北海道遠征2023(4日目/ノロッコ号&根室本線)

車中泊込みで7泊8日で実施した北海道遠征の4日目です。
なお、1・2日目3日目をご覧になっていない方はそちらから先にご覧になることをおすすめします。

本日の行程

4日目となる今日は昨晩宿泊した旭川から富良野線を走る観光列車「富良野・美瑛ノロッコ号」に乗車して富良野までいき、そこから更に乗り継いで2024年春での廃止が予定されている根室本線の富良野~東鹿越間を往復乗車したら、再び「ノロッコ号」で旭川へ戻って活動終了です。
ただし、翌日の行程の関係で苫小牧に宿泊するため、旭川到着後は苫小牧までの大移動が待っていますw

まずは「ノロッコ号」に乗る

というわけで始まりました4日目ですが、出発は10時なのでチェックアウト時間ギリギリまで滞在することが出来るという、今回の遠征ではもっとものんびりとした出発でした。
せっかく乗り放題のきっぷを持っているのに10時近くまでホテルでのんびりしているのはもったいない気もするのですが、旭川周辺で10時までに終わらせることができるような小ネタも思いつかず、結局10時出発というのんびりしたスタートとなりました。
ただ、そのために気が抜けていたのか9時過ぎまで寝坊してしまい、行程には影響がなかったもののせっかく無料で食べられるホテルの朝食を食べ損ねてしまいましたw


というわけで腹ペコで訪れた旭川駅です。
駅前なんかは何度も来ているので省略して、いきなり発車標です。
「ノロッコ号」はフォントも独特ですし、ラベンダーのイラストまで着いているというちょっと豪華な仕様です。

ここでまずは前半の目玉となる「ノロッコ号」について解説したいと思いますが、実は乗車は2度目でして、前回の活動時のレポートでも解説をしているため重複する部分もありますが、今回は「ノロッコ号」と根室本線廃止予定区間の2つしかネタがないので改めて解説したいと思います。
なお、前回の活動時のレポートにも興味がおありでしたが、是非併せてご覧下さい。

「ノロッコ号」は正式には「富良野・美瑛ノロッコ号」といい、由来はノロノロ走るトロッコという案外シンプルな由来です。
かつては北海道の各地で「ノロッコ号」が運行されていて、「ノロッコ号」はその総称みたいな感じでしたが、「富良野・美瑛ノロッコ号」と、釧網本線を走る「くしろ湿原ノロッコ号」「夕陽ノロッコ号」の3つだけになってしまいました。
今回乗車するのは富良野線の「富良野・美瑛ノロッコ号」なので、この記事で「ノロッコ号」と言ったときは「富良野・美瑛ノロッコ号」のことだと思って下さい。

車両はDE15形ディーゼル機関車が牽引する510系客車を改造したトロッコ車両で運行されており、人気観光地の富良野と美瑛を結ぶことから、北海道での人気の観光列車として定着しています。
運行開始は1997年のことであり、既に26年も運行され続けていることを考えれば、いかに根強い人気を集めているかが分かりますね。
運行区間は旭川~富良野間となっていますが、旭川発着は1号と6号の1往復のみとなっており、その他の列車は美瑛~富良野間の運転となっています。
種別は普通列車ではあるものの停車駅は絞られていて、旭川を出ると美瑛・美馬牛・上富良野・ラベンダー畑・中富良野・富良野となっており、富良野線内の観光地を周遊する観光客の足として使いやすい時間帯に設定されています。
そのうち、今回は旭川発着となる1号と6号に乗車するのですが、前回は富良野~美瑛間のみの乗車だったのでこれにて全区間乗車を果たそうというわけです。

あと、嬉しいのがこの手の観光列車は全車指定席と相場が決まっているものですが、「ノロッコ号」については指定席は1両のみで、自由席が2両設定されているので当日ふと思い立って乗ることも出来ますし、沿線の観光地を周遊するにしても臨機応変に行程を変更できるなど、より自由度の高い利用が可能だということですね。


液晶モニターにも「ノロッコ号」の案内が出ていました。


この臨時快速というのは「ノロッコ号」とは別ですが、同じく富良野線の走る列車です。
なお、実は明日はこの列車に乗ろうと思っているので、この記事では詳しい解説はしませんw


コンコースの発車標も撮ったらホームへ上がります。

ホームへ行くと「ノロッコ号」はまだ入線していないようでしたが、ホーム上には「ノロッコ号」を待っているであろう利用者が列を成していたので、毎度のことながら自由席利用の私はいい席に座れないと困るので早めに並ぶことにしました。
なので、入線の動画撮影も諦めましたw


とはいえせめて写真くらいはとりたいと思い、構図とかめちゃくちゃですがこれだけは撮りましたw


サボも着いていました。
ひらがな表記なのが印象的ですが、それよりも気になったのがノロノロしたイメージからか亀のキャラクターが描かれていますねw


車内に入ると自由席と指定席の案内もされていました。

列の後ろの方に並んだにも関わらず窓際を確保できた上、機関車に最も近い車端部に座れたので万々歳です。
あとは発車まで大人しくしていたのですが、記事の流れ的にはここで車内を紹介したほうがいいと思うので、別のタイミングで撮影した写真も混在しますが、続けて車内を紹介していきたいと思います。


というわけで車内です。
やっぱり普通の鉄道車両とは違う独特な雰囲気ですよね。


車内には観光客を歓迎するように横断幕が掲げられています。


沿線はラベンダーが有名なだけあって、車内にもラベンダーが飾られていました。
ただ、本物かどうかは分かりませんがw


こういうところは鉄道車両らしさがありますね。


多分業務用ですがコンセントがありました。
今どきの車両なら座席にコンセントは当たり前の設備となりつつありますが、「ノロッコ号」は26年も前から走っている車両ですからね。


座席は木のベンチといった感じで鉄道車両としては特別感はありますが、正直座り心地はそんなによくないので長時間乗車するような列車には使えないでしょうねw


こんなところにもラベンダーがw


「富良野・美瑛ノロッコ号」は夏季のみの運行ですが、他路線で冬季にこの車両を運行することを考慮してかストーブが付いていました。
津軽鉄道ではストーブ列車が名物となっていますし、冬季にこの車両で旅をするのも旅情があてよさそうですね。


窓辺には小さなテーブルがあります。


ノロッコ号はトロッコ車両ということでオープンエア構造で窓が開放できるのですが、雨の日に備えて窓ガラス自体は装備されていて、この紐で開閉できます。
まるで住宅の窓につけるブラインドみたいですが、窓ガラスを上下させるので操作にはそれなりの力が必要です。


↑操作の様子は動画でどうぞ

といったところで車内のご紹介はこれくらいで旅行記に戻っていきましょう。
旭川を出ると美瑛までノンストップなわけですが、この区間を「ノロッコ号」で乗車できるのは1日1往復だけですから楽しんでいきましょう。
ただ、座席が全てボックスシートなので一人旅だと見知らぬ人と相席になってしまいちょっと気まずいのが玉に瑕かな?w


旭川駅を発車した「ノロッコ号」はしばらく旭川の市街地を走行した後、忠別川を渡ります。
それにしても、河川名の看板がJR北海道の駅名標っぽいデザインなのが印象的でした。
川を鉄道路線に見立てているんでしょうか?


川の景色はやっぱり画になりますねぇ~


西神楽駅は時刻表の上では通過ですが、対向列車との行き違いのためか運転停車していました。


小さな鳥居と鎮守の森は日本らしい景色ですね。


北海道の豊かの自然の中を風を感じながら走れるのもいいですが、今ではすっかり珍しくなった客車列車で旅が出来るというのも乗り鉄としてはポイント高いですね。


千代ヶ岡駅でも運転停車していました。
富良野線ってローカル線の割には本数がある方なので、意外と対向列車と行き違う機会が多いですよね。


名前は分かりませんがまた川を渡りました。


そして、最初の停車駅の美瑛に到着です。
ここで待っている人も多くて乗り切れるのかと心配になりつつ見ていると、立ち客も出ていましたがが一応乗り切れているようでした。
ここで待っていた人たちは美瑛周辺に宿泊していた人たちなんですかね。


美瑛を出るといかにも北海道という感じの丘の景色が出てきました。


この建物も映画に出てきそうなくらい北海道っぽいです。


そして、美馬牛駅に到着です。
付近には「四季彩の丘」という名所もあるため停車駅になっているようです。


アナウンスにつられて撮影したのがこの看板です。
「富良野平原開拓発祥之地」とありますが、まあ読んで字の如しですねw

続いて上富良野駅に停車ですがここはなぜか写真を撮っていなかったようです。
この上富良野駅の近くにはラベンダーが有名な「日の出公園」というスポットがあるみたいですよ。


そして停車したのはこんな簡素なホームですが、ここは「ラベンダー畑駅」です。
駅名が既にネタですが、ここはラベンダーが有名な観光農園「ファーム富田」の最寄り駅として設置されているもので、ラベンダーの見頃となる6月~10月下旬の間だけ営業する臨時駅となってます。
更に変わっているのが、基本的には「ノロッコ号」のみが停車し、一般の普通列車は通過するという点です。
富良野観光の最繁忙期となる7月の連休などは一般の普通列車の一部の停車したりしますが、ほとんどの時期で「ノロッコ号」のみが停車する駅となっているため、利用する場合は要注意です。
なお、以前の活動で下車しているので、駅についてもっと詳しいレポートを読みたい方はそちらも併せてご覧下さい。

やはり富良野観光の目玉はファーム富田なのか、ほとんどの人がここで降りていき、車内は一気に閑散としました。


続いて停車するのは中富良野駅です。
この近くにも「北星山ラベンダー園」というスポットがあるみたいです。
上富良野駅近くの「日の出公園」もそうでしたが、冬場はスキー場として営業している場所が、夏場はラベンダーを植えてラベンダー畑にしているパターンが多いみたいですね。

このあとはいよいよ終点の富良野です。
旭川から1時間40分ほどの旅でしたが、素晴らしい景色を見ながらだったからあっという間でした。


終点の富良野に到着です。

富良野にて

というわけで富良野に到着です。
過去にも訪れている駅なので紹介はざっくりとしたものになると思いますが、冒頭に書いた通り寝坊してホテルの朝食を食べ損ねたので、富良野での昼食を楽しみにしていましたw


まずはノロッコ号を撮ります。
旭川ではほとんど撮れませんでしたからね。


真横から
ラベンダーをモチーフにしたであろうカラフルな塗装が目に鮮やかですね。


客車も入れて編成写真っぽく


隣には富良野線のH100形普通列車が停車中でした。
ところで、富良野線では長らくキハ150形が主力車種として活躍していましたが、昨春のダイヤ改正よりH100形に一気に置き換えられて、現在では富良野線の普通列車は全てH100形になりました。
富良野線は北海道では貴重な観光需要の多い路線ですから、新型車両投入でテコ入れということなんでしょうか。


構内にはキハ40系の姿もありました。
かつては北海道の、いやJR各社のローカル線の代名詞的存在でしたが、H100形などの後継車種への置き換えが進んですっかり貴重になりました。
前述の通り富良野線の列車は全てH100形に統一されたので、このキハ40系は根室本線の列車に充当されるのでしょう。


↑ちょうど発車するところだったので動画を撮りました。
電気式気動車なのでエンジン音とモーター音が同時に聞こえるという面白い走行音にも注目です!


↑続けて「ノロッコ号」が発車です。


次に乗車するのはこの東鹿越行き普通列車ですが、発車までは1時間以上あるので昼食がてら駅周辺をブラブラしたいと思います。


跨線橋より側線にいたキハ40系を撮影しました。


改札へ向かう通路にはこんな看板がありました。
観光地にはよくありますが、英語に中国語、韓国語まで併記されているのは富良野が国際的に人気を集める観光地だということを物語っていますね。


コンテナが置かれた一角がありましたが、実は富良野駅は現在でも貨物扱いをしており、貨物駅としての顔も持っているのです。
それもオフレールステーションとかではなくてちゃんと貨物列車が発着する駅となっており、根室本線の滝川~富良野間は貨物輸送のルートとしても活躍していることになります。


ここからも側線のキハ40系を撮ったら出場します。


こんなオブジェがありました。
実は富良野は北海道のほど真ん中に位置することから「北海道のへそ」として売り出していて、「へそ祭り」というのもやっているみたいです。


改札を出ました。
観光客が多いためか、駅前にも記念撮影用の駅名標と顔出しパネルがありました。
さて、お腹のペコペコですし、お昼を食べに行くとしましょう。


フラフラと歩いてたどり着いたこちらは「くまげら」というお店で富良野では有名な人気店なんだそうです。
幸いにしてそれほど長くは行列もしていないようなのですかさず入店しました。
駅からも徒歩5分くらいなので鉄道旅の途中で立ち寄るにも便利です。


入店し注文したのはこちらです。
「ローストビーフ丼」なんですが、これは店先の幟に書かれているほどの看板メニューとなっていて、多くの人がこれを注文していました。
写真は肉増しですが、ボリュームもあってお腹も満たされます。
肉の味わいも素晴らしく、また富良野に来たら食べたいなと思いました。

食事を済ませたら駅へ戻りますが、まだ東鹿越行きの列車までは時間があります。
ですので・・・


撮りバス!
写真は富良野を拠点にする”ふらのバス”です。


続けて北海道を代表するバス会社と言ってもいい北海道中央バスです。
札幌とを結ぶ高速バス「ふらの号」ですかね。


再び”ふらのバス”ですが、今度は一般路線バスのようです。
意外にも富良野では民営のローカル路線バスもいくらか生き残っているようです。


高速「ふらの号」と並んで富良野を代表するバスと言えば、「ノースライナー」ですね。
この「ノースライナー」は帯広と旭川を結ぶ都市間バスですが、並行する高速道路がほとんどないため、今では珍しい高速道路を経由しない都市間バスとなっています。
おおむね富良野線・根室本線と並行するルートですが、根室本線の富良野~新得間(東鹿越~新得間は豪雨災害のため運休中)が2024年春で廃止されることとなっているため、その代替交通手段という役割も担うことになる路線ですね。
個人的に興味を持っている路線でもあるので、そのうち乗りに行きたいなと思っています。

といったところでそろそろ東鹿越行きの列車の改札が始まるみたいなので富良野駅構内に入場したいと思います。

根室本線廃止予定区間を乗り納め

というわけでここからは根室本線のうち2024年春での廃止が予定されている富良野~東鹿越間の乗り納めをしていきます。
廃止予定区間は厳密には富良野~新得間となりますが、新得~東鹿越間は2016年の台風被害を受けて以来、復旧されることなく長期運休の状態が続いており、結局復旧されることなく廃止されることとなったため、実質的には2016年に廃止されたようなものです。
この廃止予定区間となる富良野~新得間ですが、台風被害で運休になる前から走るのは普通列車の他には快速「狩勝」のみとなっていて、特急列車も走らないローカル線という状態でした。
根室”本線”の一部でありながらローカル線に落ちぶれてしまった理由ですが、南千歳~新得間をショートカットする石勝線が開通したことで、札幌と帯広・釧路方面を結ぶメインルートが石勝線経由に移ったためであり、優等列車や貨物列車は石勝線経由にシフトし、以後は地域輸送が主体の区間となりました。
個人的には「ノースライナー」のように旭川~富良野~帯広と都市間輸送の需要も無いわけではないと思うので、快速「狩勝」をもう少し本数を増やすとかしていたら結果は違ったのではないかとも思ってしまいますが、このように元々普通列車が行き来するのみのローカル線という状態だったところに台風被害を受けて復旧に多額の費用を要することとなったのがトドメとなって、廃止されてしまいました。

ところで、完全に個人的な話になりますが、実は2016年の7月に北海道遠征を計画しており、この行程にはこの翌月に台風被害で不通となる根室本線の富良野~新得間も含まれていました。
しかし、この遠征は諸事情あって延期となりまして、富良野~新得間は乗車できないままになっていました。
後に部分復旧された富良野~東鹿越間は代行バスを挟みつつ乗りに行ったんですが、最後まで復旧されなかった新得~東鹿越間は乗れず仕舞いとなってしまいました・・・
やっぱり、鉄道趣味は「乗れるうちに乗っておけ」が鉄則だなと身に沁みた一件となりました。
ちなみに、せめてもの足掻きというわけではないですが、レンタカーで廃止予定区間の駅については全て訪問済みなので、その時の記事にご興味がおありなら是非併せてご覧下さい。

また、実は昨年(2022年)にも北海道遠征をしていて、そのときにも根室本線廃止予定区間のさよなら乗車を行程に組み込んでいたのですが、生憎の悪天候で断念した経緯がありました。

それではレポートに戻ります。


↑改札を入場するとちょうど側線にいたキハ40系が動き出していました。
東鹿越行きはまだ入線していないようなので、この車両がホームに据え付けられて東鹿越行きとなるようですね。


↑入線シーンを撮ったら・・・


写真でも撮ります。


跨線橋の上から


近づいても撮ったら乗り込みます。
この区間も廃止まで半年を切っていますからさよなら乗車が多いでしょうし、ましてやこの日は土曜日と来ていますから早めに乗っていい席を確保しましょう。


幸いにしてまだボックス席が空いていたのでここに乗ることにします。
普段だとボックス席は騒がしいグループと相席になるリスクとかを考慮して積極的には選ばないんですが、この区間については前回の乗車で綺麗な録音を確保できており、純粋に車窓を楽しみたいということでボックス席にしました。
混み合ってくるようならば相席やむなしですが今のところはボックスを占領しても問題なさそうな程度の乗車率です。

あまりに混み合ってきて相席になると車窓撮影もしづらいななんて考えていたのですが、結局そこまで激しい混雑にはならなかったので・・・


↑車窓をどうぞ!

それでは発車です。
この区間は前述の通り2024年春にて廃止される予定となっていることに加えて、今では貴重なキハ40系ですし、味わっていきましょう。
やっぱり車内はさよなら乗車と思われるファンが多めですが、東鹿越では新得行きの代行バスに接続するダイヤなので、中には新得・帯広方面へ向かう純粋な利用者も混じっているかもしれません。

最初は富良野市街を進み、家々が断続的に続く車窓風景ですが、徐々に車窓風景は田園風景に変化していきます。


山部駅に到着です。
以前のレンタカーでの駅巡りで訪れた駅ですが、ここで降りる人や乗ってくる人もいました。
列車で最後の駅巡りを楽しむ人達ですかね。


車窓に見えてきた川は空知川でして、不通区間にある落合駅付近まで寄り添いつつ十勝地方への山越えをしていきます。
ただ、川が路盤を洗い流してしまったことが根室本線の東鹿越~新得間を不通にした元凶でもあるので、ちょっと複雑な気持ちで眺める景色でもありますけどね。

金山駅を出ると地形は狭まり車窓は山がちになっていきます。
そして・・・


かなやま湖が出てきました。
この”かなやま湖”は金山ダムによって成立した人造湖ですが、周辺をエゾマツやトドマツの原生林に囲まれていることもあって、天然の湖であるかのような景観となっていて、ワカサギ釣りやカヌーなどのレジャースポットとしても有名なんだそうです。
この列車の終点である東鹿越駅からも湖が近いので列車で気軽に訪れることが出来る湖と言えますが、根室本線の廃止で列車で訪れることはできなくなりますね・・・


そして、45分の乗車で列車は東鹿越駅に到着しました。
駅数でいうと5駅目なのでそうでもないですが、北海道は全体的に駅間が長いので所要時間はそれなりになりますね。
ここでは13分後の列車でそのまま折り返し乗車なので慌ただしいのと、過去にも訪れている駅なので、駅取材はざっくりいきます。

そういえば、自動放送でも代行バスについての案内があったのに驚きました。
前回乗車したときにも流れていたかはちょっと記憶が定かではないですが、過去の録音を聞く限りは流れていないようなので、いつの間にか追加されたんですかね。
東鹿越~新得間の不通は2016年ですからそれから7年経っているわけで、どこかのタイミングで追加されたんでしょうか。


名所案内です。
車窓からも見えたくらいですから当然ですが、駅からは徒歩2分という近さです。
駅の名所案内に書いてある名所って、実際には遠すぎてタクシーやバスに乗り換えないと行けないパターンが多いんですが、ここは本当に駅チカなんですが、駅自体がなくなってしまうという・・・


列車単体でも忘れず撮影します。


縦型駅名標


駅舎です。
無人駅なので改札はありませんが、到着時の車内放送では折り返し乗車する人も必ず一旦下車し、荷物などを残して席を確保しないようにと注意喚起されていましたので、廃止までの残りの期間でさよなら乗車をし、東鹿越駅で折り返し乗車をする場合は気をつけましょう。


二度と列車が走らないことが確定してしまった新得方面の線路です。
信号は一応生きているみたいですね。


ここでも駅名をしっかりPRしている出口ですw


内部も見ていきましょう。


掲示物のコーナーでは南富良野高校カヌー部のポスターが一番存在感がありましたw


駅ノートもありましたが、それよりも気になったのは手作りの駅名標です。
有志が製作して置いたんですかね。


昔はほとんどの駅にあったという伝言板かと思ったら地元の催し物を紹介するスペースみたいです。


駅前に出てきました。
人が多いですが、これはさよなら乗車目的で来てせっかく来たのだから駅を見ていこうという人も混じっているでしょうが、多くは新得方面の代行バスを待っているようです。
ちなみに、2015年までの東鹿越駅の1日あたりの利用者数は1名か0名というほぼ利用者がいないといってもいいような数字ですが、根室本線東鹿越~新得間が不通になった2016年以降は50名前後となっていて、これは言わずもがなで代行バスとの乗り継ぎ拠点となったことで、乗り継ぐ利用者が乗降客数にカウントされた結果なんでしょうね。

ただ、同時に代行バスの利用者は1日に50名前後ということでもありますから、鉄道を復旧させても採算が見込めないというのは悔しいですが事実と認めざるを得ないかなという感想も抱きました。


バス停がありました。
南富良野町営バスが乗り入れているようなのでそのバス停なんでしょうね。
奥には”かなやま湖”もちらっとですが見えていますね。


そして、代行バスがやってきました。
“ふらのバス”が担当しているようですが、根室本線廃止後の代替交通にも”ふらのバス”は参画するんでしょうかね。

さて、新得方面からのバスにも結構な人数が乗っていて、ほぼ全員が列車に乗り継ぐでしょうからいい席がなくならないうちに列車に戻ろうと思います。
しかし、既にボックス席は全て埋まっていて、ロングシート部しか選択肢がなかったのですが、これで最後の機会だと思うとどうしても車窓は撮りたいということでちょっと窮屈な画角になりましたが一応撮りました。
今度は往路とは反対方向の車窓なので、往路をご覧になった方も是非ご覧下さい。


↑というわけで復路の車窓です。

車内のメンバーこそ若干入れ替わりましたが、似たような雰囲気で富良野へ引き換えしていきます。
ただし、往路では列車が富良野始発なので全区間乗車することになるのが、今度は富良野行きではなくて滝川行きなので、富良野で降りるのは中途半端な感もありますね。
まあ、この後は「ノロッコ号」で旭川へ戻るので仕方ないんですけどね。


というわけで富良野へ戻ってきました。
これにて根室本線廃止予定区間のうち、列車が走っている区間のさよなら乗車は終わりました。
最後に車窓動画も撮ることが出来ましたし、過去にレンタカーで駅巡りもしていることから、不通区間が乗れず仕舞いとなったことだけが心残りですが、現状で出来る限りのことは出来たということにしましょう。


↑乗ってきた滝川行きが発車です。
富良野でしばらく停車するのかと思えば、意外とすぐの発車でした。


隣にいたのはキハ261系「ラベンダー編成」でした。
非電化区間の駅は障害物も少なく撮影しやすいですねw
実はこれ「フラノラベンダーエクスプレス」なんです。
これも明日乗るので今回は深追いはしませんが・・・w

「ノロッコ号」で旭川へ戻る

富良野からは「ノロッコ号」に乗り継いで旭川へ戻ります。
今宵の宿は苫小牧にあるので、さっきの列車を降りないで滝川まで行ったほうが早くホテルに入れましたが、「ノロッコ号」の旭川行きにも乗りたかったのと、旭川では”ある目的”があったので旭川経由で苫小牧を目指しますw

乗り換え時間としてはそのまま改札内で待っていても良さそうでしたが、富良野駅も列車別改札をやっていて改札外で乗車待ちの列を形成している可能性があるので、割り込みにならないように一旦改札を出て待ちました。
富良野は往路でも立ち寄っていますし、過去にも訪れている駅ですので流石にもうすることもなく、撮影はしませんでしたけどねw


↑「ノロッコ号」の入線シーンです。
ホームまでは跨線橋移動があるためか早めに入場させてくれて撮ることが出来ました。


往路でも撮りましたが乗車の記念ということで写真でも撮って・・・


内容は往路と変わりませんが一応サボもw

車内の紹介も往路で済ませているのであまり書くことがないのですが、利用状況の傾向としてはやはり富良野から乗る人よりもラベンダー畑駅や上富良野・美瑛などから乗ってくる人の方が多かったかなという印象です。
富良野から札幌方面へ帰るなら「フラノラベンダーエクスプレス」の方が便利ですし、旭川が目的地でなければ富良野から「ノロッコ号」で旭川へ行くメリットは薄いのかなと思いました。


車窓から見えたバスを撮ったのですが、北海道らしい景色の中を走るバスという写真になりました。


また別のバスもいました。
観光バスでしょうか?


ラベンダーや丘といった富良野線沿線らしい写真も貼ったら記事は旭川までワープしますw
正直道中そんなに書くことがなかったというわけですが、考えてみれば今や貴重な客車列車ですし、同じくディーゼル機関車が牽引する客車列車の観光列車「奥出雲おろち号」も2023年中の引退が発表済みですし、「ノロッコ号」ももしかしたら遠からず引退するのではないかという危惧があります。
列車自体は人気なので、JR東日本でいう「びゅうコースター風っこ」みたいな気動車を改造した後継車両を投入という可能性もありますが、JR北海道の経営状態を考えると今の車両がいよいよ引退不可避となったらそのまま「ノロッコ号」の運行を終了しそうな気もするんですよね・・・まあ、ようやくコロナ禍も収束の兆しが見えてきてこれからまたインバウンド需要が盛り上がってくるというタイミングですから頑張って欲しいとは思います。


旭川に到着です。
これにてこの日の活動としては終わりなんですが、前述の通り今宵の宿は苫小牧にとっているのでここから大移動が始まります。


とはいえ、「ノロッコ号」の動画を旭川では撮っていないので引き上げを撮るべく向かいのホームへ移動してスタンバイします。
入線時は列に並ぶことを優先して撮れませんでしたからね。


↑というわけで引き上げシーンです。
機関車を最後尾にして推進運転をするのが特徴ですね。
実は「ノロッコ号」は客車側にも運転台が設置されていて、機関車を最後尾にした推進運転でも通常通りの速度で走れるようになっています。

さて、ここから大移動ですがその前に・・・

最後に苫小牧へ大移動

というわけで、活動自体は終わったもののここからはひたすら大移動です。
特急も使える「北海道フリーパス」を使っているので普通列車オンリーの18きっぷよりは楽ですが、それでも3時間近くかかります。
そんなわけで一刻も早く旭川駅を出発したいところですが・・・なんと、ここで駅を出て街に繰り出してしまいますw


歩くこと15分ほどでたどり着いたのはこちら「自由軒」というお店です。
※実は「自由軒」の店舗そのものは写っていませんが、店の前の写真は撮り損ねていたようなのでこれで代替させて下さいw

そんな「自由軒」ですが、このブログで紹介するのは2回目でして、前回は2021年の北海道遠征訪問しており、2年ぶりの訪問となりました。
実は昨年(2022年)も行こうとしたんですが、生憎臨時休業日に当たってしまい食べ損ねていたのでしたw

一応改めてご説明すると、「自由軒」はテレビ東京のドラマ「孤独のグルメ」にて登場した飲食店でして、地元の方のみならず遠方から訪れる人もいるほどの人気店なのです。
この日も土曜日という旅行者が多い日程だったこともあるでしょうが、私が入店した直後にも続々とお客さんがやってきてついには満席となって入店を断られる人まで出てくる始末でした。
仮に私が入店したときに満席だったらこの後の大移動を考えると「自由軒」での食事は断念することになっていたでしょうから運が良かったです。


注文したのは前回と同様に「五郎セット」です。
言わずもがなで「孤独のグルメ」の主人公「井之頭五郎」にちなんだネーミングですが、作中で五郎さんが注文したメニューをセットにしているようです。
写真はカニクリームコロッケとほっけフライですが、これが美味しんです。
前回訪問時も同じ「五郎セット」を頼んだので違うメニューも食べてみようかとも思ったのですが、結局同じものになりましたw
私って一度食べて美味しいと思うと何度もリピートする傾向がありますw


定食には味噌汁が付き物ですが、ここの味噌汁は「味噌汁ご飯付き」という独特なメニュー名となっていて、その名に恥じないボリュームとなっています。
具も肉や卵、ちくわなどとなっていてそれだけでもおかずに出来る味噌汁です。
なお、写真は「大わん」というサイズでして、五郎さんが作中で注文したものと同じものですが、こんな大きいサイズは食べ切れないという方は小さいサイズの味噌汁も注文可能です。

2年ぶりの「自由軒」を堪能したら駅へ戻ります。
「ノロッコ号」の引き上げを撮るために駅で粘ってしまったのと、「自由軒」への移動で時間を食ってしまったこともあって後続の特急は逃してしまい、苫小牧到着が遅くなることになりましたが、2年ぶりに「自由軒」で食べることが出来たという喜びの方が大きくて気になりませんでした。


駅へ戻るとキハ261系がいました。
稚内行きの「サロベツ」でした。


ですが、乗るのはこっちですw
789系の「カムイ」でまずは札幌へ向か・・・おうと思いましたが、1つ手前の岩見沢で降りてしまいましたw
実は時刻表をめくって調べていると、札幌で千歳線に乗り継いでも、岩見沢で室蘭本線の列車に乗り継いでも苫小牧到着はほとんど変わらないことに気付きまして、札幌から乗り継ぐ列車は混雑が見込まれるのに対して、室蘭本線ならばガラガラだろうからゆったり乗車できるだろうということで室蘭本線ルートを選びました。


というわけで室蘭本線のキハ150形の入線シーンです。


なんとなく発車標と絡めてみたらあとは車内で過ごします。
発車まではしばらくありますが、今のところは私の他に数名しか乗っていませんでした。

最終的には10名程度を乗せて発車していきましたが、栗山とか由仁あたりまででほとんどが降りていきました。
岩見沢市内に通勤・通学している人たちが帰る所なんだと思いますが、流石に苫小牧まで通して乗る人はほとんどいないみたいですね。
あとはほとんど私の貸切に近い状態だったのですが、早来だったか遠浅だったか忘れましたがそこで異様にテンションが高いグループが乗ってきて車内が騒々しくなったのが強く印象に残りました。
以前に乗車したときにキハ150形の岩見沢から苫小牧の録音は綺麗に確保できているので録音的な意味ではまあいいんですが、いくら空いているとはいえ、公共交通機関の車内であの大声での会話は流石にマナー違反じゃないかなと思いました。
まあ、JR北海道の経営状態を考えるとマナーが悪くても乗ってくれるだけありがたいのかもしれませんが・・・


というわけで宿のある苫小牧に到着しましてようやくゴールです。
翌日も早いので早くホテルへ入って充電をこなしつつ休むとしましょう。


ですが、「とまチョップ」は気になったのでご紹介しますw
さり気なく命名の由来まで書いてありますが「とまこまい」「ハクチョウ」「ハナシウブ」「ホキ貝」「ハスカップ」と、苫小牧という地名と名物の一部をつなぎ合わせていたんですねw

というわけで4日目はこれにて終了です。
5日目以降は別記事として追ってレポートしますので、公開までしばらくお待ち下さい。

つづく

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つばめ501号(管理人) について

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