18きっぷで行く東北遠征2025(3日目/リゾートしらかみ)

4泊5日で実施した東北遠征の3日目です。
なお、1日目2日目をご覧になっていない方はそちらから先にご覧になることをお勧めします。

本日の行程

3日目となる今日は昨晩宿泊した秋田からスタートし、まずは男鹿線を男鹿まで1往復乗車し、その後は「リゾートしらかみ」を弘前まで1往復して秋田に戻ったらゴールというシンプルな内容です。
乗車する列車は全部で4本と少ないですが、特に「リゾートしらかみ」の乗車時間が長く、時間的には1日をフルに使う行程となっています。
男鹿線についてはEV-E801系になってからはごく僅かな区間しか乗っていなかったので全区間を1往復しておこうという理由であり、さらに言えば乗車する「リゾートしらかみ」の出発が10時50分と遅かったので余った時間を有効活用したという側面があります。
「リゾートしらかみ」についてはキハ40系の「くまげら編成」が充当される便を選んでおり、五能線の車窓だけでなくてキハ40系の乗り心地も楽しみたいと思います。

まずは男鹿線を1往復

それでは早速本編スタートです。
まずは男鹿線ですが、実は男鹿線については過去に2回乗車しており、1回目は2017年の遠征の中で乗車し、この時に初めて男鹿線に乗車し、完乗を果たしました。
2回目は翌2018年のことでして、この時は「リゾートしらかみ」と普通列車で五能線を往復するという行程だったのですが、余った時間で出戸浜駅を訪れたときです。
本来はキハ40系のうち乗車していなかった追分→秋田の録音を確保する目的がありましたが、運用が変わったのかキハ40系だと思っていた列車がEV-E801系であり、図らずもEV-E801系の初乗車を果たしていました。
しかし、この時は出戸浜→男鹿という短い区間しか乗っておらず、今回は男鹿線を1往復することで全区間の録音を確保しようという狙いですね。


というわけでEV-E801系です。
この車両は蓄電池式の電車であり、非電化の男鹿線を運行することが可能です。
同様の車両として烏山線を走るEV-E301系もありますが、EV-E301系は直流用の車両であり、JR東日本が独自に開発しましたが、EV-E801系は交流用の車両であり、JR九州のBEC819系をベースに開発されました。

今のところは航続距離の問題もあり、比較的距離が短く、電化路線と直通しているような路線を中心に活躍する蓄電池式電車ですが、バッテリー技術が進歩していけば今後活躍の幅が広がっていく可能性もありますね。


車内には電力の流れを示すモニターがありました。
ハイブリッドほど複雑ではありませんが、電化区間では架線からの電気を使用し、必要に応じてバッテリーの充電も行い、非電化区間ではバッテリーの電力を使用するという流れになります。


↑動画も撮ってみました。

夏休み中ではありますが学生もいくらかいるかなと思いきや、むしろ観光客風の人が多いという車内でした。
男鹿も観光地として有名ですしね。


よく見ると車両基地に583系がいました。
なんでも1両だけ車籍が残っているそうで、今後保存などの動きがあるかもしれませんね。


ここはおまけ的な意味合いが強いので道中はカットして男鹿に到着です。
ここでは少し滞在時間があるので、8年ぶりの訪問ということもあって軽く駅を見ていきましょう。


そうそう、男鹿駅構内には充電用の架線が設置されており、停車時間を利用して充電を行います。
男鹿駅では30分ほど折り返し時間が設定されていますが、充電時間を確保する意味で長めの折り返し時間となっているのでしょうかね。

ところで、ふと思ったのはもし男鹿行きの列車が遅延して到着した場合って、折返しの発車時間よりは前に到着できたとしても充電が終わるまで発車できないとかあるんですかね。
流石に充電が目的地までギリギリ足りるというような余裕のない運用計画は立てていないとは思いますがねw


駅名標です。
観光地らしくイラストを使ったポップな感じになっていますね。


ホームは島式1面2線ですが、かつては貨物輸送があった関係か構内は広くなっています。


駅の脇には風力発電が設置されています。
使われなくなった構内の敷地を有効活用しているんですね。


ホームがそのまま改札口への通路となっています。


改札口です。
Suicaエリア内となっており、簡易改札機が設置されていますが、紙の切符の人は駅員さんが対応します。
そういえば、今回は18きっぷですが、今は18きっぷも自動改札対応なので、18きっぷを駅員さんに見せるのはルール改定前をちょっと思い出しましたw


券売機です。
指定席券売機と普通の券売機が1台ずつありますが、みどりの窓口は閉鎖されて久しいです。


窓口の上にはなまはげのお面と駅名の由来についての解説板がありました。


待合室にはリアルななまはげの人形が!
迫力ありすぎて子供が泣き出しそうですが、なまはげって本来そういうものですしね。


なまはげ伝説についての解説もありました。


掲示板には闇バイトをしないようにというポスターがありましたが、なまはげがすぐ後ろにいるのでこれは悪いことは出来ません。


駅前には観光地あるあるの顔出しパネルがありましたが・・・


↑なんとこれ、喋ります!w
さっきから唸り声みたいなのが聞こえるなと思っていたらこれなんですね。
なまはげが喋っているイメージのようですが、冒頭で恐ろしげな感じで始まったと思ったら途中から観光客向けの歓迎メッセージみたいになるのが面白いですw


↑実は4か国語に対応しており、英語、中国語、韓国語のバージョンがあるようです。
この動画では英語の音声ですが、中国語、韓国語は再生しても私が理解できないので収録しませんでしたw


そして駅舎です。
前来た時こんなんだったかなぁ?とか思いながら撮っていたんですが、調べてみると2018年に駅舎を移転の上で新築されているそうで、そもそも場所が違うんですね。
2017年訪問時の記事を読み返すと、確かに当時は構内踏切で脇にある駅舎にアクセスする構造でした。


駅名はシンプルなデザインで書かれていました。


側面から見ると大きく「OGA」と書いてありました。


なまはげの石像もありましたが、かなりデフォルメされていますね。
これならキッズも安心?w


側面から構内を見てみます。
このように充電用の架線があるので電化区間に見えますが、架線は1両分だけの短いものであり、しかも剛体架線というしなりのない硬い素材で出来た架線となっています。
一般的な架線に比べて太い分、大電流が流せるため、急速充電をするのに都合がいいわけですが、剛体架線は充電用の用途だけというわけではなくて、通常の電化区間でも使用される場合があります。
この場合は地下鉄やトンネル内など、スペースを節約したい場合に有用ですが、高速運転には不向きという弱点もあり、広く普及しているとは言えません。

ちなみに、男鹿駅では1番線にのみ充電用架線が設置されており、男鹿線の定期列車は全てEV-E801系に統一されているため、通常は1番線のみ使用されており、2番線は臨時列車が設定される場合に使用される程度のようです。


充電用架線は奥にも設置されています。
これは男鹿線がラッシュ時間帯は4両編成で走る場合があるためですが、1日に数回程度しか使われていなさそうです。

この奥には旧男鹿駅の駅舎が残されており、現在はお酒や軽食が楽しめるお店として活用されているそうですが、訪問時はその情報を入手しておらずそこまでは行きませんでした。


それではホームに戻って折り返します。

ここでは思ったより空いていたこともあって車窓を撮ったのですが、2日目の記事で説明したようにデータ紛失により公開はできません。

あとは、秋田駅の隣に泉外旭川駅という新駅が2021年に開業していたのですが、その名前をアナウンスで聞いたのはこれが初めてでした。
余談ですが、私は勝手に「いずみそと・あさひかわ」と区切っていたのですが、実際には「泉」と「外旭川」という2つの地名を合成した駅名なので、「いずみ・そとあさひかわ」と区切るのが正解のようです。


そして秋田に戻ってきました。
ここからは「リゾートしらかみ」ですが、小一時間ほど待ち時間があるので、その間に早めの昼食としました。
お昼ごはんの頃は「リゾートしらかみ」の車中ですし、弘前に着くのは15時50分ともはや夕飯に近い時間になってしまう上に滞在時間的にもゆっくり食事をするのは厳しそうなので早めの昼食をガッツリ食べておき、夕飯まで繋ぐことにしたのでした。
なお、特に名物ではないので写真はありませんw

といったところで男鹿線編は終了で、いよいよ本日のメインの「リゾートしらかみ」です。

「リゾートしらかみ」に乗る!

ここからは「リゾートしらかみ」に1往復する行程となります。

まずは「リゾートしらかみ」について久々の乗車ということで改めて解説しておこうと思います。
「リゾートしらかみ」は五能線と奥羽本線を走る観光列車で、最大で1日3往復が設定され、2往復が秋田~青森間、1往復が秋田~弘前間を運行します。
JR東日本が運行する観光列車の中でも長い歴史を持っており、1997年に運行開始して28年も運行しています。
臨時列車扱いではありますが、青森駅発着の2往復は冬季以外はほぼ毎日運行されており、弘前止まりの1往復は冬季以外の土休日を中心に運行されます。
冬季については弘前止まりが運行されなくなり、青森駅発着の列車も土休日のみとなりますが、一応通年にわたって運行されています。
車内では津軽三味線の演奏や津軽弁語り部、人形劇といったイベントが催される他、一部の停車駅でもイベントがあるなど、乗車するだけではない楽しみが用意されています。
一時は過疎化もあって廃線の話もあった五能線も、「リゾートしらかみ」の登場ですっかり観光路線として人気となり、沿線の活性化にも繋がっているようです。
観光列車によるローカル線活性化の成功例といえますね。

車両については当初はキハ40系改造の青池編成の1編成のみであり、2003年に橅編成が、2006年にくまげら編成が登場し、3編成体制となり、現在の1日3往復体制となりました。
ちなみに、くまげら編成登場までは「蜃気楼ダイヤ」と呼ばれる変わった運行形態がとられていまして、これは「リゾートしらかみ」のうち秋田発弘前行きの「リゾートしらかみ3号」で見られたものでした。
具体的にどんな運用だったかというと、秋田から深浦までは普通に走りますが、深浦駅到着後、一旦岩館駅まで引き返し、その後十二湖駅、ウェスパ椿山駅と停車しながら深浦駅に戻って、改めて弘前駅へ向かっていたのです。
つまりは岩館~深浦間を都合1.5往復していたことになりますが、時刻表では深浦駅に長時間停車するような表記になっており、注記で「あきた白神駅、十二湖駅、ウェスパ椿山駅に下車観光後、同じ列車に乗車できます」と書かれていました。
時刻表には書かれていない列車が走るということで「蜃気楼ダイヤ」と呼ばれていたわけですね。

こんな運行形態をしていた理由ですが、これは十二湖駅やウェスパ椿山駅で下車観光をしてもらうためで、これらの駅で途中下車しても、引き換えしてきた列車に再び乗車して弘前へ抜けられるようにしていたのです。
この滞在時間に合わせたツアーなども企画されていたようですが、この「蜃気楼ダイヤ」はくまげら編成の増備により「リゾートしらかみ」が増発され、「リゾートしらかみ3号」の後続となる「リゾートしらかみ5号」が新設されたことで、途中下車しても後続列車で弘前へ抜けられるようになったため廃止されました。

鉄道を題材にした作品が多いことで知られる西村京太郎氏の作品の中でも「五能線の女」という作品でこの蜃気楼ダイヤを使ったトリックが出てくるそうで、この作品がきっかけで蜃気楼ダイヤのことを知ったという方もいるのではないでしょうか?

その後、2010年には青池編成が、2016年には橅編成がハイブリッド車両のHB-E300系によって代替され2代目となると、くまげら編成のみがキハ40系のまま残されています。
青池編成、橅編成ともに13年目で置き換えられたので、くまげら編成も2019年頃には代替されて然るべきだったといえますが、2025年現在も走り続けており、既に19年も活躍を続けていることになります。
JR東日本では既に一般用の列車としてはキハ40系が全廃されており、残っているのはこの「リゾートしらかみ」のくまげら編成の他、「びゅうコースター風っこ」と「越乃Shu*Kura」といった観光列車だけであり、その中で一番運行頻度が高いのが「リゾートしらかみ」でしょうし、JR東日本管内でキハ40系に乗りたければ「リゾートしらかみ」は狙い目ですね。

「リゾートしらかみ」自体には過去に2回乗っており、1回目は初めて男鹿線を乗りつぶしたときと同じ遠征の中で、青森から秋田まで乗車しました。
この時はHB-E300系(ハイブリッド車両)であり、キハ40系改造の車両ではありませんでした。
2回目はやはりこの翌年の2018年に実施した遠征でして、このときも2回目の男鹿線乗車&初のEV-E801系乗車を果たした遠征で、青森から秋田まで乗車しました。
乗車区間こそ前回と同じでしたが、今度はキハ40系改造のくまげら編成であり、2車種の乗り比べとなりました。
また、この頃は五能線や八戸線へGV-E400系やキハE130系が導入されるという発表が出て、キハ40系の淘汰が一気に進むという時期であり、「リゾートしらかみ」からも遠からずキハ40系が撤退するだろうという予測のもとで乗りに行ったというのもありました。
それから早くも7年経っているわけですが、7年後にこうしてまた乗れるとは思いませんでしたねw

そして、今回は秋田から弘前へ向けての乗車ですが、向きが違うというのに加えて、元々五能線の車窓を撮りたいと思っていたので、それにうってつけの車両ということで「リゾートしらかみ」に白羽の矢が立ったのです。
実は1日3本ある「リゾートしらかみ」のうち、今回乗車する3号は秋田発の2本目であり、1本目ならもう少し早い時間帯である上に青森まで乗り入れる便なのですが、そちらはハイブリッド車両のHB-E300系だったので、キハ40系をチョイスしてこのような行程となりました。


「リゾートしらかみ」は看板列車と言っても過言ではないですし、こうして専用の案内が用意されていました。


ホームへ行くと同時に入線してきたので動画は撮り損ねましたw
それにしても、キハ40系だと言われても全く面影がありませんねw


近づいてもう1枚


なんとなく発車標を入れてみる


側面のロゴマークですが、ロゴ部分だけ色が違って浮いてしまっていますね。
多分、元々は同じ色だったんでしょうけど、車体側の塗装が色褪せてしまってこうなったのでしょう。


中間部だけは種車の面影を残しています。


車番はキハ40系列のままですね。


日陰にならない方向でも先頭部を撮っておきます。


ちょうど「こまち」が発車するところだったので並べてみました。


まだ発車まで時間があるので車内探検です。
こちらは展望スペースで、フリースペース扱いなので誰でも自由に利用できます。


乗車記念スタンプも設置されていました。


そして客室です。
転換リクライニングシートとなっており、特急列車にも匹敵する設備です。
ですが、「リゾートしらかみ」は快速扱いなので、指定席券さえ買えば乗車券だけで乗車できてしまいます。
もちろん青春18きっぷもOKなので、かなりの乗り得列車ですよね。
JR九州やJR四国では観光列車は軒並み特急化されている中で、快速のまま維持しているのは嬉しいですが、これは秋田や青森まで新幹線を利用してもらえることを期待して、「リゾートしらかみ」自体はリーズナブルに利用できるようにしているという話を聞いたことがあります。


そして、乗車したのはこちら!
ここはセミコンパートメントとなっており、半個室といえる席です。
普通こういう席は部屋単位での発売となっており、最低利用人数が決まっていたりするんですが、「リゾートしらかみ」についてはこれも1席ずつ座席として発売されており、私のようなお一人様でも利用することが可能です。
ただし、1部屋貸切とするためには4名で利用する必要があり、3名以下の人数で予約した場合は他人と相席になる可能性があります。
あと、えきねっとや指定席券売機で予約する場合は、「リゾートしらかみ(BOX)」という別列車扱いで登録されているので、その点だけ要注意です。

なお、私は当初、普通の座席を利用するつもりでしたが、普通座席の海側の窓側席が空いておらず、セミコンパートメント席だったら空いていたので選びました。
セミコンパートメント席は海側にあるので、ここを取れば確実に海側を確保できるのもメリットですね。


ちなみに、このセミコンパートメント、実は座席を変形させるとお座敷のようにすることができ、貸切状態にすれば足を伸ばしたり横になったり出来ます。
この写真は下車直前に座席を展開していた箇所を見つけて撮ったものですが、片側だけ展開した状態ですね。


肘置き代わりのこのクッションですが・・・


実はマジックテープでくっついているだけなので、簡単に取れます。
特に窓側席に出入りする際には結構邪魔になるので、取り外すと座席への出入りがしやすくなるでしょう。

といったところでそろそろ発車です。
流石に1名利用で貸切になるほど甘くはなく、しかも相席したのが外国人の親子とあっては録音的な意味で終わったかなと思ったら、意外と静かに過ごしてくれて事なきを得ました。


↑それではお待ちかねの車窓をどうぞ!
長丁場ですが、天候にも恵まれ、絶景の日本海を見られます!

奥羽本線では追分・八郎潟・東能代と停車していきますが、特急「つがる」との比較では「リゾートしらかみ」は追分に停まるものの森岳には停まらないなど差異があります。
ちなみに、1号は森岳にも停車します。


車窓には太平山の姿も見られました。

今年の冬には「スーパーつがる」で乗車した区間でもありますが、冬と夏ではまるで別世界というほど違った景色ですね。


東能代では進行方向が変わるため、少々停車がありました。


軽く撮影です。


五能線の秋田側の玄関口となる駅だけに、待合室は「リゾートしらかみ」のデザインになていました。

それでは車内に戻りましていよいよ五能線に入ります。
ここから147.2kmもの五能線の旅が始まるわけですが、たった1駅進んだ能代駅では早速停車時間があるため、5分程度の乗車で再び車外に出ることになりました。
これは対向の「リゾートしらかみ2号」の交換待ちでもありますが、早速駅での体験イベントもあります。


降りたらまずは撮影です。


縦型駅名標ですが、やっぱりこの向きなんですね。


駅名標です。
バスケットボール選手が描かれていますが、能代にある能代科学技術高校がバスケットボールの名門とされていることから、能代市はバスケの町として売り出しているようです。
そして、駅での体験イベントもバスケです。


ホーム上に設置された特設のゴールにフリースローをして見事ゴールすれば記念品をもらえるというイベントのようです。
大勢の人が参加していましたが、私は撮影に忙しいのと、運動神経からっきしなのでどうせゴールできないだろうということもあって参加はしませんでした。


普通のデザインの駅名標もありました。


まだ時間があるので駅前に出てみました。
なお、本来は指定席券などの料金券は途中下車してしまうと前途無効となってしまう規則がありますが、実は到着前のアナウンスで「リゾートしらかみ」の指定席券を提示すれば構内にあるNEWDAYSで5%引きになる特典があるという案内があり、そのNEWDAYSは改札外にあったのです。
つまりはこの特典を利用するためには改札を出る必要があるわけで、当駅で下車するわけではない人も改札を出ることが認められていると判断しました。
実際、多くの人が改札を出てNEWDAYSで買い物をしていましたし、改札口で指定席券が回収されるということもありませんでした。

もっとも、観光列車においてはこのルールはだいぶ形骸化していますよねw


駅前は広々とした駅前広場となっていました。
ちなみに、能代市の中心駅は当駅であり、奥羽本線が乗り入れる東能代駅はどちらかといえば町外れにあったりします。
米代川の存在もあって奥羽本線は能代市中心部を通らないルートとなりましたが、五能線が東能代駅と市中心部である能代駅を連絡する役割を持っており、東能代~能代間の1駅だけの区間列車も設定されていたりします。


構内には山車が展示されていました。


残った時間は向かいのホームへ移動して撮影です。
これは跨線橋からの撮影です。


これだけ撮ったら車内に戻ります。
対向の「リゾートしらかみ」の入線を撮ろうかとも思ったのですが、それだと発車ギリギリになりすぎて乗り遅れのリスクがあったので断念しました。

そして発車です。
八森駅辺りまで来るといよいよ日本海に沿って走るようになり、五能線の絶景区間の始まりです!


昨日までの曇り空が嘘のように快晴にも恵まれまして、これは当たりを引いたと言えるでしょう。


特徴的な岩があったりして、景色に変化を持たせてくれます。

岩館駅を過ぎると秋田県から青森県へと入っていきます。
県境ということで普通列車の本数は少ない閑散区間ですが、同時に特に景色がいいのもこのあたりです。


ウェスパ椿山駅に到着です。
なんとも変わった名前の駅ですが、同名の施設が由来でした。
過去形なのはウェスパ椿山は2020年に閉鎖されており、現在はその中にあった物産館のみリニューアルオープンして再開しているようです。
コロナ禍の打撃を受けてということなんでしょうが、残念ですね。

ちなみに、元々は「リゾートしらかみ」のみが停車する臨時駅という位置づけで開業しましたが、後に一般の列車も停車する一般駅に昇格しています。
観光列車のみ停車する駅というと、富良野線のラベンダー畑駅とかがありますね。


同駅にはSLが保存されているんですが、ブルーシートが掛けられた上にツタが巻き付いてなんだか寂しい状態に・・・
「ウェスパ椿山」の閉鎖と関係あるのかは分かりませんが、一時的にこの状態になっているだけならいいですけど。


その先も何気なく撮影しても絵になるくらい絶景が続きます。
特に景色がいい区間では徐行運転をしてくれるのも嬉しいですね。


特徴的な大岩もあります。

あと、十二湖~陸奥岩崎間にある仙北岩トンネルは全長9.5mであり、JR東日本管内では最も短いトンネルとなっています。
これについては車窓動画からぴったりその場面を探し出すのも一苦労ですし、横向きよりは前面展望視点の方がわかりやすいでしょうから、以前乗車した際に撮影したものをご紹介したいと思います。


↑というわけで前回乗車時の仙北岩トンネル通過時の前面展望です。
今回乗車した方向とは逆方向であり、2本目に通過するトンネルがそれです。
まあ、説明するまでもなく圧倒的に短いのですぐに分かると思いますがw

そして、列車は深浦に到着です。
ここでは3分ほど停車時間がありますが、ここは車外には出ずに過ごしました。

続いて停車する千畳敷駅では15分間の停車がありますが、ここでは車外に出て千畳敷海岸を散策できるイベントが用意されています。
過去に2回乗車した際には2回とも散策しているものの、せっかくなので今回も散策しようと思います。


千畳敷駅に到着!
ほぼ全員が降りるようで、この小さなローカル駅はまるで都会のラッシュアワーのような雑踏に満ちていました。


別デザインの駅名標もありました。


縦型


列車も撮影しますが、人が多いのであまりいい写真にはなりませんね。


千畳敷海岸へは国道を横断する必要があるので、こんな注意書きがありました。
信号こそないですが横断歩道はあるので、横断は容易ですが、かなりの人数がぞろぞろと渡るので国道は軽い渋滞が起きていました。
地元のドライバーだったら「リゾートしらかみ」が停車している時は大勢の乗客が道路を渡るということを知っているでしょうが、観光客などの他所から来たドライバーだと知らなくてびっくりするかもしれませんね

そういえば、前回訪れた頃はまだ横断歩道での歩行者優先が今ほど徹底されておらず、実態としては守らないドライバーが大半という状況だったので、車が途切れるタイミングを見計らって渡るという感じでしたが、今回はちょっとした渋滞ができる程度には多くのドライバーが歩行者優先を守っており、社会の変化を実感したものです。


駅はこのように国道の脇にあります。
弘南バスのバス停もありますが、深浦と鰺ヶ沢を結ぶ路線であり、五能線と並行する路線です。
どちらも本数が少ないので、ライバルと言うよりは相互補完関係という感じでしょうか。


駅前には望洋館という立地そのまんまな名前の民宿がありました。
以前はここでイカ焼きか何かを売っていた記憶がありますが、今回はそういったものはありませんでした。
もしかしたらこの7年の間に廃業したのかという気もしましたが、自販機はこの民宿が管理しているものでしょうし、Googleマップの口コミは3ヶ月前くらいのものがあるので、イカ焼きは売っていなくとも民宿としては今も営業している可能性が高そうです。


千畳敷海岸への入口です。
なお、車で訪れる人は少し先に駐車場があるのでそこを利用できます。


千畳敷海岸についての解説板


このように平たい岩場が広がっており、確かに千畳敷と名付けたくなる景観ですね。
1792年の地震で隆起し出来た地形だそうで、津軽藩の殿様が千畳の畳を敷いて大宴会を開いたという逸話からこの名がついたそうです。


侵食された結果なのか川のように細長い入江が出来ていました。


波打ち際です。
少し行くとすぐに水深が深くなるので海水浴には向かないですし、うっかり落ちたら溺れかねないので散策時は足元に注意しましょう。


↑波打ち際の動画です。


海側から駅方向を見て
全国探してもこのような景観はなかなかないでしょう。

それでは駅へ戻りますが・・・


↑発車の3分前には警笛を鳴らして知らせてくれます。

そして再び乗車です。
鰺ヶ沢あたりまで来ると日本海沿いの区間は終わって、あとは津軽平野を進む景色になります。
リンゴ畑の中を走ったりとそれはそれで特徴的な景色が楽しめますが、日本海の絶景のあとだと、ハイライトは終わった感じがしてしまいます。
逆方向の秋田行きだったらメインディッシュの日本海が出てくる前の前菜感覚で楽しめそうですけどね。


しかし、JR側もそれを想定しているのか車内で津軽三味線の生演奏が始まります。
HB-E300系では各車の車端部に液晶ディスプレイが設置されており、映像越しではありますがどの車両にいても見られるのですが、キハ40系ではディスプレイはなく、音声のみがスピーカーを通して流れます。
そのため、耳だけでなく目でも楽しみたければ先頭車両に移動する必要があります。
この点はキハ40系のデメリットですね。

この他に列車や日程によっては津軽弁語り部や金多豆蔵(きんたまめじょ)という無形民俗文化財に指定されている人形劇が上演されます。
今回乗車した3号では津軽三味線の生演奏に加えて、津軽弁語り部もあるんですが、私が乗車した日は津軽弁語り部はありませんでした。

五所川原駅では8分間停車がありましたが、ここは車内で大人しく過ごしました。
そして、五能線の終点の川部に到着です。
ここでは進行方向が変わるため7分間停車があります。
ちょうど青森行きの普通列車と接続しており、青森方面へ行きたい人はここで乗り換えですが、多くが弘前まで乗り通すようです。
今回乗車した列車は青森まで行かない便ですが、このあと弘前に宿泊するのか、別の列車で青森や秋田へ抜けるのか、それぞれのプランがあることでしょう。


奥羽本線に入ると岩木山が見えました。
津軽富士の名にふさわしい美しい山ですね。


平川を渡れば弘前市です。


弘前に到着!

「リゾートしらかみ」おかわり!

当初計画ではこのあとは普通列車で五能線を引き返し、秋田まで戻る予定だったのですが、ふと手元のスマホでえきねっとを開いて折り返しの「リゾートしらかみ」の空席状況を調べてみると、かなり空いており、これは綺麗な録音を確保できるという期待ができ、しかも「リゾートしらかみ」はチケットレスサービスをやっているので、スマホ上でポチるだけで指定席の確保ができてしまうのです。
思わず指定席を予約してしまった私は、結局往復とも「リゾートしらかみ」に乗ることになったのでした。

この背景には前回キハ40系の「リゾートしらかみ」に乗った際、弘前→深浦で小さな子連れの乗客と相席になり、録音が散々になったという一件があり、そのリベンジをするのにぴったりというのもありました。
それにしても、あれから7年、こうしてリベンジの機会に恵まれるとは・・・(あの時の子も大きくなっているんだろうなぁ)
本当は五能線でGV-E400系に乗ろうという思惑もあったのですが、それについてはまだまだ新しい車両ですし、また機会があることでしょう。


というわけで折り返し乗車が決定しましたが、16分後の折り返しです。
外に出るほどの時間でもないので、構内をぶらついて飲み物を買ったりトイレに行ったりしてから乗り込みます。


コンコースには可愛らしいオブジェがお出迎え!


特急券の圧がすごいw
結構特急だということを知らずに乗ってしまう人が多いんでしょうか。
以前乗車した時は確かに車内購入している人が多かった記憶はありますが、特急券が必要であることを知らないというよりは、駅で買うのが面倒か時間がなくてあえて車内購入という雰囲気でしたけどね。


英語でも案内していました。
外国人だと特急券の概念が分かりづらいのはあるかもしれませんね。

それでは折り返し乗車です。


↑今度も車窓を撮りました。
同じく海側ですが、夕焼けの日本海を楽しめます。
なお、途中で日没となるので途中の岩館までとなっています。

今度はダイジェストでご紹介していきますが、やっぱり空いていて録音環境は最高でした。
客層としては観光客は少なく、乗り鉄風の人が多かったですね。
観光に使うには向かない時間帯ですし、JRとしても秋田への回送ついでに走らせているという感じなんでしょう。
これだけ空いているならばセミコンパートメントをとってお座敷にして寝っ転がろうかとも思いましたが、万が一でも相席の人が来る可能性を考えるとそういうわけにも行かないと考え直しまして、普通の席を取りました。


車窓から見えた弘南バスです。


夕焼けの日本海もいいですね。

ちなみに、千畳敷駅についてはこの便は停車しません。
時期によっては暗くなる時間帯なので、海岸散策は危険ということで停車しないことにしているんですかね。


徐々に太陽が低くなってきました。


深浦では18分間停車するので気分転換も兼ねて外へ出ました。
駅周辺に自販機やコンビニがあることもあって、食料調達を兼ねて降りる人も多かったです。


先頭側から


駅舎へは構内踏切で移動します。


構内です。


駅舎です。
以前に訪れたことがある駅ですが、前回訪れた時に駅から少し行ったところにある大岩というところを訪れたら、滞在中に日没となって、足元が悪い中怖怖と帰ってくることになった思い出がありますw


この顔出しパネルは前回もあった気がします。


駅前通りですが閑散としていました。


駅前一等地にあったのはコインランドリーでした。
近くにコンビニがあるだけ、田舎の駅にしては恵まれているでしょうが、やっぱり田舎の駅前は商業施設が貧弱なことが多いですよね。

それでは構内に戻ります。
そろそろ岩館方面からの普通列車がやってきましてそれの到着を待って「リゾートしらかみ」が発車します。
今度は到着から発車まで少し余裕があるようなので撮影することにします。


↑というわけで動画をどうぞ


写真でも撮ります。


「リゾートしらかみ」と並べて

それでは車内に戻ります。


いよいよ本格的に夕焼けですね。


これがベストショットかな?
あとは停車時間がある駅も、東能代で7分停車するくらいでしたので、車内で大人しく過ごしました。
この6号は観光客が少ないですし、車内でのイベントもないので純粋にキハ40系の走りを楽しむなら一番いい列車かもしれませんね。

最後まで静かな車内で、無事7年前のリベンジを果たしたのでした。
くだんの親子が降りたあともなんだかんだで観光客が多くて騒がしかったので、そういう意味でもリベンジです。


秋田に到着!
20時42分と観光列車としてはかなり遅い時間の到着ですが、前述の通り、回送ついでという意味合いが強い運用なのでしょう。


↑最後に引き上げを撮りました。


秋田新幹線「こまち」を撮って活動終了です。

予定通り復路は普通列車だった場合よりは1時間半ほど早いゴールとなりましたが、これにて3日目は終了です。
4日目以降は別記事として追ってレポートしますので、公開までしばらくお待ち下さい。

つづく

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