6泊7日で実施した西日本乗りバス旅の5日目です。
なお、1日目・2日目・3日目・4日目をご覧になっていない方はそちらから先にご覧になることをおすすめします。
本日の行程
5日目となる今日は昨晩宿泊した博多からスタートして、山陽新幹線で徳山へ向かい、さらに山陽本線に乗り継いで光へ向かったら中国ジェイアールバス(以下中国JRバスと表記します)が運行する光線に乗車して室積公園口へ向かったら下松タウンセンターまで折り返して、再度光駅まで乗車したら山陽本線で柳井へ向かいます。
柳井からは防長交通で徳山へ、さらに防長交通で岩国へ向かったらいわくにバスの高速バスで広島バスセンターへ、最後は高速バス「サンサンライナー」で岡山へ向かって宿泊してゴールとなります。
山陽新幹線と山陽本線以外は全てバスでの移動となっており、博多から岡山への移動の大部分がバスという、バスづくしの1日となっています。
元々は2024年3月末で運行が終了する光線に乗るのがメインで、ついでに防長交通も絡めつつバスで岡山まで行くという内容ですね。
岡山に泊まるのは翌日の活動に向けての仕込みと言えます。
山陽新幹線で山口へ向かう
それでは早速本編スタートです。
まずは博多駅から山陽新幹線に乗りますが、ここで乗る列車がネタだったりします。
というわけで博多駅前から5日目の朝が始まります。
昨日までは平日の活動でしたが、この日は土曜日であり、朝の人手は少ないですね。
また、同時にJRグループのダイヤ改正当日でもあり、この日から新しいダイヤでの運行が始まるという日でもあったわけですが、この日の活動においては特に関わりはありませんw
新幹線の改札を入りまして発車標です。
この中のどれに乗るのかというと「こだま842号」です。
「さくら540号」は徳山に停まらないため乗れませんが、後続の「のぞみ6号」だと徳山へ停まる上に「こだま842号」を新山口で追い抜くため結果的に早く到着できます。
にも関わらず「こだま」を選ぶ理由というのは・・・?
ハローキティ新幹線が充当されるからです!
この「ハローキティ新幹線」は500系の1編成を改造したもので、サンリオのキャラクター「ハローキティ」とのコラボ企画となっています。
以前の活動でも乗ったことがありましたが、あの時は帰省ラッシュの時期の乗車だったせいで混み合っていてまともに見学できなかったのが、今回は土曜日ではあるものの連休とかではないですし、それほど混雑はしない時期の乗車なのでじっくり車内を見学できそうです。
ここで軽く解説を入れておきますが、ハローキティ新幹線は一般列車扱いでの運行であり、乗車区間の乗車券+特急券を購入すれば誰でも乗車できます。
他の「こだま」と同じく自由席と指定席がありますが、2号車の”KAWAII!ROOM”は自由席なので、ここに座りたいならば指定席を取らずに自由席特急券で乗るといいでしょう。
どのみち、”KAWAII ROOM”や”HELLO PLAZA”を見て回るならば座席でゆっくりすることは少ないでしょうから、指定席をとってもあまり意味がないですしねw
運行は博多~新大阪間を毎日1往復していますが、車両整備の都合などで月に数日ほど他の車両で代走となる日があるので、利用の際は公式サイトなどで運行情報をご確認下さい。
私は特別ハローキティのファンというわけではないですが、ネタは拾っておきたいですすし、ハローキティ新幹線であることを差し引いても500系であるというだけでも貴重ですしね。
なお、内装については2号車のみ”KAWAII!ROOM”と称して特別仕様になっており、3~8号車は普通の車内になっていますので、利用の際はご注意下さい。
また、1号車は”HELLO!PLAZA”と称するフリースペースになっているんですが、前身となる”500 TYPE EVA”が1号車の展示・体験ルームは予約が必要だったので、ハローキティ新幹線でも同様だと思っていたため行かなかったんですよね。
あとで調べてみたら混雑時以外は自由に入れたみたいでこれは宿題が残ってしまいました・・・
それではお待ちかねの車内です。
もはや新幹線の車内だとは思えない空間ですねw
大きなキティちゃんが鎮座しており、記念撮影スポットにもなっているようです。
ハローキティ新幹線が走る沿線の都道府県+山陰の名物をPRするイラストともに記念撮影が出来ます。
座席もヘッドカバーがキティちゃん仕様になっています。
肘置きの柄も変わっていますし、壁面にキティちゃんがいたり、床もピンクだったりと普通の新幹線とは全然違いますね。
男一人で乗るのはやや場違いな気もしつつ、列車は博多駅を発車していきます。
「ハローキティ新幹線」となっているV2編成はVVVFインバータを更新していますから、GTO素子の時代よりも静かな走行音になっていました。
かつては東京まで「のぞみ」として300km/hの俊足で駆け抜けた500系も今や「こだま」として山陽新幹線内だけの運用になっているのは寂しくも思いますが、500系も置き換えの話が出ていますし、この機会に乗れてよかったです。
数分停車するようなのでその間に先頭部へ移動してきました。
待避かと思ったんですが、結局何も通過することなく発車となりました。
臨時列車の設定のために確保された、いわゆる「空待避」というやつですかね。
↑発車は動画でどうぞ
それでは山陽本線に乗り換えです。
乗り換え時間が5分しかないのでちょっと慌ただしいですが、何度か利用したことがある駅だったのでさくっと乗り換えました。
山陽本線では未だに115系が現役です。
山口県内は未だに多くの国鉄型が現役ですから、鉄道ファンには楽しい土地ですね。
↑光駅に到着して発車シーンです。
ここでも乗り換え時間は5分程度なので、初訪問の駅ながら、駅取材もせずにバス乗り場へ直行しました。
どのみち、このあとまた光駅から山陽本線に乗るので、駅はその時に見るとしましょう。
中国JRバス光線
ここからは中国JRバスの光線に乗っていきます。
このタイトルだと中国JRバス「こうせん」と読みたくなって、戦隊ヒーローの必殺技みたいですが、「ひかり・せん」と読みます。
光市を走る路線なので、光線ですね。
これもまずは解説から入ると、光線は光駅と室積公園口を結ぶ系統が基本で、一部が光高校を経由したり、光総合病院へ乗り入れたりと、生活に密着したダイヤ設定がある他、本数は少ないですが下松市まで乗り入れて下松タウンセンター前まで行く便も設定されています。
JRバスの多くの路線は元々国鉄バスとして運行されていたものを引き継いでいるので、光線も元々は国鉄バスの路線だったということになりますが、国鉄バスの路線には5原則と呼ばれる原則がありまして、「先行」「代行」「培養」「短絡」「補完」のいずれかに該当する路線しか運行してはいけないというルールがありました。
それぞれ解説すると「先行」は将来的に鉄道を建設する予定がある区間に、暫定的にバスを走らせるケースで、実際に鉄道が開業した場合は入れ替わりで廃止になることもありますが、結局鉄道が建設されることはなく、バス路線として残ったものもあります。
「代行」は鉄道の建設計画があるものの採算の問題などで建設が難しい場合に代わりにバスを走らせたり、輸送力が逼迫する鉄道に並行してバスを走らせるようなパターンもあったようです。
「培養」は駅から離れた町や観光地などと駅を結び、国鉄の鉄道線に旅客を集めることを目的としたものです。
「短絡」は鉄道では遠回りになる区間をショートカットするものです。
「補完」は鉄道の補完を担うもので、東海道新幹線に対する東名・名神ハイウェイバスが典型例です。
現在のJRバスは高速バスが主体であることを考えると、「補完」が現在のJRバスの主要な役割と言えるかもしれません。
最も、5原則は国鉄バスに対する規制であり、民営化されたJRグループとJRバス各社には関係ない話ですけどねw
これはあくまでも鉄道が本分である国鉄が路線バス事業を行うにあたって、公共企業体であった国鉄が鉄道以外の事業を行うのに制約があったことや、民間のバス会社に対する民業圧迫を避ける意味合いがあったようです。
つまり、国鉄バスから引き継いでJRバスが運行する路線についても基本的には5原則のいずれかに該当するわけですが、光線の場合は終点の室積が海水浴場や風光明媚な観光地としての側面を持つことから「培養」に該当する路線であると考えられます。
さらに遡ると戦時中に海軍工廠があったことから、そこへの通勤輸送を目的に開設された歴史を持つようです。
そんな光線ですが、慢性的な赤字もあって2024年3月末をもって廃止されることが決まり、この代替として元々光市に路線を持っていた防長交通が引き継ぐことが決まり、中国JRバスとしては光市から撤退することとなりました。
元々路線の大半が防長交通の路線と重複していたこともありますし、他の中国JRバスの路線とは繋がっておらず飛び地的な存在だったこともあり、更には昨今のバス運転士不足の問題、2024年問題もあってのことでもあると思われます。
歴史ある国鉄バスの系譜がまた1つ消えるのは残念に思いますが、防長交通が引き継ぐことになって、室積地区から路線バスが消滅するという事態は避けられたわけで、地元的には運行事業者が中国JRバスから防長交通に変わるだけという認識ですかね。
今回の活動では光駅から室積公園口まで乗車後、室積公園口から下松タウンセンターへ、更に下松タウンセンターから光駅まで乗車し、下松タウンセンター~室積公園口間を制覇する予定です。
最初に乗る光駅→室積公園口間の便は光高校経由であり、その復路は光高校を経由しないものなのでこの2ルートは網羅できますが、光総合病院への乗り入れ系統には乗れません。
5分乗り換えなのでのんびりしている暇はないですが、非公式側からも撮りました。
でも幕が綺麗に写らないというw
側面の幕を撮って乗り込みます。
発車ギリギリの乗車だったこともあってマニア席は既に埋まっていたため、前面展望は復路に期待することにします。
光高校へ迂回する部分の車窓が撮れないことになりますが、まあ仕方ないです。
あと、ICカード乗車券に対応していたのが意外でした。
ところで、車内にハート型のつり革がありましたw
※室積バス停の手前で撮影しましたが、記事の流れ的にここでご紹介しておきます。
最初は10名ほど乗っていて、意外に利用者が多いことに驚きましたが、室積公園口まで乗り通したのは私だけだったようです。
普通に光市内の生活の足として使われているようですね。
島田川を渡ると工場地帯になっていました。
調べてみると海軍工廠の跡地がこの工場地帯とのことです。
室積バス停に差し掛かりました。
現在は光市の一部となっている室積地区ですが、1943年までは室積町という独立した自治体だったようです。
また、夜間のバスは室積公園口までは行かずにここが終点になるものもあるようです。
室積交差点で国道188号を外れて県道146号室積公園線に入っていきます。
この県道は室積公園と国道188号を結ぶものであるようで、そんな県道があるということもまた室積が重要な観光地とみなされていたことが分かりますね。
バス停のポールです。
JRバスの名前もありますが、それは見納めですね。
お知らせが出ていました。
これは4月1日以降は防長交通が運行するという内容で、下松タウンセンター行きは廃止となるものの、光市内の大半は維持されるようです。
また、防長交通としても乗務員の確保が困難であることからJRバス時代よりも減便されるとも書いてありました。
それでも路線が維持されるだけマシだとは思いますけどね。
JRバスの時刻表です。
それにしても平日の朝夕の本数を見ると地方のローカル路線と侮れないものがありますね。
光高校への通学需要や、先程見た工場地帯への通勤需要なんかもあるんでしょう。
このように需要自体は決してないわけではないのに、それでも赤字になってしまうというのはバス事業の厳しさを物語っていると言えますね。
バス停周辺は民家が点在していて、集落の真ん中にバス停があるようです。
お寺がありました。
普賢寺というそうですが、バス停があった道路の通称も「普賢通り」らしく、古くからこの地域で信仰されたお寺なんでしょうね。
↑バスが待機場所に入るところだったので動画で撮りました。
海の方へ歩いての1枚
お寺の山門をバックにバスの待機場所も写っていますが、素朴な海沿いの集落に乗り入れるバスという感じがしていいですね。
バスの待機場所です。
2台のバスが駐められるスペースとなっているようですね。
そして、海です。
瀬戸内海の穏やかな風景に癒やされます。
ちなみに、バス停の名前にもなっている室積公園はここから更に奥の岬にあるようで、今回は滞在時間的に行くことは出来なさそうです。
ここでのんびり海を眺めているのもいいかと思いましたが、復路は是非とも前面展望を撮りたいので、早めに並んでおくことにします。
時間帯としてもこれから町の方へ繰り出す人が増えてくるでしょうしね。
幕が出たところでもう1枚
今度は下松タウンセンター行きです。
側面の幕を撮って乗車です。
今度は私の他に数名の乗客がいました。
↑無事にマニア席を確保できましたので前面展望をどうぞ!
今度は光高校経由ではないため、国道188号に入ったらあとは光駅まで一直線に行きます。
利用者も街の中心へ向かう方向であることもあって先程よりも明らかに多く、光駅に着く頃にはほぼ満席というほどでしたね。
しかし、それも光駅までであり、そこから先はかなり空いていました。
下松タウンセンター前が終点ですから、買い物需要を当て込んだ設定なんでしょうけど、意外と光市から下松まで買い出しへ行く人は少ないんでしょうか。
光市内にもイオン光店などがあるので、下松まで行かなくても事足りているとかですかね。
ロードサイド店の立ち並ぶ地方都市らしい景色になってきました。
光駅に到着!
ほとんどの光線のバスはここが終点ですが、この便は下松タウンセンター前まで行きます。
光駅を過ぎると地形が狭まり、丘と海に挟まれるように国道と山陽本線が通っています。
そして、下松市に入ります。
市街地が途切れたところで市境というのは分かりやすいですね。
道は二股に分岐しますが、本線側が国道188号の続きで、側道側が県道366号徳山下松線となります。
県道366号は国道188号の旧道に当たり、下松バイパス全通により県道格下げとなったようです。
県道に入ってしばらくすると唐突に踏切が出てきました。
普通に考えれば山陽本線の踏切かと思いますが、実はそうではありません。
この左手にある敷地は日立製作所笠戸事業所の敷地でして、ここでは鉄道車両の製造を行っています。
完成した鉄道車両は納入先の鉄道事業者のところへ運ばれていくわけですが、その時に使用するための専用線がこの踏切というわけです。
ここを完成したばかりの車両が横切る光景はネット上の動画でもお馴染みだと思います。
下松駅に到着です。
ここから若干乗ってきました。
下松駅から下松タウンセンター前への利用はそこそこあるようですね。
その先は県道63号を経て下松タウンセンター前へ向かいます。
しかし、陸橋が終わるとすぐに2車線に収束するというw
あとから拡張が難しい高架部だけ4車線にして、地上部はとりあえず2車線で建設したとかでしょうかw
バス停は屋根付きの待合スペースもありました。
防長交通のバスも乗り入れており、徳山・戸田・花岡・温見方面へ行けるようです。
付近はゆめタウン下松などの商業施設が集まっていて、ここへ来るだけで大抵の用事が済ませられそうです。
最初はここで昼食を食べてから徒歩で下松駅へ向かい山陽本線に乗ろうかとも思っていたんですが、最後のJRバス光線を少しでも長く体験したいということで、バスで光駅へ戻ることにしました。
光駅も十分に見れていませんしね。
このまま折り返し運行となるようで、室積公園口行きの幕に変わりました。
てっきり一度どこかへ回送してからまた戻ってくると思ったんですが、バス停に置いたままとは意外でした。
そのため、他の路線の邪魔にならないように前に詰めて停車させていたようですね。
これに乗って光駅へ戻ります。
今度は途中で降りてしまう形になるので前面展望は撮りませんでした。
↑最後にバスを見送って、光線編は終わりです。
あとは駅周辺で適当に昼食を済ませてから光駅を見ていきます。
光駅
ここからは山陽本線に乗りますが、先程は時間がなくて見られなかった光駅を見ていきます。
あと、駅名の部分に虹があしらわれているのもまた印象的ですね。
光という地名ですから分光で見える虹ということなんですかね。
それか、駅の所在地の地名が光市虹ヶ浜であることとも関係があるかもしれません。
時刻表です。
防長交通はあとで乗車する徳山~柳井間の路線が乗り入れています。
バス乗り場は駅を出て目の前にあって、電車との乗り換えは非常に便利になっていました。
更には駅前の掲示板にもJRバスの時刻表が掲示されていました。
やっぱりJRバスは特別扱いされているんですかね。
時刻表です。
室積方面と下松タウンセンター前方面で分けて書かれていますが、下松タウンセンター前行きは本数がないのがお分かり頂けると思います。
観光案内図もありました。
こうしてみると光市もなかなか広いですね。
駅前広場です。
交通結節点としてよく整備されている印象です。
駅前にあるこのモニュメントが先程の説明にあった「輝翔の詩」のようですね。
それとは別に銅像がありました。
市民憲章も添えられていますね。
そこへやってきたのは「ひかりぐるりんバス」というコミュニティバスです。
この時点での運行事業者は中国JRバスの子会社の西日本バスネットサービスなんですが、元々は中国JRバスが運行していたのが、赤字のために規模を縮小せざるを得なくなり、JRバスの路線に対しては自治体による補助が出来ないという法律上の制約があったために子会社を設立した経緯があるようです。
しかし、親会社の中国JRバスが光線から撤退するにあたり周防営業所を閉鎖することになり、あわせて西日本バスネットサービスによる「ひかりぐるりんバス」の運行も終了することになり、後釜として周防近鉄タクシーが引き継ぐようです。
光線のバスも来ました。
光行きの幕は見れていなかったのでよかったです。
続いて駅の内部です。
昨今の流れというべきか、みどりの窓口は閉鎖されており、みどりの券売機で代替されています。
かつては寝台特急の一部も停まっていた駅なんですけどね。
改札口です。
今やこのあたりもICOCAエリア内なので、ICカード対応の改札機となっています。
このアナログな接近表示もいいですね。
JR西日本の駅でたまに見かけるタイプですが、停車列車も通過列車も区別なく表示するのが玉に瑕ですw
改札への通路ですが、もしかしてここもかつてはホームだったとかでしょうか?
かつては長大列車が多く発着していた名残でホームの有効長も長いですね。
乗換案内にも室積方面と出ていました。
これについてはJRバスによる運行ではなくなるにしろ、室積へのバス自体は残るのでそのままですかね。
ホーム間は跨線橋で連絡です。
随分と年季の入った跨線橋ですね。
↑ここで貨物列車の通過です。
出口の案内にも「室積」と書いてあるあたり、光線の存在を前提にしていますね。
やっぱりJRバスは特別なんでしょうか。
上りホームへやってきました。
上下ホームの間が離れていて、かつて側線があったであろう痕跡も見受けられます。
こちらにはより大きな待合室がありました。
旅客流動としては岩国・広島方面へ向かう人の方が多いということでしょうか。
「光」という文字のオブジェがありました。
ある意味究極のシンプル・イズ・ベスト?w
ここで駅名標です。
「光」という地名は意外に新しいものらしく、1943年にそれまで周南町を名乗っていた自治体が改名して光町となったときに登場したもののようです。
由来としては「光海軍工廠」が置かれたことにちなむようで、海軍に由来がある地名ということになりますね。
鉄道で「ひかり」と言えば新幹線の愛称名の1つですが、それ繋がりで行くと「こだま」と読む駅名は埼玉県にある八高線の児玉駅があるものの、「のぞみ」と読む駅はないようです。
その他、2015年にソフトバンクが光回線のPRとして当地を舞台にしたCMを制作したことがありました。
↑それでは山陽本線に乗って柳井駅に向かいます。
柳井駅
山陽本線に柳井駅までやってきました。
ここからバスに乗り換えですが、乗り換え時間が少々あるのでその間に駅を見ていきます。
↑乗ってきた列車の発車シーンです。
駅名標です。
柳を”やな”と読むのがやや変則的ですが、福岡県の柳川市などの例もあるので、それを知っていればなんとなく読めるかもしれませんね。
ちなみに、由来としては市内にある「柳と井戸」という湘江庵境内にある井戸らしく、意外とそのまんまですねw
ホームは変則3面4線で、かつて優等列車が多く走っていた栄光の時代を物語る規模感です。
調べてみると構内にかつて走っていた優等列車の乗車位置案内が残っているという情報をキャッチしたのですが、残念ながら訪問時は気付かず撮影していませんでした。
今では死語に近いであろう「便所」という表記もまた国鉄時代の雰囲気を醸し出します。
下り線への乗り場案内です。
徳山・防府方面と案内されていますが、これで下関・博多方面とでも書いてあったらよかったのにw
それでは改札を出ます。
流石に時代に合わせて自動改札機が設置されていますが、改札口の広さとか、かつてラッチがあって有人改札だけだった時代を想像できますね。
あと、右側に小さくですが「四国・松山方面は次の柳井港駅からお乗りかえ下さい」と案内されていますが、柳井港からは松山行きの防予フェリーの他、平郡島・祝島への航路も出ているようです。
原因はおそらくこのスペースでしょうね。
以前に何があったのかは分かりませんが、現在の柳井駅は駅構内にコンビニすらなく、みどりの窓口も無くなっているなど、光駅同様にかつて寝台特急も停まっていたことを考えると寂しい現状です。
周辺案内図がありました。
柳井市は山陽新幹線や山陽自動車道といった高速交通路のルートから外れてしまったこともあって、新幹線・高速道路が通った周南市と比べると工業化も進まず発展の度合いにも差がついてしまったという印象ですが、その代わりに古い町並みがに残り、白壁の町並みなど観光資源として活用されているようです。
その白壁の町並みについての案内板もありました。
駅から500mほどなので電車で訪問した場合も気軽に訪れることができるでしょう。
ただ、今回はそこまでの時間的余裕はないので行けませんがw
駅前広場です。
ロータリーもちゃんと整備されていますし、高層マンションの姿もあったりと、駅周辺は栄えているようです。
新幹線や高速道路が通らないとはいえ、徳山や岩国へも電車で1本と考えると割と便利と言えるでしょうしね。
駅の入口部分です。
駅名はなぜかひらがな表記になっていますね。
引いて駅舎の全景です。
古くからの地方駅という雰囲気をよく残していますね。
それではここからは防長交通のバスで徳山駅へ移動です。
防長交通100系統(快速) 柳井駅前→徳山駅前
これから乗車していくのは防長交通の100系統快速です。
防長交通自体が私にとって初めての乗車であり、記事で取り上げるのも初めてなのでまず会社そのものを解説しますと、防長交通は山口県中東部と島根県津和野町周辺を事業エリアとするバス事業者で、近鉄の資本が入っており近鉄グループの一員です。
下関市を拠点とするサンデン交通と併せて山口県の2大バス事業者と呼んでいい規模でしょう。
社名は山口県の旧国名である周防と長門から1字ずつとったもので、実際に旧長門国の領域にも路線を持っています。
特徴的なのはバスに種別を設定していることで、快速・急行・特急など鉄道のような種別を定めています。
特急はおおむね高速バスや高速道路を経由しないものの都市間輸送を目的とする長距離路線に設定され、急行は東萩~秋芳洞間の路線にのみ設定、快速は一般路線の中で比較的運行距離が長いものに設定されているようですが、快速を名乗っている路線でもそれに対する各駅停車に当たる路線が存在せず、運行区間内で通過するバス停がなかったりするなど、普通と快速の区別は曖昧で、単に運行距離が長い路線を快速と呼んでいると考えたほうがいいでしょう。
今回乗車する柳井~徳山間の路線も快速ですが、特に停車するバス停が少ないということもなさそうです。
その他の特徴としては循環路線については「じゅんかん」とひらがな表記で案内することなども上げられますね。
経営面では他社では一般的な地域分社化をせず全路線が本社直営で運営されているといった特徴もあります。
また、2023年より主要路線など一部路線を対象にICOCAを導入し、2024年より全路線で利用可能になっています。
続いて乗車する柳井~徳山線についてですが、主に国道188号・県道366号を経由する路線であり、柳井駅も徳山駅も山陽本線の駅ですから山陽本線に並走する路線ということが出来ます。
所要時間ではJR山陽本線が40分弱なのに対してバスは1時間半以上と倍以上の所要時間がかかり、いくら山陽本線の本数が少ないことを考えてもバスの需要なんてあるのかと思いたくなるルート設定ではありますが、国道188号経由という点がミソであり、柳井~光間の山陽本線は内陸寄りを通り、田布施・岩田・島田を経由して光へ至りますが、国道188号はこの区間を海沿いに走り、平生町や光市室積地区を経由するルートとなっており、これらの地区に対する需要があるため鉄道と住み分けられていると言えそうです。
そのため、先程乗車した中国JRバス光線とはルートの大半が重複しており、中国JRバス撤退後は室積公園口~光駅間をこの路線の一部に組み込む形になるようです。
運行本数はおおむね1時間に1本程度は走っており、地域の基幹路線という位置付けであると考えられます。
余談ですが、現在の山陽本線の前身となる山陽鉄道は、当初室積を通る海沿いルートでの建設を計画していたものの、ルート上の漁村の住民などから「汽笛で魚が逃げる」とか「宿場が廃れる」として反対運動があったためやむなく内陸ルートを選んだといういわゆる「鉄道忌避伝説」があったりします。
全国にあるこの手の鉄道忌避伝説の多くが実際には別の理由で現在のルートになったものを、後年の後付けで鉄道忌避伝説だったとされているケースも多いらしく、室積経由にならなかった理由も海岸近くまで山が迫る海沿いルートよりも内陸ルートのほうが工事がしやすいという合理的な理由だった可能性も指摘されてはいるものの、当時をリアルタイムで知る世代ももういないでしょうし、今となっては想像するしかないですね。
でも、室積は古くから天然の良港として多くの船が集まり栄えており、現在光駅があるあたりよりも栄えていたという話もありますから、山陽鉄道としても出来ることならば室積を通したかったと考えても不思議はないですし、あとに国鉄バスが室積まで行くようになったのもそれを反映していると言えそうです。
逆に言えば、山陽鉄道が室積経由で建設されていたら中国JRバス光線も、今から乗る柳井~徳山線も存在しなかった可能性が高いですね。
それではレポート本編に戻りましてバス停です。
昔ながらのシンプルなバス停ですね。
そこへバスがやってきました。
今や都市部では見かけることのないレトロなタイプですが、これが徳山行きになるのかと思っていたら、結局は違う路線のバスでした。
そして、徳山行きがやってきましたが、これは・・・マニア席がないやつですね。
地方でも導入が進んでいるとは聞いていましたが、当たってしまうとは・・・
なので、前面展望は諦めるしかなさそうです。
側面の幕です。
ちゃんと快速と案内されていますし、経由地に平生と室積を表記しているあたりも、この路線のメインターゲットがこれらの地区であることが分かりますね。
それでは乗り込みます。
↑前面展望は無理ですが、海沿いを走る路線ということで側面の車窓を撮ることにしました。
※4月20日にプレミア公開予定なので、それ以前にご覧の方は公開までしばらくお待ち下さい。
あと、車内にあったこれですが、古いバスに付いているのは見たことがあるものの、新しいはずこのタイプのバスにも付いているのは意外でした。
今は降車ボタン自体が光るので不要にも思えますが、昔の降車ボタンにはそんな機能がなかったためにこういうギミックでちゃんと反応したことを乗客に知らせていたんでしょうね。
でも、新しいバスにもわざわざ着けているのはどういうことなんでしょうか?w
駅を出ると県道7号に入り陸橋で山陽本線を跨いでいきます。
そしてすぐに国道188号に入っていきます。
土穂石川を渡って少しするともう柳井市は終わりで、平生町に入っていきます。
十三割付近で一度国道を外れて役場を通ったりしつつも基本的には国道188号を走行します。
このあたりは田園風景が続き、のどかな景色でローカルバスの旅という感じがしてきます。
新八海橋で田布施川を渡ります。
上関町方面への路線とは別れて、ここから先はこの路線の単独区間となります。
いよいよ海が見えてきました!
海沿いに進む間に平生町から光市に入っていきます。
海辺にあるバス停というのもいいですね。
バス停名は「亀の井ホテル前」ですが、実際に亀の井ホテルせとうち光というホテルが近くにあります。
室積からは光線と同じ経路となり、以後下松駅あたりまで続きます。
対向車線に光線のバスを見つけたりしつつ光市内を走っていきます。
国道から県道へ入って日立製作所笠戸事業所が見えてきます。
例の踏切ですが、工場敷地との境界に当たることもあって、列車が通る時以外はゲートで塞がれているようです。
事業所の看板もありました!
いつかここから搬出される車両を見に来たいですね。
そして下松市内ですが、光線とは違って下松タウンセンターの方へは行かずに県道366号を真っすぐ進んで徳山駅まで行きます。
一方、下松駅北口から発着し、タウンセンターの方を通って徳山駅まで行く路線も存在しており、途中の経路が違うものの下松~徳山間の区間便という見方もできますね。
下松市は終わって周南市に入りました。
周南市は2003年に徳山市・新南陽市・熊毛町・鹿野町の4市町が合併して成立した市で、鉄道駅の名前としては旧名となる徳山駅や新南陽駅がありますね。
周南市は工業都市としても有名で、この工場地帯の景色は新幹線の車窓からも見ることが出来ますね。
その後は県道347号に合流して防長交通本社前やゆめタウン徳山なんかも通りつつ徳山駅に到着します。
ここからは岩国行きに乗り換えですが、乗り換え時間がかなりあるので・・・
徳山駅で新幹線を撮る!
乗り換え時間を使って新幹線を撮ることにしました。
実は朝乗ってきた「ハローキティ新幹線」が滞在時間中に折り返してくることが分かったのでそれを中心に新幹線を撮ることにしたのです。
もちろんハローキティ新幹線以外にも色々撮っていきます。
まずは駅舎です。
こちらはみゆき口と呼ばれ、街の中心はこちら側になるようです。
また、駅舎の中には市立図書館を初めとした「徳山駅前賑わい交流施設」があって、新幹線駅であることを加味しても大きな駅舎となっています。
乗り入れるバスの本数も多いため、バスターミナルもかなり本格的なものが整備されていました。
続いてみなと口と呼ばれる方の駅舎です。
新幹線のホームがある側ですので、必然的に駅舎もそれなりの大きさですが、周囲はホテルやレンタカー店などが集まる一方で商業施設はあまりなく、みゆき口ほどの活気はありません。
また、徳山港まで数百メートルという立地で、そこからはスオーナダフェリーで大分県の竹田津港へ抜けられる他、大津島への航路も出ていて離島連絡の役割も持っています。
駅前広場の一角です。
こちら側にも駅前ロータリーはありますが、路線バスの発着はなく、タクシーや送迎マイカー向けの施設となっています。
こちらが新幹線乗り場です。
ここで入場券を買って構内で撮影というわけですね。
ところで、こんな場所があったんですが、なんだか昔徳山駅を利用した際に、ここを降りて外へ出たような記憶があるんですよね。
もしかしてかつてはここが出入口だったとかでしょうか?
新幹線のコンコースです。
売店や待合室などの設備が整っていますが、流石に東京駅や新大阪駅ほどの活気はありませんね。
それでも、日中は「さくら」と「こだま」が1時間おきに停まりますし、「のぞみ」の一部の停車しますから、決して利用者が少ないわけではありません。
ホームへやってきました。
相対式2面2線の間に通過線を挟むという新幹線の途中駅としては典型的な配線ですが、駅付近に半径1600mという新幹線にしては急なカーブがあって、通過列車であっても185km/h以下の速度制限を受ける場所になっています。
山陽新幹線では原則としてカーブの半径を4000m以上とする方針でルート選定が行われていますが、市街地を通過する場所などで例外的にそれ以下のカーブ半径となっている場所があり、徳山駅もその1つです。
他は新大阪駅や岡山駅など全ての列車が停車するような主要駅の近くであり、どのみち駅付近ではそれほど高速運転をしないため運行速度への影響はほぼありませんが、徳山駅については通過列車も多く設定されている中でのこの急カーブなので運行への影響も明らかに出ています。
なぜそんなカーブが発生してしまったのかというと、元々徳山駅には新幹線は乗り入れない計画であり、山陽新幹線は徳山の市街地を避けて山側を通り、郊外に新徳山駅を設置する計画でした。
しかし、地元より在来線と同じ徳山駅に乗り入れてほしいという声が上がり、それを聞き入れてルート変更を行ったものの、当初計画ルートから迂回させることになるため、やむなく規格外の急カーブを挿入して徳山駅へ繋げる線形となったようです。
確かに徳山駅付近の山陽新幹線の線形を地図で見てみると、特に博多方面なんて、それまで山側を走っていたのが急にカーブして市街地に入っていき徳山駅に乗り入れていきますから、その痕跡が見て取れます。
当初計画ルートは恐らく現在の山陽自動車道に近いものだったんでしょうね。
このように、徳山駅に用事がない山陽新幹線の利用者にとってはスピードダウンの原因でしかない徳山駅へ乗り入れですが、周南市にとってみれば、新徳山駅だったらおそらく路線バスに乗り換えての利用になっていたでしょうし、徳山駅からそのまま乗れるのと比べれば利便性はかなり低下していたでしょうから、よかったといえそうです。
なので、徳山駅で通過する新幹線を撮る場合は、スピードが遅い分カメラの操作に余裕が出来ますし、カーブを走る姿はまた画になりますので、撮影に向いた駅といえますね。
ただし、高速通過を目当てにする場合は別ですがw
乗り場案内ですが、九州新幹線の開業をちゃんと反映させて博多・鹿児島中央方面と書いてありました。
ということは2011年以降に設置されたことになりますね。
山陽新幹線では16両編成の列車と8両編成の列車が混在しているため、8両編成のときはこんな案内が出ます。
東海道新幹線では全列車が16両編成となっているのに比べると山陽新幹線はややローカルな印象もありますね。
ちなみに、0系や100系が現役だった頃は、6両、更に短い4両なんて新幹線もありました。
特に4両は歴代でも最も短い新幹線の編成といえるでしょう。
ホーム上にも案内がありますが、「レールスター」と書いてありますね。
700系ひかりレールスターのことでしょうが、今や「こだま」で余生を送るのみで、すっかりマイナーな存在になってしまいました。
でも、九州新幹線と直通するようになるまでは現在の「さくら」の位置に「ひかり」があって、8両編成といえば「レールスター」という時代を物語る遺物ですね。
それではあとは列車を撮っていきます。
まずは500系です。
ハローキティ新幹線ではなくて普通のやつですが、「こだま」になった今もカッコいいですね。
8両編成になってしまったのが残念ですが、それでも「のぞみ」撤退時に全廃されなかっただけよかったと思いましょう。
編成写真を狙ってみました。
カーブの関係で後ろのほうが切れてしまっていますが気にしないw
↑それでは発車シーンです。
続いてN700系「さくら」です。
↑これも発車シーンをどうぞ
↑続いて反対方向のN700系「さくら」が入ってきました。
定番のアングルですが写真でも撮ります。
ホームドアがないので撮りやすいです。
発車していくところをズームで狙ってみました。
カーブがいい感じですね。
↑N700S「のぞみ」が通過です。
↑反対方向のN700S「のぞみ」です。
ホームの影が落ちてしまって光線的には残念ですが、カーブを駆け抜けていく感じはよく出ていると思います。
↑続いてN700系「さくら」が通過です。
それではいよいよメインの「ハローキティ新幹線」がそろそろやってきます。
↑そして発車です。
さて、それでは撤収!・・・と思ったら
↑また「のぞみ」が通過です。
N700SではなくてN700Aだったのでこれはこれでよかったですかね。
それでは今度こそ撤収です。
あとはバスに乗って岩国へ向かいます。
防長交通 徳山駅前→岩国駅前(快速)
撮り鉄を挟んで、ここからは再び乗りバス編です。
まずは乗車する徳山~岩国間のバスの解説ですが、この路線は徳山駅前と岩国駅前を結ぶもので、おおむねJR岩徳線に並走する路線ということが出来ます。
海沿いを行く山陽本線に比べると距離が短いルートではありますが、バスが2時間ほどかかるのに対して、山陽本線が1時間10分ほど、1時間20~25分ほどとなっており、流石に列車の方が早いです。
運行本数はおおむね3時間に1本と、かなり少ないですが、同じく本数が少ない岩徳線と相互に補完し合う関係と言えそうです。
運行経路はほとんどが国道2号でして、玖珂~岩国間では岩徳線より北側の廿木峠(はたきだお)を経由していて、新岩国駅にも乗り入れるなど岩徳線とは差別化されたルートといえます。
鉄道とおおむね並走するルートでありながら全長は55kmほどもあり、峠越えまであるという乗りバスするには楽しい路線ですね。
路線図がありました。
これを見ると遠石八幡宮まではほとんどの路線が重複し、さらに末武までは下松駅北口行きも重複して走るようですね。
時刻表です。
下松行きは地方都市としては十分過ぎる本数が確保されていますが、それに対して岩国行きの本数の少なさが際立ちますね。
あとはバスを待ちます。
来ました!
これはマニア席があるタイプなので前面展望が楽しめそうです!
↑前面展望をどうぞ!
※4月21日公開予定なのでそれ以前にご覧の方は公開までしばらくお待ち下さい。
乗客は私の他に数名で出発していきます。
まずは県道347号に出ます。
徳山地区の目抜き通りなのかかなりの幅員です。
ゆめタウン徳山が見えてきました。
ところで、ゆめタウンというと東日本にお住まいの方には馴染みがないかもしれませんが、広島市に本社を待つイズミという会社が運営するショッピングモールの名前です。
中国・四国・九州に店舗網を広げており、近年は兵庫県へも進出しているんだとか。
全国展開するイオンと違って東日本での知名度は低いかもしれませんが、西日本ではイオンと並んで有名です。
山陽本線に沿って周南市内を進んでいきます。
このあたりでちょくちょく乗ってきて車内は多少賑わってきました。
末武中交差点からいよいよ国道2号に入っていきます。
中国地方を代表する国道だけあって交通量もかなりのものです。
青看(案内標識)にも岩国・広島など広域的な地名が案内されていますね。
ここで再び山陽新幹線が出てきました。
また、高架に隠れて見えませんが岩徳線の線路もすぐ脇を通っています。
駅でいうと生野屋駅付近であり、下松市の一部になるようです。
下松というと海沿いにある下松駅のあたりというイメージが強いですが、こんな内陸の方まで市域が広がっていたんですね。
その先は住宅地が続き、このあたりでちらほら降りていきました。
この付近は久保団地というらしく、朝夕にはここで折り返す区間便もあるようです。
一度国道を外れて県道140号に入ります。これも国道の旧道なんでしょうね。
その区間内で岩徳線と交差します。
すっかり田舎道という雰囲気ですね。
これが昔の国道2号の姿なのでしょう。
そして、国道2号に復帰しますが、山陽自動車道と交差すると同時に車線が減って2車線となりました。
熊毛インターチェンジの案内標識が出てきました。
この付近はかつての熊毛町の範囲であり、現在は市町村合併により周南市の一部となっています。
つまりは一度下松市に入ったのに、また周南市に戻ってきたことになりますね。
高水駅付近からは一旦岩徳線沿いを離れていきます。
ここから勾配もきつくなり始め、登坂車線も出てきました。
国道標識と絡めてみました。
このあたりからもう岩国市になりますが、岩国市も合併で広くなっていますから、岩国駅はまだまだ先です。
高森地区を抜けて野口交差点で道は二股に分岐していきます。
直進側は県道15号岩国玖珂線、分岐側が国道2号となっており、まるで県道の方が本線という感じの線形になっています。
これは利用実態を考えれば妥当なものでして、県道15号は欽明路道路の通称を持ち、おおむね岩徳線に並行しつつ岩国市街まで向かい、西岩国駅付近の錦見交差点で再び国道2号に合流するのに対し、国道2号は北側へ迂回して廿木峠などの峠を越えて錦帯橋の方を通って岩国市街へ至るため、国道2号のほうが遠回りなことから通過交通の大半が県道15号を使っている実態があるようです。
この県道15号は当初国道2号に対する有料のバイパス道路として建設されましたが、建設費を回収できたことから無料開放されて一般県道となりました。
バスは国道2号を引き続き通行していき、廿木峠を越えていきます。
国道2号を進んですぐにこんな場所が現れました。
鯉のぼりやら幟やらが存在をアピールし、多くの車がひしめいて駐車されているここは「いろり山賊」というお店で、業態としては飲食店になります。
その派手な見た目や看板メニューの「山賊焼き」で人気を集めており、近年はテレビなどで紹介されることもあるためか県外からも客が集まっているようです。
ちなみに、「山賊焼き」というと長野県にも同名の郷土料理がありますが、名前が同じなだけで全く違う料理です。
店の先にも駐車場があって、人気ぶりが伺えました。
いつか行ってみたいです。
そして、道は右へ左へとうねるように曲がり始め、いよいよ峠という感じがしてきました。
廿木峠(はたきだお)の始まりです。
ちなみに、峠を「だお」と読むのは西日本に多い地名だそうですが、ここの場合は付近に位置するバス停の名前も「廿木峠(はたきだお)」ですから、古くから呼び習わされて定着したものなんでしょうね。
また、駅名としては美祢線の湯ノ峠(ゆのとう)駅や山陰本線の梅ヶ峠(うめがとう)駅のように”峠”を「とう」と読む例もあります。
これも「たお」が変化したものという説もあるようで、「だお」はかなり歴史のある読み方のようですね。
木々に遮られて鬱蒼とした道ですが、岩国市街まで残り19kmのようです。
ここが国道2号の一部と聞いても信じられない人も多いかもしれませんが、この区間は欽明路道路が早くからバイパスとして存在していたために大規模な改良は行われずに昔ながらの道のりが残ったのかもしれません。
最後にまた細かくカーブしながら高度を下げて錦川沿いに出ていきます。
岩国IC入口交差点は右折です。
国道2号を引き続き辿るならば左折ですが、新岩国駅に立ち寄るために寄り道というわけです。
新岩国駅にやってきました。
流石に新幹線の駅だけに大きいですが、「こだま」しか停まらないこともあって駅前は閑散としていました。
せっかく迂回してまで立ち寄ったのに乗降もありませんでしたが、これは時間帯の問題ですかね。
午前中とからなら岩徳線沿線の地区から山陽新幹線を利用する人がこのバスを利用するとかはありそうです。
その先も国道2号ですが、もうちょっとで岩国市街というところで道を外れていきます。旧道に当たる県道112号に入っていくわけですね。
この区間に岩国市屈指の観光名所である錦帯橋があるために旧道を通っているようです。
車窓からもばっちり錦帯橋を見ることが出来ます。
こちらが錦帯橋バスターミナルです。
そろそろ観光を終えてホテルへ向かうか帰路へ就く人たちの多い時間帯でしょうし、実際バスターミナルには10名前後は待っていましたが、彼らは乗ってくることはありませんでした。
このあたりは”いわくにバス”がメインで、防長交通は珍しいので乗っていいのか分からなくて乗ってこなかったのかもしれません。
そして、いよいよ終点の岩国駅が見えてきました。
約2時間の道のりでしたが、路線バスで2時間なんてそうそう体験できませんよねw
岩国駅に到着です。
流石にちょっとお尻が痛くなってきたので、バスを降りるなり体を動かしてストレッチしましたw
岩国駅と防長交通
岩国市内は”いわくにバス”が圧倒的に多いので、防長交通が駅前にいるのはややレアですね。
ちなみに、徳山からの路線のほかは岩国市営由宇バスというコミュニティバスを受託しているくらいで、岩国駅前に防長交通のバスが居るのはそこそこレアと言えます。
↑なので引き上げの様子は動画で撮りました。
これにて防長交通編は終わりで、あとは岡山までひたすら移動です。
ここで少し早めの夕飯です。
駅周辺にある「海翔」というお店の海鮮丼です。
以前に18きっぷの乗り換えの合間に利用して気に入っていたので、今回も訪れることにしました。
高速バスを乗り継いで岡山へ
ここからは岡山への大移動です。
18きっぷシーズンだったので、18きっぷで移動してもよかったのですが、ここまでバスづくしで来ていましたし、何度も18きっぷで通ってきた山陽本線よりも高速バスの方が面白そうだということで、バスにしました。
まず、いわくにバスの岩国~広島線で広島バスセンターヘ向かい、そこからは「サンサンライナー」という高速バスで岡山駅へ向かいます。
いくら高速バスが鉄道よりきめ細かいルート設定をしているとは言え、流石に岩国~岡山間直行のバスはありませんでしたw
発車標がありました。
18時ちょうどの広島バスセンター行きに乗りますが、これが広島バスセンター行きとしては最終になります。
それでは乗り込みます。
乗客は私だけのようで、そのまま発車していきました。
まあ、この時間に広島へ向かう人は少ないんでしょうね。
既に車窓は日没寸前ですし、何より逆方向とはいえ、以前の活動で乗ったことのある路線ですので、道中はカットして広島バスセンターまで飛ばします。
広島バスセンターに到着です。
途中で乗ってきた数名の乗客で到着でしたが、まあこんなもんですかね。
ここでも1時間弱の乗り換えで、せっかくの広島なのでお好み焼きを食べようとお店に行ってみるも長蛇の列だったため諦めました。
お好み焼きを見越して岩国では軽くしか食べなかったんですが残念・・・
なのであとはバス乗り場で待つことにしました。
次に乗る「サンサンライナー」は全席指定席なので早く並ぼうが座席は変わらないんですけどねw
乗り場がオープンエアなので、外気に晒されるデメリットがありますが、撮影においてはむしろありがたいですよね。
こちらは光線でも利用した中国JRバスです。
広島にも路線を持っていて、かつては北広島町大朝まで至る広浜線という路線を運行していました。
元々は浜田まで行っていた長大路線でしたが、高速バス化で浜田までは行かなくなり、更に赤字を受けて2023年3月末でJRバスによる運行を終了し、運行区間を短縮したうえで広島交通に移管され、広浜線としての運行は終了しました。
乗ってみたかった路線の1つでしたが、乗れずに終わってしまい残念です・・・
あと、もう1つ今年の3月末での廃止路線があり、広島~広島大学線という高速バスがありました。
これも乗ろうか悩んだんですが、広島大学が他の鉄道駅との連絡が悪いなどの事情もあって行程には組み込めず断念しました。
夜間でもいいからとにかく乗るだけでいいというならば無理やり組み込むこともできたでしょうが、明るい時間帯に乗ってちゃんと取材するとなると厳しかったですね。
端っこの乗り場に停車するので入線後は撮影が難しいですね。
まあ、この先のサービスエリアでの休憩か岡山駅到着時に撮るとしましょう。
事前にコンビニ端末で発券しておいたチケットを見せて乗車し、あとは指定された席に座ります。
ここで「サンサンライナー」について解説です。
「サンサンライナー」は広島市と岡山市を結ぶ高速バスでして、広島側は広島バスセンター・新白島駅・不動院・中筋駅の4箇所で、岡山側は岡山IC・岡山駅西口の2箇所で客扱いをします。
昼行便のみが1日12往復設定され、広交観光・中国JRバス・両備バスの3社で共同運行されています。
所要時間は2時間半ほどで、新幹線には流石に敵いませんが、18きっぷで広島~岡山間を移動するよりは早いです。
運賃は3000円ぽっきりで、往復利用だと5400円になる他、回数券の設定もあります。
利用には予約が必要で、「発車オ~ライネット」からのネット予約か運行各社の予約センターでの電話予約のいずれかで予約をしないといけません。
設備は4列シートですが、トイレ・コンセント・Free Wi-Fiを備えていて、高速バスとしての設備は一通り揃っています。
座席コンセントはこんな感じです。
USB端子だけというパターンもある中で、コンセントなのは嬉しいですね。
というのは、私はPD給電に対応した充電器を持っているのですが、USB端子だけ付いている場合は通常の速度での充電しかできないためです。
あと、壁面にもコンセントがありました。
座席後ろのコンセントが2つあったので、左右の席で1つずつということかと思ったのですが、ちゃんと窓側・通路側それぞれ用意しているようですね。
つまりは1席につき2つコンセントがあるわけですが、スマホを充電しながらパソコンも使いたいというようなニーズに応えるためなんですかね。
この時点では3分の2くらい席が埋まっており、通路側がたまに空いているくらいで、予約サイトで空席状況を確認するとほぼ満席のようです。
私の隣の席も発売済みのようなので、この時点では空席でしたがこの先で乗ってくるのでしょう。
その後、新白島駅・不動院・中筋駅と停車していきますが、私の隣の席は空席のままでした。
サイト上では間違いなく発売済みなので、直前キャンセルされたか、乗り遅れてしまったかですかね。
まあ、私としては2席分を広々と使えるのでありがたいですがw
広島ICより山陽自動車道に入ると、あとは休憩以外はノンストップで岡山を目指します。
夜行バスだと景色を見られませんが、この便は夜間の運行とはいえ昼行便なのでカーテンも空いていて暗いながらも景色が見えるのが楽しかったです。
八幡パーキングエリアで休憩がありました。
路線もそれほど長くないこともあり、休憩はこの1回だけです。
バスも撮ります。
ここまで書いていませんでしたが、両備バスの担当便でした。
あとはノンストップで岡山ICまで行きました。
岡山インターのバス停でもいくらか降りていきますが、ここはパークアンドライドに特化したバス停といえ、周辺には高速バス利用者が利用できる駐車場があるのです。
ここまで来ればもう岡山駅もすぐそこです。
終点の岡山駅に到着です。
これにてこの日の活動も終わりです。
あとはホテルへ向かうだけだと思って歩いてたら「サンライズエクスプレス」の姿が!?
そういえばこのくらいの時間に岡山を出るんでしたね。
それではホテルへチェックインして5日目は終了です。
6日目以降は別記事として追ってレポートしていきますので、公開までしばらくお待ち下さい。