できていないから臨時列車扱いというのはありえそうですね。
運行開始から時間が経っているのに臨時扱いなままといえば、京成の「臨時ライナー」を彷彿としますが、あちらが未だに「臨時ライナー」という味気ない名前のままなのに対して、こちらはちゃんと「信州」という愛称をもらえているだけ恵まれているでしょうかw
停車駅は上下とも共通で長野・明科・田沢・松本・塩尻となっており、しなの鉄道との分岐駅である篠ノ井には停まりません。
篠ノ井には「しなの」の全列車が停車しているので、それより停車駅を削っていると言えますが、逆に「しなの」が停まらない田沢には停まるなど千鳥停車的な関係となっていますね。
当初は自由席もありましたが、2025年3月より全車指定席となり、チケットレス特急券サービスを開始しています。

発車標です。
当駅からの特急は他には「しなの」がありますが、同じ長野県の旧国名を由来とする特急が2つあるなんて面白いですね。
↑これも動画でどうぞ

ホームへ向かうと乗車位置案内がありましたが、未だに「臨時特急」なんですねw
↑いよいよ入線です。

写真でも撮っておきましょう。
長野駅にE353系がいるのは「信州」だけであり割とレアな後継ですよね。

向かいのホームからも
E353系といえば長編成のイメージが強いので、3両編成で走る姿は新鮮ですが、考えてみれば「富士回遊」でも3両編成での運用がありますね。

E353系としなの鉄道との並びが見られるのは「信州」だけでしょうね。
車内の様子ですが、窓際は概ね埋まっているものの、通路側はほぼ空席なので、乗車率は半分程度というところでしょうか。
客層はやはり通勤客が多く、スーツ姿のサラリーマンが目立ちます。
あと、E353系といえば座席の発売状況を表示するランプがありますが、これについては非対応のようで稼働していませんでした。
もっとも、「信州」については座席未指定券の制度がなく、普通の指定席の制度なので、空席を知らせる必要はないとも言えますが・・・
あと、自動放送もなく、車掌さんの肉声放送のみでした。
このあたりも臨時列車らしいですね。
↑夜間の乗車ですが、姨捨山の夜景は綺麗に見えました。
明科や田沢での降車も若干ありつつ、やはり松本がもっとも降車が多かったですね。
窓ガラス越しにかすかに「まつもとぉ~、まつもとぉ~」とあの松本おばさんのアナウンスが聞こえますが、機器更新で聞き納めとなってしまいました。

降りたらもちろん撮影です。
まあ、塩尻だったら「あずさ」で普通にE353系を見られますけどねw
でも、付属編成のみで入線するのは「信州」だけなので、そういう意味ではレアでしょうか。

塩尻名物の日本一狭い駅そばを見たら駅を出てホテルへ向かいます。
夜の10時すぎの到着で、明日は6時台出発なので、ここは速やかにチェックインしてさっさと寝ることにしました。
3日目以降は別記事として追ってレポートしますので、公開までしばらくお待ち下さい。
つづく
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