陸羽西線乗り納め旅

今回は国道工事のため2年間の長期に渡って運休することとなった陸羽西線に、長期運休前に乗り納めということで山形県まで出掛けました。
時系列としては「「わかしお」で房総へ」の翌日に実施した活動ですが、ここのところ多忙になってしまい記事の執筆が随分と開いてしまいました・・・
なお、記事の執筆が遅れてしまい、陸羽西線は既に運休となっていますが、活動は運休前のものであり、記事中の記述は特記のない限りは当時のものとしてご覧ください。

今回の行程

今回は東京駅から上越新幹線「とき」で新潟へ、更に特急「いなほ」に乗り継いで酒田まで行ったら、少し引き返して余目から陸羽西線の快速「最上川」に乗車して新庄へ、最後は山形新幹線「つばさ」で帰路に就くという遠くまで行く割にはシンプルな行程となっています。
目的は陸羽西線の乗り納めで、それ以外は移動という意味合いが強いですからね。
実は今回は「週末パス」を利用しており、この1日だけでも「週末パス」の元が取れていたんですが、どうせ前日も空いていたのでついでに房総に行ったというのが前回の活動というわけです。

上越新幹線最速列車で新潟へ

まずは新潟を目指して上越新幹線に乗るわけですが、ここで利用するのは「とき311号」という列車です。
この列車は途中停車駅が大宮のみという上越新幹線最速列車なのです。
かつては大宮すらも通過し、東京~新潟間をノンストップで結んでいましたが、200系からE2系に置き換えられて車両性能が向上した分で、所要時間を維持したまま大宮に停車できるようになり現在に至ります。
速達型の「とき」でも高崎や越後湯沢・長岡あたりは大抵は停車するのがそれらもガン無視で大宮を出ると新潟まで停まらないという列車です。
この思い切った設定により、「とき311号」は東京~新潟間を1時間36分で結んでおり、一般的な「とき」が2時間程度を要するのに対して20~30分程度短縮しています。


というわけで東京駅からレポート開始です。
9時12分発の「とき311号」に乗ります。


一応ローマ字Ver.も


小ネタですが、改札機にJR東日本の新幹線が描かれていました。


こちらの発車標には停車駅案内も付いていますね。


途中をすっ飛ばしすぎて距離感がバグりますw


コンコースの階段にある発車標


そして、ホームの発車標です。
後続の「とき313号」に比べて停車駅が圧倒的に少ないのがよく分かりますね。
ちなみに、「とき311号」は新潟に10時48分に到着しますが、「とき313号」は新潟に11時33分に到着しており、東京駅発車の時点では16分しか差がないのに、新潟到着の時点では45分もの差となっています。所要時間で考えても30分近く差があるということですね。


行先表示です。
今は行先表示にも停車駅が出るので撮り甲斐がありますね。
車種はE2系でしたが、過去に何度も撮っているのと、今回は自由席なので悠長に撮影をしていたらいい席が無くなってしまう可能性があるのでこれだけ撮って乗車します。


↑窓際の席に座れましたので車窓は動画でどうぞ

東京駅を出る時点では車内の席は半分以下の乗車率という感じでした。
大宮までの利用者はほぼいないでしょうし、そうなると新潟駅へ向かう利用者しかこの「とき311号」を利用できないわけですから、利用者が少ないのは当然ですが、新潟では「いなほ」にスムーズに乗り継げるダイヤになっているため、新潟への利用者だけでなく、村上や鶴岡・酒田への利用者にも恩恵のある列車となっていて、庄内地方と首都圏を結ぶ列車という役割もあり、特に速達性を持たせているのかもしれません。

ほとんどの列車が停車する上野も通過して次は大宮です。
この大宮の次は新潟までノンストップであり、高崎や越後湯沢・長岡などへ行く利用者が間違って乗っていたら大変だということでかなり念入りに大宮の次は新潟まで停まらないことを案内していました。

大宮を出るといよいよスピードを上げていき、あとは新潟までノンストップです。
高崎通過は「かがやき」に乗れば割と体験できますが、越後湯沢や長岡の通過はなかなかレアですよね。

そして、新潟に到着ですが、ここではすぐに乗り換えなので新潟では滞在時間が殆どありませんw


新潟駅では新幹線と在来線が平面乗り換えが出来るのがありがたいですね。


そういえば、ここの乗り換え改札機も新幹線が描かれていました。

特急「いなほ」で酒田へ

それでは続いては特急「いなほ」で酒田へ向かいます。


こちらが「いなほ」です。
以前は常磐線特急の「フレッシュひたち」として活躍していたE653系が転用されて活躍しています。
「いなほ」に乗るのはこれで2度目ですが、前回乗った頃はまだ485系でした。


行先表示も撮ります。


ローマ字Ver.

今回も自由席ですが、座席はやはり半分程度の乗車率で新潟駅を発車します。


↑今回も車窓は動画でどうぞ
「いなほ」では日本海の車窓が楽しめるのでオススメですよ。

豊栄や新発田で降りる短距離利用者も多く、村上を過ぎると乗車率はだいぶ下がりましたが、それでもガラガラというほどは減らず、「いなほ」もドル箱路線ではないにしろ、堅調な需要があるのが伺えました。

そして、村上を過ぎると鉄道ファンにとっては大きなイベントがあります。


↑交直デッドセクションです!
この交直デッドセクションとは何かというと、羽越本線は新潟県側が直流電化、山形県側は交流電化と電気の種類が異なっており、その切替地点です。
そのデッドセクションでは、直流と交流を混ぜることが出来ないため電気を流さない区間が必要で、そこを通るときは電車は停電状態になるため車内の明かりが消えるのです。
なお、列車にもバッテリーが搭載されているため、最低限の設備は稼働します。

続いて出てくるのは景勝地の笹川流れです。
奇岩が並ぶ日本海の絶景が楽しめる区間となっていて、観光用の遊覧船もあるくらいです。


↑笹川流れ付近から始まるように設定してみました。
ぜひご覧下さい。

日本海と付かず離れず走り、気づけば列車は県境を超えて山形県に入りました。
最初の停車駅の府屋を過ぎるとあつみ温泉を経て鶴岡に到着します。
ここで降りる人が多く、車内はだいぶ空きました。
続いて停車するのは余目で、ここは陸羽西線との分岐点となっています。
私もこのあと陸羽西線に乗るのでここで降りるのがいいのですが、ここで降りてしまうと1時間以上待ち時間が発生してしまうのと、どうせなら「いなほ」に全区間乗りたかったので酒田まで行くことにしました。
まあ、酒田から更に先の秋田まで行く列車もあるので、それを含めると厳密には全区間乗車ではない気もしますがw


そして列車は終点の酒田に到着です。

酒田にて

とりあえず一旦は乗り換え地点である余目を通り越して酒田へやってきました。
過去何度か訪れていますが、暇だったのもあって軽く駅をご紹介したいと思います。


とりあえず駅名標から


「海里」の乗車位置案内


この国鉄時代の雰囲気を残した案内がいいですねぇ~。


側線にはGV-E400形がいました。
少し前までここにはキハ40系がいたんですが、時代の流れですねぇ。


向かいのホームから「いなほ」を撮影しました。

さて、ここで「海里」を待とうと思います。
実はあつみ温泉駅で、私が乗ってきた「いなほ」が「海里」を追い越しておりこれから酒田駅にやってくるところを撮ることが出来るのです。


↑「海里」の入線です。


写真でも撮ります。


側線に移動した「いなほ」と並べてみましたがちょっと強引かなw


ロゴマークは立体的に配置されていていいですね。


行先表示です。


列車名Ver.


そこへ貨物列車がやってきました。
羽越本線は日本海縦貫線の一部を構成し、貨物輸送のルートとしては今でも重要な役割を担っていますからね。


↑入線は動画で
乗務員交代でもするのか運転停車していました。


貨物列車越しに見える「海里」w


↑そして、貨物列車はすぐに発車していきました。
連結器の遊び部分が縮まり、轟音を立てながら発車する貨物列車ってなんか好きですw


↑そして、「海里」が引き上げていきます。
前身となる「きらきらうえつ」には乗ったことがありますが、「海里」はまだなので乗ってみたいものです。


写真でも撮ったらあとは駅の方を見ていきましょう。


久々の酒田なのでとりあえずホームを撮ったりw


「海里」仕様の駅名標がありました。
これは初見ですね。


改札口は和風な佇まいでした。


時間もあるので一旦改札を出ることにします。


構内も改札同様に落ち着いた色合いで統一されていました。
観光客向けにこういう装飾にしているんでしょうが、以前訪れたときはこんなではなかった気がします。


陸羽西線の運休と代行バスについての掲示物がありました。
それにしても、災害などでの不通を除けば2年間もの運休というのは異例ですよね。


代行バスの時刻表も掲示されていました。
元々陸羽西線の一部の列車が羽越本線に直通して酒田へ乗り入れていたこともあり、代行バスも酒田へ乗り入れる便が設定されているようです。
今回は運休の理由が国道工事であり、恐らくは国土交通省なり国道事務所なりから補償金が出ているんでしょうし、代行バスも災害時のものよりは充実した設定になっているのでしょう。
興味深いのは快速「最上川」の代替という意味合いなのか、代行バスにも快速便があるんですよね。
それはそれで乗ってみたいかもw


ここで駅弁タイム!
ここらでお昼ごはんを・・・と思ったのですが、酒田駅構内には飲食店がなく、かといって街へ食べに出るほどの時間はなかったので、構内の売店で駅弁を買って食べることにしたのでした。


押し寿司では腹が膨れないかと思いきや思ったよりボリュームがあり満足できました。
たまには駅弁もいいものですね。


駅弁を堪能したら羽越本線の普通列車で陸羽西線への乗り換え駅である余目へ向かいます。
このあつみ温泉行きが、今回乗車する快速「最上川」にちょうど接続する列車となっています。


よく見ると陸羽西線利用の人向けの案内もあったのでもう1枚撮りました。
ちなみに、快速「最上川」の新庄行きについては前回(2022年春)のダイヤ改正にて酒田始発から余目始発へ変更となり、酒田からは羽越本線普通列車と接続する形になった経緯があります。
今思えば、結局こうして乗りに来るならば酒田から乗れるうちに乗りに来ればよかったなぁw


その普通列車はGV-E400系でした。
長らくこの地区の普通列車として活躍していたキハ40系の代替で導入された電気式気動車であり、まだまだ目新しい存在です。


行先表示を撮ったら乗車します。
私同様に陸羽西線乗り納めに来たであろう鉄道ファン風の人が多く乗っていました。

さて、問題なのが余目での乗り換え時間であり、なんと2分しかありません。
これが接続列車になっているわけなので、もし今乗っているあつみ温泉行きが遅延したとしても接続はとってくれるでしょうが、対面乗り換えでなかったらダッシュは必至です。
大垣ダッシュならぬ余目ダッシュですねw

あと、このあつみ温泉行きですら陸羽西線狙いであろう乗り鉄が多くいるのに、別の列車で余目に先回りしていた組もいることを考えると快速「最上川」は結構混み合うのではないかという懸念もありました。
ただ乗るだけでいいなら混んでいても問題はないですし、仮に座れなくとも乗車時間は40分程度なので立ち席でもいいんですが、問題は車窓です。
せっかく乗るなら運休前最後の記念として車窓は撮りたいと思っていましたが、余目に先回り組が既に窓際の席を押さえてしまっていたら厳しくなります・・・
その事があったので「いなほ」を酒田まで乗らずに余目で降りて先回りしようかと思っていたんですが、結局「いなほ」全区間乗車を優先してしまいました。
今回は長期運休とは言え廃線になるわけではないですし、そこまで乗り鉄が殺到するということもないのではないかと高をくくっていたのもあります。
その結果は果たして・・・

陸羽西線 快速「最上川」

普通列車で余目へやってきた私は2分乗り換えを跨線橋ダッシュでこなして快速「最上川」が待つホームへ急ぎました。


待っていたのはキハ110系です。
乗り込んでみると既にボックスは全滅、ロングシート部が若干空いていましたが、ロングシートだと車窓を見づらいしなぁ・・・と悩んでいるうちに他の人に取られてしまいましたw

一応ボックス席の相席という形ならば座れそうでしたが、それだと車窓は諦めることになるし・・・
そんな状況下で私が下した決断は・・・


↑なんだかんだで車窓は撮れましたw
どうやったかというと、親切な方が窓際を譲ってくれた・・・なんてことはなく、窓際で座席がない部分に立ちながら動画を撮りました。
本来は車いすスペースでしょうから、もし車いす利用の方が乗ってきたら譲らなければなりませんが、ローカル線である陸羽西線でその確率は低いでしょうし、実際新庄までそういうことはなく全区間動画を撮ることが出来ました。


陸羽西線と陸羽東線は車両が共通で使われているためか路線図も陸羽西線と陸羽東線をまとめて掲載していました。


鉄橋で川をわたり・・・


こちら、川の駅最上峡くさなぎという施設で、最上川下りの乗り場になっているようです。


もちろん陸羽西線の車窓からも最上川はばっちり見えます。
陸羽西線には「奥の細道最上川ライン」という愛称があるくらいですからね。

ここで陸羽西線と快速「最上川」について軽く解説を入れておきましょう。
まず、陸羽西線についてですが、新庄と余目を結ぶローカル線です。
全長は43km程度とそれほど長くはないですが、山形県の庄内地方と最上地方を短絡する役割や、奥羽本線(山形新幹線)を介して県庁所在地の山形市や首都圏と庄内地方を結ぶ役割も担っており、かつては急行列車も乗り入れていたようです。
現在は都市間バスや「いなほ」と上越新幹線を新潟で乗り継ぐルートへの転移もあってローカル線という色が強くなっています。
そんな陸羽西線ですが、国道47号の一部として整備されている地域高規格道路「新庄酒田道路」を構成する「高屋道路」のトンネルを陸羽西線のトンネルの直下に建設することになり、その工事期間中に陸羽西線のトンネルに影響を与える可能性があり、安全上の理由で陸羽西線を2022年5月14日より2024年度中までの2年間に渡って運休させることとなったのです。
既存トンネルの直下に新たにトンネルを建設するという点や、道路工事のために鉄道を長期間運休させるという点など異例づくしの今回の運休ですが、その間は代行バスが運行されて陸羽西線の代わりとします。
従来陸羽西線から羽越本線に直通して酒田まで乗り入れていた列車も羽越本線区間を含めて全区間で運休となる関係上、代行バスも一部が酒田まで運行される他、快速便もあるなど、代行バスもまたファンの興味を惹いているようです。

また、陸羽西線が利用者が少ない赤字ローカル線であることから、このまま運行再開せずになし崩し的に廃線になるのではないかと懸念する声もあるようですが、個人的にはそれはかなり低い確率ではないかと思います。
理由としては1つは今回は国道工事が理由の運休であり、然るべく補償金が出ているはずであり、それなのにそのまま運行再開せずに廃線にしたら補償金を巡ってトラブルになりかねないため、仮に廃線にするつもりならば工事が始まる前に廃止にしているのではないかということで、もう1つは確かに長期運休の末に廃線というケースは全国的にはよくありますが、それらは路線自体が甚大な被害を受けて復旧だけでも莫大な費用がかかる上に復旧させても赤字が見込まれるというケースで、今回はトンネル工事中の安全面への配慮での運休であり、2年後に再開するに際しては錆びてしまったレールの交換などは必要になるかもしれませんが、他の被災路線で問題になるほど莫大な費用はかからないでしょうし、運休の原因が道路工事である以上はそういった費用も国が負担する可能性が高いと思うからというのがあります。
とはいえ、そのまま再開せずに廃線という可能性も0とも言い切れないため、今回乗りに来たんですけどねw

そして、快速「最上川」についてですが、これはかつて存在した急行「月山」の流れを汲む快速列車であり、1999年に山形新幹線新庄延伸に合わせて現在の愛称が付きました。
当初は2.5往復が設定されていましたが、2007年より1往復に減便され、2019年には下り列車が線内各駅停車となり、2022年には上り列車が酒田へ乗り入れなくなり余目始発となり現在に至ります。
工事中の代行バスにも快速が設定されるようですから陸羽西線の都市間輸送の役割も完全に無くなったわけではないのでしょうが、年々運行規模が縮小しており、将来が心配な列車です。
長期運休の後に陸羽西線自体は復活しても、快速「最上川」が残る保証もないですし、乗りに来たわけです。
その「最上川」の停車駅ですが、余目を出ると狩川と古口の2駅にのみ停車してから新庄まで行きます。
途中で6駅も通過しているので、ちゃんと快速らしい快速ですよね。

また、「最上川」のうち下り列車には過去に乗ったことがあったのですが、前述の通り下り列車は陸羽西線内は各駅停車であり、陸羽西線でも快速運転をするのは上り列車だけとなっており、ちゃんと陸羽西線でも快速運転をする「最上川」に乗るのは今回が初めてでした。

最後に乗った感想ですが、噂通りローカル線にしてはかなり飛ばしていて、それでいて最上川の景色も楽しめて面白い路線だと思いました。
2年間はお預けになりますが、再開したら是非乗ってみて下さい。

そして、40分ほどの乗車で終点の新庄に到着です。
途中駅から数名乗ってきましたが、ほとんどが全区間乗り通しており、乗り鉄率の高さは言うまでもないですねw


新庄に到着!


余目では撮れなかった快速幕を撮影します。


あまり綺麗には撮れませんでしたが、方向幕も


向かいのホームからも撮ります。


そして、ちょうど停車していたのは陸羽東線を走る快速「湯けむり」です。
この列車は元々は観光列車「リゾートみのり」として走っていたものをキハ110系に置き換えて運行が続いているもので、キハ110系が使われていますが、転換リクライニングを備えた豪華仕様となっています。
この「湯けむり」は「最上川」からスムーズに乗り換えられるダイヤになっていて、「最上川」からそのまま「湯けむり」に乗り継ぐ人が多くいました。
ローカル線を2つハシゴして仙台へ抜けられるので、このルートは乗り鉄には魅力的ですよね。
私もこのルートも考えましたが、記事にはしていないものの別件で乗ったことがあったのと、山形新幹線に最近乗っていなかったので山形新幹線で東京へ戻るルートを選びました。

また、塗装が変わっていますが、これは旧型客車をイメージしたレトロ塗装だそうです。


ヘッドマークも付いています。


ほぼ毎週末運行されているものの、臨時列車扱いであり、幕は臨時でした。


↑「湯けむり」の発車です。


最後に奥羽本線の701系を撮ったら一旦外へ出ます。
このあとは山形新幹線で帰路に就くのですが、ここで何気に接続が悪くしばらく滞在時間があったのです。


乗車するのは15時49分発の「つばさ266号」・・・ではなくて、その後続の「つばさ18号」です。
実はこの頃はまだ東北新幹線が地震の影響による臨時ダイヤで運行されていて、山形新幹線も臨時ダイヤだったのですが、「つばさ266号」の存在を見落としていて、「つばさ18号」しかないと思ってそちらを予約していたのでした。
普段なら自由席を選ぶことが多い私も、2022年春の改正より山形新幹線が全車指定席になってしまったため仕方なく指定席だったため、「つばさ266号」に乗るなら指定席券を変更しなければなりません。
えきねっとで空席状況を調べると「つばさ266号」にも空席があるようでしたが、変更しても20分程度早く帰れるだけですし、そのまま予定通りの列車で帰路に就くことにしました。
その空いた時間で何をするかというと・・・

新庄にて

というわけで、臨時列車を見落とすという凡ミスで余計に長い滞在時間になった新庄ですが、ここでは1つの目的がありました。


駅前広場の中央にある円錐形のオブジェ


駅舎です。
山形新幹線が延伸したときにでもリニューアルされたのか今風の駅舎ですよね。


山形新幹線新庄延伸記念のモニュメントがありました。


よく見ると駅レンタカーの看板ですが、テープで隠されているところを見ると、廃業してしまったんでしょうか・・・?


駅前のバス停です。
雪国らしく四隅に柱がある頑丈な作りの屋根が付いていました。


これも雪国ならではですよね。
設計上耐えられる積雪の上限が示されていて、これを超える前に雪下ろしをしなければならないわけです。


バス停です。
山形県内のバスはほぼ山交バス(山形交通)が独占しています。


こちらは都市間バス「48ライナー」と「サンライズ号」の時刻表です。
「48ライナー」の方は新庄と仙台を結んでいますが、愛称は経由する国道48号に因んでいます。
また、この路線はそこそこ長距離を運行する割に高速道路を一切経由しないため、東北地方でローカルバス乗り継ぎの旅をする場合、定番路線となっているようです。
「サンライズ号」の方は夜行路線であり予約制なのでネット予約の「発車オーライネット」のURLに繋がるQRコードが載っているのは面白いですね。
大抵の人は予約してからバス停に来るでしょうが、急な用事とかで飛び込みで乗りたい場合に、バスを待つ間にスマホで予約しておけばスムーズというわけでしょうか。


こちらは地元のローカル路線ですが本数は少ないですね・・・
また、この他に新庄市営バスや隣接する鮎川村営バス、大蔵村営バスなども発着しています。
やっぱり地方ではローカルバスは民営では厳しいということですかね。


路線図もありました。
こちらは市営・村営バスもひっくるめて案内しているようです。


この団地みたいな建物は・・・


JRの社宅みたいです。
さすがはJRともなると社宅でも団地並の規模になるんですね。


そうしてたどり着いたこちら、一見するとJRバスの営業所のようですが・・・


実は山交バスの営業所です。
というよりJRバス東北は山形県には営業所を持っていません。
ではなぜ山交バスの営業所にJRバスがたくさん止まっているのかというと、これは陸羽西線の代行バスのためです。
Wikipediaには「仙台支店新庄支所」という記述がありますが、実際には山交バスの営業所を間借りしているという形なのでしょうか。
これも2年間限定の光景ですし、新庄で時間が余るついでに見に来たのです。
なお、今回は山交バスやJRバス東北へ許可を得ての訪問ではないため敷地には立ち入らず、敷地外からのみ見学します。


山交バスの営業所なのでもちろん山交バスも止まっています。


山交バスの営業所にJRバスがいるという写真が撮りたくて色々模索しましたが、営業所の名前とJRバスを並べて撮れるのはこれしかありませんでしたw


あと、よく見ると路線バスに使われる車両に付く「乗合」ではなく、観光バスに使われる車両に付く「貸切」の表記がされていました。
代行バスはJR東日本の委託で運行するJR利用者のための貸切バスという扱いなので貸切車でも問題ないんでしょうね。
確かに鉄道代行バスでは貸切バス事業の届出しかしていないバス会社が運行を受託することもありますしね。


なんとなく後ろからも撮るw


これは冬期に使う除雪車なんですかね。
それにしても、道路の除雪は行政が委託した業者が行うものだと思っていましたが、バス会社が自前で除雪車を保有するというケースもあるのでしょうか?
それとも、バス会社が自社のバスの経路を除雪するついでに他の一般道の除雪も委託されているとかでしょうか?


面白いのがこちらの営業所は公道を挟んで2箇所に別れていて、もう一方の敷地へ向かうにはその都度公道を横断しないといけないんです。
公道と言っても地元の生活道路のようで交通量はさほどないみたいですが、なかなか面白い立地の営業所ですよね。


山交バスの高速バスがいました。


営業所の建物はこちらです。
問い合わせや定期券購入などで一般人も立ち入っていいスペースだと思いますが、用もないのに立ち入るのは冷やかしのように思われそうなので遠目から見学するだけにしました。


入口部分


営業所の看板


洗車にでも使うのかホースがありますが、よく見ると「冬水止メルナ」と書いてありますね。
冬場は水道などが凍結しないように僅かに出しっぱなしにするということを寒冷地ではよくやりますが、事情を知らない人が閉め忘れていると思って止めてしまわないようにこういう風に書いているんでしょうね。
営業所内の水道なので基本的には関係者しか使わないはずですが、公道からすぐの所にあるので、通りがかった人が親切心で閉めてしまうということも過去にあったのかもしれません。
それでは駅へ引き返すとしましょう。


道を歩いているとアンダーパスから山交バスが出てきました。


山交バスは余り撮っていなかったので基本の構図でも撮っておきます。


バスも新庄駅に立ち寄るのか駅へ向かう道中でもう1度見かけました。

それでは、あとは「つばさ」で帰路に就くのみです。

山形新幹線「つばさ」で帰路に就く

これにて今回の遠征のメインは終了し、あとは山形新幹線に揺られて東京へ帰るのみです。


乗車するのはこちらです。
まあ、山形新幹線はE3系しか来ないんですけどねw
でも、E8系なる新型車両の投入が発表されていますし、この光景もそんなに長くは見られないかもしれません。


行先表示です。


発車標を撮ったら乗り込みます。


↑車窓は動画でどうぞ
なお、途中で暗くなってしまったため全区間ではなくて郡山までとしています。

最初はガラガラで、連休でもなければそれほど混まないのかと思えば山形を出る頃にはほぼ満席近い状態になっていて、山形新幹線の需要の高さを伺えました。


つい数ヶ月前に「とれいゆ」で乗ったときは雪景色だったのが今は雪もすっかり溶け消えて新緑の田園風景となっているのは季節の変化を感じました。


福島に到着です。
普通ならここで仙台方面からやってきた「やまびこ」と連結するというイベントがあるのですが、今回は単独運転で東京まで行くようで連結はありませんでした。
定期でも単独運転で東京まで乗り入れる「つばさ」はあったと思いますが、それでも珍しいことは確かなのでなんだか得した気分にw

福島・郡山・宇都宮と停車していく間にどんどんと乗客が増えていきますが、中には空席を求めて歩き回っている人もいるようです。
前述の通り「つばさ」は全車指定席であり、それは東北新幹線内にも当てはまるのですが、それを知らないで自由席特急券で乗り込んでしまった人がかなりいるようです。
車掌さんに相談して空席を利用していいということになったようですが、確かに普通は「やまびこ」を併結していてそちらに自由席がありますから、単独運転ならではの光景でした。


単独運転の7両編成がレアだったので郡山駅の発車標を撮りました。

郡山で暗くなってきたので車窓の撮影も止めてしまうとすることがなくなり、ウトウトしていると列車はもう埼玉県に入っていて気づけば大宮が目前でしたw
埼京線などと並行しつつ東京都内に入ると上野に停車してから終点の東京に到着です。


東京でも単独運転が珍しいということで軽く撮影します。


東海道新幹線と並べて


↑最後に発車を見送ろうと思ったらE5系が先に発車だったのでそれも撮りました。


↑そして、最後のシメとなるE3系の発車です。

というわけでこれにて記事の方も〆たいと思います。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。

この後も何度か遠征を含めて活動をしたのでそれのレポートも書きたいですが、SimuTransの方も開発は進めたものの記事に出来ていない部分があるのでそちらを優先するかもしれません。
それでは!

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